林業一年目

【林業と安全】作業中に注意すべき場面と対処法を紹介

kitajin

改めまして、元フォレストワーカーのkitajinです。

本記事では、転職をした後に役立つ、山の中での歩き方や作業中の動き、事故が起きやすいタイミングなどについて解説しています。

林業の作業には、様々な危険が付きまとうものであり、ちょっとした油断で怪我を負ってしまいます。

では、どうしたら、怪我をせずに毎日笑って山を下りられるかを、林業経験10年、一度だけ大けがを経験したことのあるボクが紹介します。

ボクの10年間の経験から学んだ動きと、山のプロである登山家などが実践している方法などを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

○この記事で分かること

・山の正しい歩き方

・高いところ登り下り

・疲れず、安全なチェーンソー作業の仕方

・怪我をしやすい時間帯

・怪我をしやすいタイミング

安全に作業するための動作

倒れた人形

作業中の歩き方

林業の職場は、山の中であり、ただでさえ歩きづらいのに上に、チェーンソーなどを持って作業をしなくてはなりません。

さらに、作業現場の足元には危険な箇所が数多く存在しています。

例えば、造材時に枝払いした枝に足を取られて転ぶことがあります。他にも木の根や石、朽ちた木が倒れていたり、造材した後の木の切れ端などが落ちています。

また、地形も凸凹であり、穴が開いていたり、いきなり崖になっていたりもしています。

足場は、天候にも左右されます。

雨や雪などが降れば、地面はぬかるみ途端に歩きづらくなり、滑る危険地帯へと変わります。

作業中の歩き方としては、足元を確認しながら、歩くことが基本となります。

また、危険が予想される斜面や草むらの中では、すり足で足元に集中して落ち着いて歩くとよいでしょう。

移動での登り下り

登り

登りの基本姿勢は、頭から背中までまっすぐにして歩くことです。

筋力がついてないうちは前傾姿勢になりがちなので、下ばかりを見ずに頭を上げて、少し前を見ながら歩くようにするとよいでしょう。

林業では、多くの荷物を持って移動することなるので、負担のない持ち方で移動します。

事業体によってやり方があるので詳しくは書きませんが、先輩のやり方をマネて、運びやすい方法を習得してください。

慣れてくると、安全に早く歩けるようになります。

下り

下りを歩く時は、ついスピードが出て危険です。つまずかないように足元に注意しながら下ります。

仕事終わりやキツい登りの後の下りは、筋肉疲労のために膝が笑うことがあるので、そんな時はより慎重に下りましょう。

斜面がキツくなったら、真っ直ぐに下りるのではなく、体を横向きにして下りたり、ジグザクに下りてもいいです。

急斜面

斜面が急な時の登り方としては、ジクザグに登っていく方が負担が少ないです。

真っ直ぐ登るのは時間が短縮されますが、慣れないうちは筋肉に負担が掛かり、後の作業に響きます。

また、斜面はよく見ると獣道や登りやすいルートがあるので、どのルートを通れば一番負担が少なく、安全かを考えながら登るとよいでしょう。

最初のうちは難しいかもしれませんが、慣れればすぐに分かります。

あと、最初のうちは作業靴が足に馴染んでないことで靴擦れを起こすかもしれません。ですので、自分に合った靴選びも作業をする上ではとても重要です。しっくりくる靴を選びましょう。

現在は、安全ブーツが主流になっていますが、昔から使われてきた足袋の方が、指先が曲がりやすいので山歩きには適しています。つま先にガードが入っている安全足袋も売られているので、試してみるのもいいかもしれません。

岩場など高いところへ登る時

岩場や高いところでの作業は、「三点支持」または「三点確保」と呼ばれる登り方が安全と言われています。

これは登山をする人は常識ですが、まず、安定しているところに手足四点を置いた時点で、次に手がかり、足がかりになる場所を見つけたら、どこか一点を動かしてそこに到達する、それを繰り返すのです。つまり、手足の三点がどこかに接地している状態で移動していくのです。

