林業一年目

【林業体験談】マダニの被害にあったので原因を紹介します

kitajin

どうも、元フォレストワーカーのkitajinと申します。

本記事では、最近、マダニに咬まれた筆者が、どのような状況で咬まれたか、またどのように処置をしたのかについて紹介しています。

マダニは、様々な感染症を引き起こす可能性があり、 死亡例も報告されている恐ろしい生物というイメージがあります。

しかし、マダニはどこにでもおり、林業の仕事をしていれば、接する頻度が多いのも事実です。

恐ろしいマダニの被害にあわないようにするにはどうすればよいのか?

また、万が一、咬まれた時には病院に行って、どのような治療をするのかなどを紹介していきます。

本記事を読むことにより、マダニの対策から、簡単なマダニの取り方、治療法までがわかります。

マダニの恐怖が少しでも和らぐかもしれないので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

kitajin
  • 静岡県浜松市で10年間林業に従事

(素材生産業者で伐採を主にやっていました)

  • 林業に関する基本的資格はすべて取得

(林業架線作業主任者の国家資格取得者)

  • 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営

(運営歴1年の新人です)

林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

マダニに嚙まれた状況

夜叉ダニ

現場の様子

今回の現場は、民家には近いですが、鹿の痕跡が至るところにある現場です。(マダニは、鹿や猪などがいるところに、特に多く生息しています)

作業としては、灌木の除伐とシダの中を歩き回り選木であり、その過程でマダニが何匹も付着してるような状況でした。

いつもより気をつけながら作業をしていましたが、結果はご覧の通りです。

閲覧注意👇とっても元気なタカサゴキララマダニ

初期症状

マダニ
マダニに咬まれた時の画像

マダニに咬まれた時の症状としては、1~2日は痛みもなく気づかないことが多いようです。また、気づかないまま取れることもあります。

数日すると、患部が痒みや腫れ、痛みを引き起こすことで気づきます。

ボクの場合は、朝目が覚めると、右の太ももの付け根のあたりが、チクチクするなと思ったのが最初です。

すると、突然の下痢となりました。普段から下痢をすることがないのですが、マダニのせいかは分かりません。

それから、時間が経つと、患部のあたりがズキッとする痛みにかわり、何かに刺されたのか、それとも暑さによる汗疹が悪化したのかなど色々なことを考えました。

そして、数回目のトイレに行った時に、あまりに痛むので患部を見てみると小さなイボのようなものがポツンとありました。

やはりイボができていて痛むのかと思った瞬間、よく見るとそれがマダニであることが分かったのです。

それが上記の画像です。

最初は自分で取ろうかと考えました。

しかし、画像をみてもらえば分かりますが頭がずっぽりと皮膚の中に食い込んでいるので、肉をえぐらないと無理だと思いました。

マダニを無理やり引き抜くと、口器と言われる皮膚をやぶり血を吸う部分を体内に残してちぎれます。

口器が残ると痒みや感染症のリスクが高くなるので、引き抜くのを諦めて医者に行くことを決心しました。

土曜日の午前中でしたが、皮膚科に電話かけると運よく予約が取れました。

皮膚科に行く

午前10時、飛び込みでしたが、大勢いる患者さんたちを飛び越して処置してもらえることになりました。

最初に、マダニの感染症についての説明を受けました。

マダニの感染症として知られるのは以下の4つです。

日本紅斑熱

日本紅斑熱は、病原体(リケッチア)を保有するダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症です。近年、国内で年間200件を超える発生報告があり、死亡者も報告されています。感染症法では四類感染症に位置付けられています。

   臨床症状:
頭痛、発熱、倦怠感を伴う。
発熱、発疹、刺し口が主要三徴候であり、ほとんどの症例にみられる。
つつが虫病との臨床的な鑑別は困難である。
※ただし、詳細に観察すると、
・発疹が体幹部より四肢末端部に比較的強く出現する(つつが虫病では主に体幹部にみられる)
・つつが虫病に比べ、刺し口の中心の痂皮(かさぶた)部分が小さい
などの特徴がある。
検査所見:CRPの上昇、肝酵素(AST、ALT)の上昇、血小板の減少など

ワクチンはないため、媒介ダニの刺咬を防ぐことが極めて重要である。また、発生時期および発生地を知り、野山など感染するおそれがある地域に立ち入らないことが重要である。


潜伏期間 2~8日

日本紅斑熱について (mhlw.go.jp)

ライム病

ライム病Lyme disease、ライムボレリア症〈Lyme borreliosis〉)は、ノネズミやシカ、野鳥などを保菌動物とし、マダニ科マダニ属 Ixodes ricinus 群のマダニに媒介されるスピロヘータの一種、ボレリアBorrelia の感染によって引き起こされる人獣共通感染症の1つ。感染症法における四類感染症である。野生動物では感染しても発症しないが、人、犬、馬、牛では臨床症状を示す。名前の由来は、アメリカコネチカット州のライム(英語版)及びオールドライム(英語版)で1975年に最初に確認(記載は1977年)されたことにちなむ。

