林業の仕事って、やりがいがあるって聞いたけど、どんなことがやりがいになっているのだろうか?
どうも元フォレストワーカーのkitajinです。
本記事では、林業のやりがいについて紹介しています。
現在、林業に転職を考えているあなたは、もしかしたら、林業にやりがいを求めているかもしれません。
現在、林業に従事している人は全国で約4万5千人いるといわれています。(※平成27年(2015年)の調べ・林野庁ホームページから)
この人たちが全員、お金儲けのためだけに林業をやってるわけではないはずです。むしろ、林業を仕事に選んだ人たちは、給料よりも、それ以外のやりがいを感じているかもしれません。
では、どのようなことにやりがいを感じて、モチベーションを上げているのでしょうか?
本記事では、林業の仕事のやりがいをテーマに、どのようなやりがいを日々感じて仕事をしているのか、作業員目線で紹介します。
林業従事者のモチベーションを知ることで、転職に役立ててもらえたら幸いです。
この記事を書いた人
- 静岡県浜松市で10年間林業に従事
(素材生産業者で伐採を主にやっていました)
- 林業に関する基本的資格はすべて取得
(林業架線作業主任者の国家資格取得者)
- 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営
(運営歴1年の新人です)
林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。
※本記事には、プロモーションが含まれています。
本記事は、林業従事者の話を聞いたり記事を読んだりしたもの、また、個人的感想を含んで作成しています。
林業のやりがい
スキルアップが目に見えてわかる
現在の林業には、年数に応じてキャリアアップが用意されています。
これは『緑の雇用』という林野庁の補助事業で実施されているプロジェクトの一環で、10年かけて、林業で独立できるくらいの知識と技能を習得できる研修制度です。独立を目指す人には、大変心強い制度ではないでしょうか。
基本的な技術習得はすぐにできますが、そこからさらなるレベルアップ、スキルアップは幾つになってもチャレンジできます。
経験何十年のベテランでも、もっと上手に伐採したい、もっと効率的な搬出方法はないか?などと向上心を口にする人は多いです。伐採をこだわる人は多く、林業では、伐倒の正確性やチェーンソーの技能を競う大会があるくらいです。
技術や生産性の向上は、作業員にとって、目に見えるやりがいとなります。
ただ木を伐って、山から下ろして市場で売るというだけではなく、日々の努力が目に見えるのも林業のやりがいの一つです。
大自然が相手
林業の魅力といえば、大自然を相手にする醍醐味ではないでしょうか。
自然を相手にすることは、思い通りにいかないことだらけです。だからこそ、やりがいがあり、思い通りに事が進んだ時に喜びを感じるのです。
ボクなどは、入った当初は技術も心も未熟だったので、思い通りにならずにイライラすることが多かったですが、時間が経つとともに理解度が進み、落ち着いて作業ができるようになりました。
雨の作業では、山の中で滑ったり転んだりして、風の強い日は、伐採した木が煽られて、狙ったところに倒れてくれなかったりしました。
また、夏は暑さ、冬寒さに耐えながら、作業をしていかなくてはいけません。
自然を相手にすれば思い通りにならない、だからこそ己の小ささを知り、人間もまた自然の一部であるということを思い知ることができるのです。
天候に左右され、季節に弄ばれて、地形に苦労させられて、木に圧倒される。昔から人間が営んできたことを体感できるのも林業の良さです。
仕事終わりが楽しみになる
これは仕事のやりがいではないですが、作業が終わって、家に帰ってからの食事が美味く感じられます。
お酒を飲む人なら、一日の労働を終えた後の一杯は、最高の味となることでしょう。
林業は、体を動かして労働をした疲労感と達成感、満足感があるので、食事がおいしく感じられます。
筋トレをすると、幸せホルモンが分泌されるというから、関係しているかもしれません。
また、余暇が長いというのも良い点です。
余暇を趣味の時間に当てたり、疲れを癒すために、ダラダラを過ごせるのもいいものです。
林業は、日が暮れれば、仕事は終わりです。夏場なら5時、冬場なら4時ぐらいで仕事が終わることが多いようです。
ただし、事業体によっては、山を降りる時間、会社まで帰える時間、会社での後片付け、ミーティング、会社から家に帰る時間などと結局、遅くなるところもあるみたいなので、転職の際は注意が必要です。
人の役に立つ仕事
よく、林業に従事する理由の一つとして挙がるのが、治山や保全、育成などの山の管理ではないでしょうか。
