林業転職

【林業のチェーンソー作業】どんな仕事をしているのかを紹介します

転職君

林業の仕事をしたいけれど、チェーンソー作業って、どんなモノなんだろう?怖くないかな?危なくないかな?

どうも、元フォレストワーカーのkitajinです。

本記事では、チェーンソー作業の基礎について紹介していきたいと思います。

林業と言えば、まず思い浮かぶのが、チェーンソー作業ではないでしょうか。

チェーンソーのさぎょうは林業の基本であり、最初に覚えるべき作業の一つです。

しかし、チェーンソーを触ったことがない人にとっては、どんな恐ろしいものかと思えるかもしれません。

本記事では、チェーンソー作業の基礎から、心構え、上達方法などを説明していきます。

林業を始めるにあたって、チェーンソー作業を知ることは、すべての作業に通じることになります。

本記事を読めば、チェーンソーについての基礎知識と安全な作業の心得がわかり、新しい職場で、「おっ、いい新人が入ったな」と言われるかもしれないので、是非、最後までごらんください。

kitajin

この記事を書いた人

kitajin
  • 静岡県浜松市で10年間林業に従事

(素材生産業者で伐採を主にやっていました)

  • 林業に関する基本的資格はすべて取得

(林業架線作業主任者の国家資格取得者)

  • 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営

(運営歴1年の新人です)

林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

チェーンソーマンの仕事について

kitajin

「チェーンソーによる伐木作業の特別教育」を受けて証明書を手にすれば、チェーンソー作業が出来るようになります。しかし、チェーンソーの作業が出来るのと、チェーンソーマンと呼ばれる人との仕事は明確に違います。

チェーンソーの作業で用意するもの

チェーンソーの作業の装備(安全に作業するために必要な装備)

  • チェーンソー(よく目立てをしたソーチェーン)
  • 防振手袋
  • 袖しまりの良い服装
  • 防護ズボン(チャップス)
  • ヘルメットと防塵用フェイスガード
  • 耳栓(イヤーマフ)
  • 滑りにくい靴、つま先が固い安全

〇チェーンソー作業時に必要となるモノ

  • 燃料(1日フルに使うなら、3~5リットル)
  • 目立て用ヤスリ
  • ボックススパナ
  • 替え刃

〇木を倒すときに必要となるモノ

  • クサビ
  • クサビを打つハンマー
  • チルホール
  • ロープ
  • フェリングレバーなどの木回し(落ちている木とロープでも即席に作れる)

最低限、これらのモノを持って伐採に入ると作業がしやすいでしょう。また、作業に遅延が無いように部品、万が一のためにチェーンソーの予備を持っているとよいでしょう。

作業に入る前にすべきこと

目立て道具

目立て

伐採作業に入る前にしなくてはならないことは、チェーンソーの目立てです。

目立てとは、チェーンソーの刃を専用のヤスリで研ぐことを言います。

チェーンソーの刃は繊細で、使用していると切れ味が悪くなります。木の表皮土など土などが付着しているので、切れ味を悪くすることもあるのです。

切れ味が悪いと作業の効率が悪くなり、木を切るスピード、切っている時のストレス、チェーンソーを持つ力加減、安全性などにも関わってきます。

ですので、チェーンソー使用時は、作業を始める前に目立てをするのです。

チェーンソーのチェック

チェーンソー本体を作業前に、エンジンをかけてチェックします。

昨日も使ったから安心だと思い、現場に行ってから、作業に入ろうという段になってエンジンがかからないという事があるからです。

その他にも、ソーチェーンが断裂してないか、スターターがちゃんと引けるかなどを事前にチェックします。

伐採の開始前

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作業現場に行って、伐採を開始する前に、どんな事を気を付けるのかを紹介します。

