林業転職

【林業ヤバいと言われる理由】転職する前に知っておいた方が良い事

kitajin

どうも、元フォレストワーカーのkitajinです。

本記事では、林業の小さな事だけど気になる話について紹介してます。

林業に転職を考えているあなたは、全くの異業種から林業にチャレンジしようとしているかもしれません。

普段、目にすることの少ない林業について、いろいろと調べているのではないでしょうか。

ボク自身、何も知らないでのん気に転職した部類ですが、皆さんはそうでないと思います。

現代の情報社会なら、ある程度のことを調べることができると思いますが、やはり生の声を聞いた方が、分かりやすいと思います。

そこで、本記事で取り上げるのは、恐らくあまり情報が出ていない林業の真実です。

働き始めてから、こんなはずじゃなかったと言う前に、これを読むことをオススメします。

この記事を書いた人

kitajin
  • 静岡県浜松市で10年間林業に従事

(素材生産業者で伐採を主にやっていました)

  • 林業に関する基本的資格はすべて取得

(林業架線作業主任者の国家資格取得者)

  • 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営

(運営歴1年の新人です)

林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

あくまで、個人の主観での話だということをご了承ください。

転職する前に知っておいた方が良いこと

説明している

通勤に、片道数時間かかることもある

林業において、仕事をする場所は山の中です。

たとえ、会社に通勤時間10分の場所に住んでいたとしても、会社から作業現場まで2時間かかるということもあります。

山の中の現場まで行くのには、細い入りくねった未舗装の道を延々と行くことこともあり、当然、スピードは出せません。更に林道に車を止めて、現場まで歩くということもあります。

重い荷物を持って、斜面を上がったり下がったりするので、結局、時間を取られ現場に着くのが1、2時間ということになりまってしまうのです。

しかも、現場に着くのが始業時刻という会社がほとんどで、通勤時間は仕事に含まれないということになっているの場合もあります。

つまり、林業で働くと、実労は7時間、通勤時間が4時間なんてことが本当にあるのです。

怪我をする人、腰痛になる人の割合が多い

出典元 林野庁ホームページ

上のグラフは、林業の労働災害の統計ですが、林業では怪我をする人が多いことはもちろんのこと、腰痛になる人は同じくらい多いです。

原因は様々あると思いますが、以下の要因が挙げられますられます。

  • 重い荷物(チェーンソーなど)を持つことが多い
  • 長時間、斜面にいる
  • 中腰になることが多い
  • 寒暖が激しい場所にいる

冬場にぎっくり腰になることが多いのも特徴的です。

ぎっくり腰の原因として言われているのは、血流の悪さと筋肉の硬直です。

重機に乗っていれば、同じ姿勢のまま長時間いるので、筋肉が固まり、チェーンソー作業は中腰になったり、急に動いたりします。

また、チェーンソーの振動により、血管が収縮するとされています。

林業は、まさにぎっくり腰になりやすい職業なのです。

あわせて読みたい

職場は斜面ばかりだ

日本の山は世界的に見ても、急勾配な地形だと言われています。そして、作業現場は基本、斜面です。

ほとんどの人が、斜面で仕事をすることを経験したことがないと思いますが、人間、いかに平らな場所に慣れているかということが思い知らされるはずです。

斜面に長時間いることがどんなに苦痛か分かります。しかも、それが毎日のように続き、足の爪が変形します。

また、一度転べばどこまでも転げ落ちることもありますし、何かが転がり落ちてくることもあります。斜面で仕事をするということは、常に危険を伴うのです。

家の中が汚れる

チェーンソーの仕事をしていると特にそうなのですが、チェーンソーから出た木屑などが付着したまま家に帰り、家を汚すのです。

もちろん、仕事終わりに着替えをしますし、コンプレッサーといって、強力な空気圧で汚れを吹き飛ばしてから帰るのですが、何処についていたのか?と思うくらい木屑が部屋で見つかります。