荷物を持って移動時は、荷物を背負うか、または後から引き上げるようにロープを腰に巻き付けて置くなどしておくとよいでしょう。

斜面を登る時は、なるべく小刻みに移動して、体を開かないような場所を起点とする安全です。

また下りの時は、安定している場所を選んで下りていきますが、距離がある時は腰を下ろして、お尻を地面につけて足を下ろしていくのが安全です。

着地場所まで距離がある場合は、身体を岩場につけて腕を掛けて足を下ろして下りて行くのが良いでしょう。

疲れず、安全なチェーンソー作業の仕方

チェーンソー作業で疲れないためには、いかにチェーンソーを持たないで作業するかです。

何を訳の分からない事を?と思うかもしれませんが説明します。

チェーンソーの重さは大体5キロぐらいあるので、最初の1ヶ月目は腕がパンパンになり、手が痺れて握力が無くなります。

それに加え、もう一つ厄介なのが振動です。エンジンの振動が手や腕に伝わり、筋肉に負担をかけているのです。

ですので、チェーンソーの重みと振動を回避しながら作業をしていく方が疲れないため、対策として最初にいったチェーンソーを持たないことが重要になってきます。

具体的に説明すると、作業中にチェーンソーを様々なところに接地させて使用します。

分かりやすい例としては、伐倒木の枝払いです。

倒した木の枝払いをする時は、作業者は伐倒木の側面を歩きながら枝を払っていきます。その時に、チェーンソーを木に付けながら作業していくのです。

チェーンソーを持つ姿勢としては、なるべく体に密着させ、腕を曲げた状態で、体に近い場所で作業することです。

何となくイメージできると思いますが、腕を伸ばした状態で物を持てば、それだけ重くなります。チェーンソーを体に密着させれば、それだけ重みが軽減されるのです。

以上の事は、チェーンソー作業での安全面にも当てはまります。

密着させて作業した方が、チェーンソーが軽くなり、コントロールしやすいので安全に作業できるという訳です。

怪我をしやすい時間帯

開始時刻

始業時間の1時間は怪我の多い時間帯と言われています。

まだ心と体が仕事をする準備が整っていないうちに作業を始めることで、ミスを起こしやすいです。

また、咄嗟に動かなくてはならない時も、体が慣れていない朝は、反応が遅れがちになります。

昼休憩前

昼前は、どうしても昼休憩に何をしようかとか、早く終わらせて弁当を食べたいなどと、つい気がそぞろになっています。

僕が怪我をしたのも昼休憩前でした。

ボクの場合は、体調が悪く作業を早く終えて休憩しようとして、気が焦った時にミスを犯しました。

終業間際

1日の作業の終わりは、どうしても早く帰りたい、という焦りが生まれます。

焦ることにより、作業がおろそかになり、危険な作業や端折った作業をしてしまいます。特に、終業間際にかかり木などができた場合など、早く終わりたいばかりに、元玉切りなどの禁止行為をしてしまうのです。

また、陽が沈んで暗くなることで、周囲が見えづらくなったりすることもミスを誘発する要因になります。

怪我をしやすいタイミング

雨の日

山の中で雨が降ると状況が一変します。

地面がぬかるむだけでなく、木の表面も滑りやすくなります。特に枯れて皮がはがれた杉は表面が磨き丸太のようになり、その上に雨に濡れるので、摩擦抵抗が全くありません。

うっかり上に乗ると、氷上のように滑ります。

また杉は、濡れた状態で下方伐採すると、どこまで落ちていくのか予想ができないほど滑り落ちていく事があります。

これは本当にあったことですが、杉の木を下方伐採をしたせいで、別の所有者の山を越え、はるか下の沢に突き刺さっていたという事例がありました。

雪の日

雪国では、雪の中の作業にも慣れているかもしれませんが、ボクが暮らす浜松市ではめったに雪が降りません。

なので、雪が降った後は様々な危険が待ち構えています。

まず作業現場まで行くのにも大変です。ノーマルタイヤなので、凍った山道をゆっくりと走らなくてはなりません。

昔、珍しく大雪が降った時は(と言っても10㎝くらい積もっただけ)、多くの車が事故にあい、会社にたどり着くのに何時間もかかったことがありました。

気温が大きく変化した日

気温差が激しいて日は、普通に暮らしていても体調の変化や怪我をしやすいと言われています。

気温差で気を付けたいのがぎっくり腰です。特に寒くなるタイミングで起こりやすいと言われています。

また、気温差が激しいと心にも影響が及び、気持ちが前向きになれなかったりもします。

普段起こらないことが重なった時

事故が起きる原因の一つとして、普段、起こらないことが重なったことで起こることがある、と言われています。

僕が怪我をした時も、まさにこれでした。

細い木を伐採中に、周囲の木と枝がらんで倒せなかったので、片手でチェーンソーを持って、追い口を入れながら押して倒そうとした時に、木を倒すより先にツルが切れて体が支えを失い、前のめりになったところに回転したチェーンソーの刃が左腕に僅かに当たったのでした。

普段ならしない作業方法、予期せぬ木の状態、体調不良、初めての現場、普段しない作業、それ等が重なり怪我を負いました。

集中力が途切れた時

集中が途切れた時、どうしても危険の作業がしてしまったり、油断したりします。

そして、集中が途切れた時に別の要因が重なると、重大事故に繋がる可能性が高まります。

しかし、常に集中しているわけではいけないので、いつ抜くのか、どういった時に気が抜けるのかを自分なりに知っておいた方が安全作業ができるようになります。

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万が一の時の為に

いくら気を付けていても怪我をする時があります。そんな時に役立つのが保険です。

ボクが怪我をした時も、加入していた保険から入院費用が出て、休業時の収入の維持に役立ってくれました。

労災の休業補償は、給料の80%を保証てくれるだけなのでどうしても不足分がでます。

休業1日につき、給付基礎日額の80%(休業(補償)給付=60%+休業特別支給金=20%)が支給されます。
 なお、所定労働時間の一部について労働した場合には、その日の給付基礎日額から実働に対して支払われる賃金の額を控除した額の80%(60%+20%)に当たる額が支給されます。

休業補償の計算方法を教えてください。|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

そんな時に保険に加入していれば、不足分を補ってくれるのです。

しかし、数ある保険会社の中から、今の自分にあった保険を選ぶのは大変な労力です。

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最後に

怪我にはくれぐれもご注意を
kitajin

林業には怪我はつきものだと言いますが、怪我をしないに越したことはありません。

怪我をするのがなぜ悪いかと言えば、いろんな人に迷惑が掛かることはもちろんの事、例え、それが小さい怪我であっても、いろんなことに影響を及ぼすからです。

  • 怪我をかばいながら仕事をすると他のところが痛みだす
  • 通常時と比べ動きも鈍くなり、作業効率が悪くなる
  • 自分のしてきたことが否定されたようで、仕事に対する自信が無くなる
  • 周囲は何も言わないが、内心どう思っているのかが気になり、関係がギクシャクする

だから、安全に対する具体的な方法を知り、安全な行動を心掛けていなくてはならないのです。

林業において一番大切な仕事は、山を無事に下りてくることです。

自分の身は自分で守り、安全に作業を心掛けてください。

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