木を見る

伐採する木を見上げて、どんな形状をしているか、傾きや枝振りなどで木の重心を確かめます。

周囲の木との距離や周囲の木と枝や蔓は絡んでいないか、伐採する木が、枯れていないか等を木を一周して、確認します。

特に、伐採する木が、芯枯れしてないかなどは、チェックするのを怠るので、忘れずに確認しましょう。

芯枯れしている場合は、ツルが効かないので、伐採方向を変えたり、牽引を上側に取るなどの対処が必要です。

伐採方向を決める

伐採の方向は、様々な条件により変わってきますが、用材なら一番条件がよい場所に倒します。

条件としては、以下の通りです。

  • 出材のしやすさ
  • 倒す木が周囲の木を傷つけないか
  • 退避場所はあるか
  • 倒す木が割れたり折れたりしないか
  • 風が吹いている方向

風向きも考慮して、伐採方向を決めます。(強い風の時は、伐採をいったん中止して風が止むまで待つ場合もあります。)

用材でない場合は、危なくなくて倒すのに楽な方向へと倒しておきます。

退避場所を決めて退避しやすく準備をする

伐採方向が決まれば、次は退避場所の確保です。

退避場所とは、木が倒れた時に、どのような動きを予想しながら、絶対に木が落ちてこない場所に設定します。

退避場所が決まったら、そこまでの道のりにある障害物を取り払います。

万が一、障害物に足を取られて逃げ遅れないようにするためです。

足場の確保

退避場所がきまったら、いよいよ伐採に入ります。まずは、倒す木の周囲にある邪魔なモノを取り除き足場を確保をします。

作業をしやすくするのと、逃げやすくするためです。

姿勢を気にする

伐採作業時は、姿勢が大切になります。

日々、何十本も木を伐るので、腰に負担のない姿勢で重心を落とし、楽な姿勢で伐採をはじめます。

伐採をするときは、必ず足場が安定しているとは限りません。片側が急斜面に立っている木などもあるので、足場を確認しながら、無理な態勢で作業を強いられる場合もあるのです。

ふとした瞬間バランスを崩して、事故に繋がる可能性があるのです。ですので、負担のない姿勢を常に意識することが大切になってきます。

伐採の手順

受け口を作る

倒したい方向に受け口を作っていきます。

木が倒れる方向に正確を期すために、ガンマーク(チェーンソーについている凸)を合わせて狙いを定めます。

受け口の中心が、倒れる方向へと向いているかどうかを目で見て確かめます。

伐根直径が1/4、大径木なら1/3の受け口にします。

切り口の下と斜めの線が最終的にきちんと同じところで終わっているかを確かめてから追い口を入れていく。

追い口を入れていく

受け口の背面からチェーンソーを入れていきます。

追い口は受け口の幅の1/3くらいの高さで水平に切り進めていき、大径木の場合は途中でクサビを入れていくとチェーンソーが挟まれることなく安全に倒せます。

最終的には受け口との間にツルを残し、(ツルの幅は経口直径の1/10程度。ただし、樹種、木の傾きなどにより、異なる)チェーンソーを安全な場所に移してから、クサビを打って倒していくのが理想です。(自重で倒れていく場合もあります)

退避

木が傾き始めたら、もうやることはないので、直ちに非難しましょう。

安全と分かっていても退避を習慣にしておいた方が良いです。でないと、いざという時に動けず、逃げ遅れるなんてことがあり得るのです。

YouTubeの伐採参考動画👇

kitajin

動画内の作業員さんは退避していないけど、ベテラン作業員さんなのと下方伐採しているので、退避しなくても安全と判断しているのです。

チェーンソーマンの心得とは?