また、細かい汚れなども体についているらしく、床を拭くと黒い粒のような埃が付いてきます。

洗濯水が黒くなる

細かい埃や泥などが付いた作業着を洗うと、泥水のような洗濯水になります。

特に雨降った作業現場で終わったときなどは非常に汚い水が流れ出ます。

洗濯槽が汚れるのは仕方のないことですが、自宅の外に洗濯機があるならいでですが、アパートなどに暮らしていると非常に不便な思いをさせられます。

また、作業靴も同様に汚れるので、作業終わりにこまめに汚れを取っておかないといけません。

過ごしやすい季節は1年の内の1ヶ月くらいしかない

林業をしていると、四季を身近に感じることができます。

外仕事をしている人なら分かるでしょうが、外の仕事というのは、天候に左右されやすく、厳しいものです。

しかも、山の中というのは下界よりもう一段階上の厳しい自然です。

寒さも、地上にいる時の-2°から-5°ぐらいあると考えといた方がいいです。

また、夏の暑さも大変なものです。

山の上で涼しいし、樹木が陽を遮ってくれますが、身に着けている装備により、暑さが倍増します。

ヘルメットに防振手袋、長袖、防護ズボン、安全ブーツ、チェーンソー、でっかい腰袋、更に腰袋の中には、喉が渇くためにペットボトルを入れています。

同僚の中には、夏場は手袋から汗が流れ出ている人がいました。それくらい夏場は厳しいです。

最近は、空調服というものがあるようですが、それでかなり暑さも軽減されるかもしれませんが、それでも辛いと思います。

さらに、秋は台風や暴風雨、春は花粉症など、諸々の条件を合わせると、一年で穏やかな天気の日は1ヶ月くらいしかありません。

周囲に理解されづらい

全国の林業従事者は、約4万5千人と言われています。これは、日本の従業員数の第三位のデンソー(約4万6000人)よりも少ない人数です。

これだけ小規模な業界に就職したいと聞くと、大体の人が何で?と首を傾げます。

また「危ない」と言われて、家族から反対されたと同僚から聞きました。

林業に対する世間のイメージは、厳しいものです。

林業をやっていると言うと、どういう反応をしていいのか分からない微妙な顔をされることもあります。

人より、獣に合う勝率の方が高い

山の中で会う人といえば、同業者や猟師、地元の人くらいで、他は滅多に行き逢うことはありません。

その代わり、獣には頻繁に会うことになります。

主要な鳥獣種類別の被害金額については、イノシシ(被害額39億円、対前年度▲6.4億円)、サル(同8億円、同▲1.0億円)、カラス(同13億円、同▲0.7億円)で減少する一方、シカの被害は増加(同61億円、同+4.6億円)しています。

農作物被害状況:農林水産省 (maff.go.jp)