山を管理することは、山の下に暮らす人たちにとっても役に立っているので、誰かがしなくてはならないことです。その一端を担っているということは、やりがいを感じる点です。
山の恩恵は単に材木だけに限らず、生活用水の配給や川から海に流れ出るミネラルなど、数多くあります。
さらに、近年は世界的問題にされている脱炭素、SDGsなどの環境問題にも林野庁が率先して取り組んでいます。
2050年までにカーボンニュートラルを実現するために、二酸化炭素の吸収を地球温暖化対策やSDGsなどはまさに林業にとって理想のかたちであり、林業の役割は今後ますます注目を集めるはずです。
その一端を担っている仕事をしているということは、大きなやりがいとなります。
歴史を踏襲している
山は昔から人々の生活に様々な恩恵をもたらし、信仰の対象にされてきました。
現在、山林に植えられれてる多くの杉や檜は、その多くが戦後の復興期に植えられたもので、個人で林業をやられている方たちは代々、山を守ってきた家が多いです。
このように長い年月をかけて受け継がれてきた山を、後世に伝えるという一端を担うことも林業のやりがいの一つではないでしょうか。
また、自分の伐採した木が誰かの暮らす家となって残ったり、自分の植えた木が何十年後に大きな木へと成長するのを想像すると、将来へ受け継がれていくということを実感してやりがいを感じます。
人が入れないような所に入れる
普段、人が入らないような山奥に入れるのはもちろんのこと、毎日通勤で使っていた通り道にある里山に入っての作業など、人が好んで入らない場所に入れます。
特に国有林などは鍵付きゲートで閉ざされており、森林パトロールや林業作業者以外は立ち入ることがないので、役得のような気がします。
また場所ではないですが、高い木の上に登ることもできることも魅力の一つです。
「空師」と言われる特殊伐採を専門にやる人たちは、ツリークライミングで、数十メートルもする木の上で作業をすることでも知られています。
林間に陽ざしがさす
これは、間伐に限った話ですが、間伐をする前の山は、木立の中が薄暗くて視界が悪かったりします。
それを林内の間引きをすると、林間に陽ざしがさして、作業地の木立が明るくなるのです。また、これは勝手な思い込みですが、残った木も生き生きとして見えます。
作業が終わった後に、林間に射す太陽の光を見ると仕事をしたような気分になり、やりがいを感じる作業員は多いです。
素晴らしい仲間が手に入る
林業は業界が狭いので、会社の人間だけでなく、地域の事業体の人たちとも顔を合わせる機会がよくあります。
また、緑の雇用では集合研修があり、同じ県で林業を志す仲間ができるのも魅力です。
これは完全にボクの主観ですが、林業をやる人間はいい人間が多いような気がします。
林業のような、キツイ、汚い、給料が安いということが分かっている職にわざわざ就くという人は、お金じゃない何か特別な価値観のようなものを持っていて、それが人となりとなって表れている気がするからです。
林業仲間と地域の輪を広げられるのも林業の魅力、やりがいの一つです。
木の美しさ
林業をやっていると、段々と木の美しさについてわかってきます。
最初はどれも同じように見える杉や檜が分かるようになり、木にも、それぞれ個性があることに気づきます。
そして、杉や檜は人工的に植えられたものであり、それが商品となって流通するので、品質の良し悪しが出てきます。
昔から品質の良い木は、まっすぐ伸びた節の少ない木とされてきました。
品質の良い木を作るために、幼木のころから、まっすぐ節のない木に育つように手を掛けなくてはなりません。そうして育った木は、美しくまっすぐで、節もなく、さらに年輪も均一となっています。
品質が良い木を見ると、自然になった木をただ伐っているわけではなく、業として成り立つように、長い年月、人が手をかけている仕事であることが分かります。
美しい木を見ると、その一端を担っている、やりがいを感じます。
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林業支援制度『緑の雇用』からなら、自分の希望する地域の事業体と繋がれます。
最後に
林業は危険を伴う仕事で、魅力が分かりづらいと思いますが、そこに働いている人たちは、何かしらの魅力を感じているはずです。
ちなみにボクが林業のやりがいは伐採でした。
立木とは、どれ一つとして同じように立っていないので、油断していると思わぬミスとなります。思い通りに伐採できないと悔しくて、それがまた夢中にさせるのです。
林業に転職を考えている人なら、きっと林業に惹かれる何かがあるのでしょう。
林業へ転職した際は、自分なりのやりがいを見つけて、モチベーションに繋げていってください。
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