林業一年目

【外仕事と天気】 林業作業員は天気予報に一喜一憂する

kitajin

どうも、元フォレストワーカーのkitajinです。

本記事では、外仕事と天気予報と題しまして、林業における天候の対処法や天気予報の活用法について紹介しています。

林業の仕事は、屋外で行う作業のため、天候の影響を受けやすく、悪天候での作業は、安全性や効率に大きな影響を与えます。

そのため、林業従事者は、天気予報を参考に作業の計画を立てたり、安全対策を講じたりする必要があります。

本記事では、林業と天気の関わりと天気予報の活用方法、天候に合わせた作業の進め方について、詳しく解説します。

天候によって作業を遅らせたくない人は、最後までご覧ください。

この記事を書いた人

kitajin
  • 静岡県浜松市で10年間林業に従事

(素材生産業者で伐採を主にやっていました)

  • 林業に関する基本的資格はすべて取得

(林業架線作業主任者の国家資格取得者)

  • 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営

(運営歴1年の新人です)

林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

天候によって注意する点

雨のリスク

kitajin

雨の中での作業での注意点は以下の通りです。

  • 足元が滑り危険である
  • 雨や暗さにより、視界が悪くなる。
  • 作業道が悪くなり効率が落ちる
  • チェーンソーをはじめとした作業道具に不具合が生じる

滑る

山の中では、雨が降ると至るところが滑ります。

地面がぬかるんで滑ることはもちろんのこと、木も濡れると滑りやすくなります。

幹や枝に乗ると、足を滑らせることがあるのです。

あらゆるところが滑りやすくなるので、歩く時に注意が必要となります。

視界が悪くなる

雨により、視界が悪くなります。

フェイスガードに雨が当たると、前が見えづらくなります。

また、山の中が暗くなり、視界が悪くなることもあるので、作業に支障をきたすことが起こるのです。

作業道が悪くなる

雨が降ると、作業路が崩れやすくなったり、ぬかるんで作業に使用をきたしたりします。

雨に濡れた中で作業をすると、作業路で重機が走行しにくくなります。

何度も走行する道が、グズグズになっていきます。

ぐちゃぐちゃになるのを嫌い作業をしない人もいます。

雨がひどいと、地面が削れて路肩の岩が露出し、キャタピラを痛める原因にもなります。

チェーンソーが動かなくなる

雨の中で作業をすると水分をチェーンソーが吸って、フィルターにゴミが詰まり、エンジンがかからなくなります。

またバッテリーエンジンの場合も、水が入ると作動しなくなることがあります。

ガソリンに雨が入ると、エンジンがかからなくなりします。

風のリスク

kitajin

風の中での作業のリスクは以下の通りです。

  • 伐倒方向が変わる
  • 枝などが飛来落下する
  • 目にゴミなどが入り、視界が悪くなる

伐倒方向が変わる

風が強く吹くと伐倒方向が狂いが生じます。

木は上に高く伸びているので、風に煽られやすく、チェーンソーで切れ込みを入れると、木は支えを失い、風に煽られると、伐倒方向が狂いが生じます。

飛来落下

風に煽られると枝が折れたり、枯れ木が折れて落ちてきたりします。

強い風の後に、林道を走行すると道路に枝が散らばっています。

山では、強風に影響を受けます。

目にゴミが入る

風が強いと、チェーンソーで木を切った時のおが屑が飛び込んできて、目に入る時があります。

目の中に入った場合、視界が悪くなり、とっさの行動がとれなくなることもあります。

また、山の中では、鏡を使えないので、目に入ったおが屑を取り除くことが困難になり、休憩時間までそのままの状態で過ごさなくてはいけません。

大したことではないと思いがちですが、山での作業では、目に何かが入るというのは、安全作業をする上で注意が必要なことです。

雪のリスク

kitajin

雪による作業リスクは以下の通りです。

  • 手足がかじかむ
  • 足元がおぼつかない

うまく作業ができない

雪が積もると、普段の作業がうまくいかなくなります。

踏むと、地面はぐちゃぐちゃになりますし、歩きづらいですし非常に作業がしづらくなります。

また、寒さで手足がかじかんで動きが鈍くなります。

ひどくなると、凍傷になったりする可能性もあるので、対策が必要になります。

それでも 雪国の人たちは雪が降っても作業をするというので驚きです。

足元がおぼつかない

雪道になると、足元がおぼつかなくなり、作業に支障をきたします。

また、雪が溶けてくると、足場がぬかるみ、不安定になって転ぶ場合もあります。

その他にも、冬の間、雪が足場だった箇所が、春とともに溶けてなくなり、足場がなくなることもあるそうです。

kitajin

このように、天候に左右されやすく、危険を伴うので、安全でストレスなく作業をするためには、天気予報を活用することが有効です。

天候に合わせた林業の仕事の進め方

天気予報によるスケジュール調整

天気予報を活用して、作業を調整します。

一週間単位が一番分かりやすいでしょう。

日付 天候 作業内容
月曜日 晴れ 伐採・搬出
火曜日 晴れ 伐採・搬出
水曜日 休日
木曜日 晴れ 伐採のみ
金曜日 晴れ 伐採・搬出
土曜日 休日
日曜日 小雨 屋内作業 機械整備・事務作業など