引用を見ると、多くの農作物が被害にあっているので、害獣の数も相当いるのだと、分かってもらえると思います。

また、林業においても害獣の被害は深刻です。

特にシカは杉や檜の苗を好んで食べるので、せっかく植えても食べられて全滅と言うことがあるのです。

シカとイノシシは今や増え続け、全国の山の中に生息していると言われています。

シカとカモシカは、めったに襲ってくることはありませんが、イノシシは、毎年多くの人が襲われて怪我を負ったりしています。

個人的には、イノシシは夜行性だからか遭遇したことはありません。

出会いがない

林業は、圧倒的男性社会です。

出典元 農林水産省ホームページ

グラフを見てもらっても分かる通り、九割近くが男性です。

しかも、恐らくですが、この女性というのは、家族経営でやられている林業家の奥さんがほとんどではないでしょうか。

つまり、林業をしていて、独身という女性は極めてまれと言うことです。

林業に転職を考えているのなら、転職する前にパートナーを見つけるか、転職後に積極的に探すしかないのです。

運命の出会いは、山の中には転がっていません。

ですので、独り身の人は、林業に入る前にパートナーを見つけることをオススメします。

オススメ記事

雨の日に働く事業体がある

林業は危険な職業で、特に雨の中の作業は普段より危険を伴います。

しかし、実際、雨の日に仕事をする事業体は、実際に数多くあるようです。

先にも書きましたが、雨の中で作業をすると作業服が汚れます。さらに地面はぬかるみ、木は滑り、その他、様々なことが悪条件で作業をしなくてはなりません。

効率も悪く、本来なら作業をすべきではないのですが、やはり、利益を上げるために仕方がない部分もあります。

事業体によっては、様々な労働形態を取り入れているところが有り、雨の日と天気の日を入替えて休みにするや、年間を通して何日働くということを定めている場合もあります。

自分が働く事業体がどんな労働形態をとっているのか、事前に聞いておいた方がよいでしょう。

すべて自分持ちの事業体がある

事業体によっては、チェーンソーの機械代、燃料費、作業着、シューズ、その他の全ての道具を自分持ちにするところもあります。

その場合は、機械代などの経費が給料に組み込まれているので、最初から給料が高いからといって、安心しないでください。

特にチェーンソーはよく壊れるので、修理代がかかったり、全損なら一気に十数万円が飛んでいきます。

花粉で視界が霞むことがある

杉花粉イメージ

写真はイメージです

実際に、花粉がモクモクと煙のように杉の木から出てくる様を、見たことある人は少ないと思います。

2月の下旬から3月の下旬にかけて、杉の木から煙のように出た花粉は、風に飛ばされて、周囲はまるで霧か山火事のような光景になります。

また、杉の木を倒すと、白い煙が地面から舞いあがり、花粉症のボクは目がかゆく、鼻水が止まらなくなるのでした。

特に風が強い日は花粉が飛びまくり、花粉症の作業員を悩ませ、そういう状態が1ヶ月近く続きます。

チェーンソー作業は暑いが、振動で手が冷たい

チェーンソー作業というのは非常に体を熱くさせます。

冬場でも、数十分で体が温かくなり寒さを忘れますが、夏だと汗が噴き出すほどです。

しかし、チェーンソーを持った手は逆に冷えてきます。

それは、振動により指先の毛細血管が収縮してしまうからです。

これが酷くなると、振動障害と言われる労働災害になります。

白蝋病と言われる指先が真っ白になって、やがて壊死してしまうのです。もちろん現在、振動障害検査は林業において毎年の健康診断で必須の検査項目となっています。

白蝋病は強い振動を伴なう作業を長期間に渡って行うことが主な原因とされており、しばしば山林労働者や土木・建設従事員の職業病とも呼ばれる。症状としては主に手の血管の痙攣性収縮及び手指の白色化現象(レイノー現象)が起り、慢性的なしびれと感覚の鈍化、握力の低下や疼痛を生ずる。病状が進行すると手首や肘、肩といった関節にも同様の症状を発するため、可能であれば初期の段階で適切な治療を受けるのが望ましい。また、白蝋病は手だけでなく足にも発症することがある。

白蝋病 - Wikipedia

再検査になると、チェーンソー作業を控えるようにと医師から言われます。

林業作業者は、防寒に関しても十分気を付けなくてはならないのです。

平均年齢が高め

林業の平均年齢はかなり高いです 。業界の平均年齢は40代と言うことです。

定年がないということもありますが、林業は高齢でも活躍できる職場です。

ボクが林業に入ったばかりの頃は、社長を除いて全員が70代のおじいさんでした。

事業体にもよりけりですが、世代間のギャップは覚悟しておいた方がよいでしょう。

林業にもブラックな事業体がある

林業にも、当然、働きやすい事業体もあればブラックも存在します。考え方が旧式の、労働環境の意識が低い事業体もあるのです。

有給がなかったり、社会保障もしっかりしていなかったり、健康診断も振動検査(振動検査は義務化されているので)しかないなんてところもあります

また、林業においてブラックと言われる事業体は、ノルマがあったり、休みが少なく労働時間が長く、作業を急がせる事業体をさします。

林業において作業を急がせたり、余裕をなくすことが如何に危険かは想像できると思います。自分のペースでやれないと、どうしてもミスが出て、結果、仕事が手抜きになったり、怪我をしたり、道具を壊すことに繋がります。

昔に比べて、ずいぶん減ったと思いますが、今でもブラックな事業体は残っていそうです。

誤解のないように言っておきますが、ボクが働いていた素材生産業者はとてもいい会社で、労働条件も決して悪くなく、働きやすかったです。

転職活動の迷路にハマってしまった方はこちらへ👇

転職サイトのdodaに登録しておけば、転職エージェントが転職に関する悩みを解決する手助けをしてくれます。

\転職ならdodaエージェントサービス/ 【プロモーション】

最後に

kitajin

林業の仕事が、大変と言うことは知っていても、大変さの内容まで知っている人は少ないと思います。

ここに挙げた例は、ボクが経験したことや見聞きしたことを集めた個人の視点です。

ですので、これのどこが大変なのかと思う人もいるかもしれません。もし、あなたがそう思うなら、まさに林業はうってつけの仕事になるはずです。

これらすべてが当てはまる事業体はないとは思いますが、こんなはずじゃなかった、となる前に転職先はしっかりと調べてから転職すべきでしょう。

それでも転職したいと思う方はこちらの記事
関連記事
関連記事

-林業転職