ライム病 - Wikipedia

紅斑が出現するまで3日~30日程度かかる

日本では、北海道、長野を中心に毎年10例ほど報告がある。

ダニ媒介性脳炎

ダニ媒介脳炎は、マダニ科に属する各種のマダニによって媒介されるフラビウイルス感染症である。ヒトは終末宿主でありダニ媒介脳炎ウイルスを持った成ダニ・若ダニの吸血によりウイルスに感染する。世界では年間1万から1万5千例の患者が発生していると推計されている。ダニ媒介脳炎ウイルスの主な自然宿主はげっ歯類とダニである。

ダニ媒介性脳炎とは (niid.go.jp)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?

重症熱性血小板減少症候群はSFTSウイルスが起こす感染症です。マダニを介して感染が広がります。潜伏期間は6-14日ほどと言われており、その後発熱・だるさ・吐き気・腹痛・下痢・筋肉痛・リンパ節の腫れ・意識障害・出血といった症状が出現します。重症になると多臓器不全になり命に関わります。 マダニに噛まれた背景のある人に対して、血液検査や骨髄検査などを行って診断します。特効薬がないため、症状を和らげる治療(対症療法)を行って治療します。重症熱性血小板減少症候群が心配な人や治療したい人は、感染症内科を受診して下さい。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS) - 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)

ウイルス潜伏期間 6日~14日 2017年末までに319例が報告されている。

治療方法

マダニに咬まれた後の治療方法は簡単です。

まず、ワセリンを塗りマダニを窒息死させます。

30分ぐらい放置して、その後、小さな釘抜状の道具(Tick twisterというマダニを剥がす専門の道具)を使い、マダニが刺さっているお腹の方からくぎ抜きを差し込んで、ゆっくりと釘を抜くように引っこ抜きます。

スポッと、口器ごと綺麗に抜けましたが、皮膚に食い込んでいたので神経まで到達していたのか、かなりの痛みを伴いました。

経過

マダニを抜いてもらった後は、消毒とガーゼを処置されました。また、細菌感染を治療する薬を1週間分処方されて診察は終了です。

その後、痒みは残りましたが、薬が効いたおかげか感染症の症状がでませんでした。

しかし、痒みと患部の痛みは一週間以上たった今でも残っています。

マダニに咬まれていたら

kitajin

マダニは、気をつけてても咬まれることはあります。

今回のことがあり、改めて、周りの人たちに聞いてみたところ、全員がマダニに複数回、咬まれていました。

中には、ライターであぶってマダニを剥がそうとした人がいましたが、「結果、毒を大量に注入されてひどい目にあった」と言っていたので絶対に止めましょう。

処置の仕方

マダニに咬まれていたら

  • 状態を確認する
  • 自分で剥がせそうならワセリンをマダニに塗って、30分放置した後、ピンセットなどを使い、できるだけ肌に近いところを掴んで、ゆっくりと引き剥がす(理由としては、剥がすときにマダニの病原体が体に入る場合があるため)
  • 取れそうもないなら病院へ行く
  • マダニを取り除いた後は患部を消毒する
  • 自分でマダニを取った場合でも、皮膚科の診察を受けることがベストです(その時は、取ったマダニを持って行ったほうがいいらしいです)
  • 一週間前後は、体調を気に掛ける(熱っぽかったり、紅斑ができている場合は医者にいく)

先生曰く、体に刺さっている期間が長いほど、感染症のリスクが高くなるので、なるべく早く医者にいって処置するべきとのことです。

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マダニの予防

マダニに咬まれないためには、以下のことを注意しましょう。

  • 作業を始める前には、マダニを寄せ付けない成分の入った虫よけを全身、特に足元には多めにつけておく
  • 仕事中は長袖長ズボンで裾じまりの良い服を着る
  • 休憩中は、全身、特に手袋の下、足元や首まわりなどマダニがついてないかチェックする
  • 昼休憩をはさんでもう一度、虫よけスプレーを全身に散布する
  • 作業を終えたら、車に乗る前に全身をチェックをする(できれば、車に乗る前に着替えるのがベスト)
  • 家に帰る前に着替えるのが良い
  • 毎日お風呂に入り、全身くまなくチェックする(特にマダニは皮膚が柔らかい部分を選んでいるようなので、内もも、二の腕、わきの下、股間あたりは入念にチェックしたほうが良い)
kitajin

ちなみにボクは、今回を含め2回マダニに咬まれましたが、最初は二の腕、今回は内ももとお肉がタプタプしているところに食い込んでいました。

オススメ商品

サラテクトミスト リッチリッチ30はオススメですこれを付けていた数年間はマダニの被害を受けずにいました。

残念ながら、今回はサラテクトミスト リッチリッチ30を付けていくのを忘れてしまったのです。

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