休日をずらすことで対応していきますが、うまくいかないこともあります。

休日が多くなったり、逆に、連勤が続いたりすることもあります。

しかし、条件の悪い中で作業をするより、ストレスを感じず、作業効率を向上させるメリットの方が大きいです。

余裕をもって作業に当たる

新しい現場に入った時に、余裕のあるスケジュールを組むことが望ましいです。

そのためには、予め、数字を把握して、進捗状況を想定しておくことが重要となってきます。

その時に、雨の日の作業を想定しておくことで、余裕を持って作業をすることで、結果、大きな利益につながります。

作業路の対策を万全にしておく

雨が降った場合を想定して、作業路に雨よけの溝を掘ったり、雨が溜まりづらい作業路を作ることが望ましいです。

また、作業路の土砂が流出しづらいように、枝葉を敷いておくことも対策になります。

その他にも、雨に濡れても大丈夫なところに、重機を置いておくことも、作業を再開するときにすぐに作業に移れます。

天候不順の作業を用意する

天候が悪くても作業ができるような、影響を受けない作業をしていくことが重要です。

例えば、雨の時は、「伐採作業」「現場調査」「集材作業」などです。

風が強い時は、「搬出作業」「集材作業」などを重点的に作業をするようにします。

チェーンソーもフルに使う作業ではなく、集材などと織り交ぜるとチェーンソーに負担を掛けずに作業ができます。

天気予報活用法

天気図

予報の的中率

天気予報の的中率は全国平均は83%となっています。

参照 気象庁 | 天気予報の精度の例年値とその特徴 (jma.go.jp)

地域や季節によっても多少の誤差があるようですが、大体、75%~83%の間で予報が的中しています。

また、日が近くなるほどに、的中率が上がっていくので、天気予報は直近で見るのが正確です。

予報をこまめにチェック

天気予報は3日前まで、1日3回更新されます。

 一般的に皆さんが天気予報と呼んでいるもので、正式には「府県天気予報」といいます。「府県予報区」を地域ごとに細分した「一次細分区域」単位で、毎日5時、11時、17時に発表します。また、天気が急変したときには随時修正して発表します。発表内容は、今日・明日・明後日の天気と風と波、明日までの6時間ごとの降水確率と最高・最低気温の予想です。

気象庁|天気予報の解説 (jma.go.jp)

雨雲レーダー

GPSを使った雨雲レーダーは、こまめに見ることで、雨の情報がより把握できます。

現在位置を設定しておけば、自分の居る位置に、雨雲がどのように通過するかが分かるはずです。

15時間後の雨雲も知ることができるので、活用したほうが、その日1日の行動が決められます。

ただし、雨雲レーダーも的中率にばらつきがあるので、こまめに見ることをお勧めします。

週間天気予報

週間天気予報の場合は、一日2回更新されて、3日後になると3回ずつ更新されるそうです。そして、日にちが近くなるほど、天気予報が当たる確率が高くなります。

週間天気予報で、おおざっぱな一週間の予定を組んで、その後、日々のスケジュールを変えていく柔軟性が必要となってきます。

風情報

現在では、雨情報以外にも風情報というのもあります。

伐採作業がある場合は、風の情報も考慮して、伐採に役立てることも、安全作業をする上では、重要になってきます。

天気予報を複数の媒体で確認する

天気予報は、気象庁や民間の気象予報会社など、さまざまな媒体から発表されています。

複数の媒体で確認することで、予報の精度や傾向を比較検討することができます。

また、各地域ごとに出している天気予報もあるので、その地域をよく知る天気予報もあるようなので、精度が高い天気予報を探してみるのもいいかもしれません。

最後に

kitajin

天気予報は、外仕事には、切っても切れない関係にあります。

天候は外仕事の安全性や効率に大きな影響を与えるため、作業をする際には、天気予報をしっかりと確認して、作業計画を立てることが大切です。

気象庁や民間の気象予報会社が発表していますので、天気予報を活用して、安全で効率的な仕事を実現しましょう。

しかし、天気は複雑な自然現象であり、完全に予測することは困難です。そのため、天気予報には必ず精度と限界があることを理解しておくことが大切です。

ですので、作業の選択の幅を広げることが望ましいのです。

また、天候不順の作業をストレスなく行うためのグッズなどを活用することも検討してはいかがでしょうか?

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