チェーンソー
kitajin

林業には、チェーンソー作業を専門にやるチェーンソーマンがいます。

彼らは、自分の仕事にプライドを持っています。それでは、チェーンソーマンと呼ばれる人の仕事の考え方について紹介していきます。

基本を大切にする

チェーンソー作業の上達とは、最初に教わった通りのことを長年つづけ、無駄を省き、完璧にこなせることになることです。

それは武道と通じるところがあります。基本に忠実でない人間は、間違った型を覚えて、そのままでいってしまうので、いつか大きなミスを冒したり、そうでなくとも疲労や怪我が多くなっていくのです。

道具を大切にする

仕事ができる人間は得てして道具を大切にします。

それには明確な理由があるからです。道具を大切にするということは、心に余裕があり、いい仕事をするために近道だからです。

切れる刃物と切れない刃物とで紙を切ったら、どっちが早く切り終わるかなど誰でも分かります。しかし、いざ、道具に関してだと、疎かにしてしまう人が多いものです。

また、道具を大切にすることは、自分も大切にすることに通じます。道具の前に常に自分があるからです。

落ち着き

落ち着いて、木をしっかりと見て、どういう風に倒れるか、倒れた後どうなるかを予想して、善後策を講じておきます。

もし、クサビで倒れない場合は、あらかじめ牽引具で引っ張るようにしておくのもその一つです。

慌てているとどうしてもミスが出てしまいます。ミスが多い時間帯というのがあり、昼前と終了間際が事故が起きやすいと言われています。

その時はどうしても気分が散漫だったり、早く終わりたいと雑になったりするからです。ですので、終わり間際の一本はいつも以上に慎重に伐採することを心掛けるとよいでしょう。

毎日何十本も伐採していると、つい適当になってしまうことがあります。どの木にも敬意をもって伐採することを心がければ、ミスも減り作業も効率的になるでしょう。

マイペースである

マイペースとは、自分勝手なことでも、仕事を納期まで仕上げないと言うことではありません。仕事をどのように仕上げるかを決めることこそ、マイペースなのです。

ペースを崩すモノは何も人や納期ばかりではありません。日々の時間や天候、体調、トラブルなどもペースを崩してきます。それらに惑わされることなく、常に一定の仕事をこなせることこそ、安全な作業をしていく上で大切なことです。

反省と改善をする

伐採を毎日やっていても、何も考えずにいるのと、どうすればもっと上手くなるか、ミスを減らせるかなどを考えて仕事をしているのとでは、仕事の効率や出来栄えも変わってきます。

向上心のある人は、必ず反省を活かし、次へと結びつけていくことができます。そうすることで、仕事に意欲がわき、毎日の作業も単調でない特別なモノへと変わっていく効果もあるのです。

丁寧な仕事ぶり

林業の場合は、相手が自然であり、山林での作業と言うことで、少しくらいのミスや丁寧さがかけても目立たないとたかをくくってしまいがちです。しかし、それ等の仕事ぶりは必ずバレます。

間伐の面積が広すぎたり、残り木に傷をつけていることは見ればわかりますし、自分の伐採の後は木の根にちゃんと残っているのです。

自分たちが扱っているモノが商品であるということを認識していれば、早く仕上げるより、丁寧に仕上げることが大切であると気づきます。丁寧な仕事を心掛けることは、山や残った木を大切にするだけでなく、自分の事を大切にすることにも通じます。

伐採を楽しむ

やはり、どんなことでも楽しんでやるのとそうでないとでは上達が違ってきます。

楽しんでやるほうがストレスもないし、周囲の人に与える印象も違ってきます。何より気持ちもよく仕事をした方がいい仕事に繋がっていくのではないのでしょうか。

また、チェーンソーには伐木競技大会があります。日々の技術を競い合い、高め合う事が出来るなんてすばらしい事ではないでしょうか。

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最後に

チェーンソー作業とは、重さ約5㎏のチェーンソーを持って、高速で回転する刃物を扱いながら山の中を駆け回り、ただ歩くだけでも危険な場所を、重量1tを超える木を伐採する仕事です。

それと、毎日きちんとノルマをこなし、当たり前のように山を下りてくるのも仕事です。

ですので、基本に忠実に、安全作業を心得なければなりません。基本に忠実に、安全を心得れば、危険な作業ではありません。

しかし、伐採作業で事故が多いのは、基本や安全を疎かにして作業を急いだりするからです。

ですので、林業に転職をした暁には、以上のことを心の片隅において作業に従事してください。

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