林業浜松

【林業と春】季節による気を付ける点と作業について紹介します

kitajin

どうも、元フォレストワーカーkitajinと申します。

本記事では、浜松林業と春と題しまして、春の林業の作業や注意点について紹介いたします。

浜松は温暖な気候で、雪は降っても積もらないですが、強風の冷たい風が吹くことで有名です。

一見、穏やかな春の季節にどのような注意点があるのか知ることで、浜松の林業について興味をもってもらえれば幸いです。

この記事を書いた人

kitajin
  • 静岡県浜松市で10年間林業に従事

(素材生産業者で伐採を主にやっていました)

  • 林業に関する基本的資格はすべて取得

(林業架線作業主任者の国家資格取得者)

  • 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営

(運営歴1年の新人です)

林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

浜松の春の特徴

遠州の空っ風

遠州の空っ風とは、12月から3月ごろまで続く、強い風のことを指します。

風が強いことで、体感温度は下がり、実際の気温より、寒く感じるのが特徴です。

ちなみに空っ風とは、以下の事を言います。

からっ風(空っ風、からっかぜ)とは、主に山を越えて吹きつける下降気流のことを指す。

山を越える際に温度、気圧ともに下がることで空気中の水蒸気が雨や雪となって山に降るため、山を越えてきた風は乾燥した状態となる。

特に群馬県で冬に見られる北西風は「上州のからっ風」として有名で、「赤城おろし」とも呼ばれ、群馬県の名物の一つとも数えられている。また、浜松市などの静岡県西部でも冬に北西風が強まり、「遠州のからっ風」と呼ばれる

からっ風 - Wikipedia

花粉

浜松市には、日本三大杉美林と言われてる天竜杉があり、多く、杉が植えられています。

そのおかげで、花粉が非常に多いことでも有名です。

しかも、前述の通り、遠州の空っ風により、広範囲にわたり、飛散されます。

そのおかげか、花粉症の患者数も多いです。

調査によると、調査対象者の55%が花粉症。都道府県別にみると、最も花粉症の方の割合が高かったのは「山梨県」で63.1%。次いで、2位「静岡県」(62.5%)、3位「埼玉県」(62.0%)と続き、全国平均の55%を超える県は本州の太平洋側に集中しており、特に関東甲信と東海で60%を超える県が多いことがわかった。

「花粉症」の割合が高い都道府県、1位は? - 2位静岡県、3位埼玉県【1万人調査】 | マイナビニュース (mynavi.jp)

乾燥

冬に、風が強く吹くということは、必然的に乾燥の度合いが大きくなるのは、よく知られています。

乾燥による直接的な被害はありませんが、影響としては、風による乾燥で、切り干し大根がうまみを増しているそうです。

参照【動画】 “遠州のからっ風”の恵み! 甘さ増す切り干し大根 | NHK

空気が乾燥しているということは、干物などに適しています。

春の雨

春は意外とよく、雨が降ります。

2月から3月にかけて、しとしとと降る雨のことを「春雨」言います。

また、3月の中旬から4月にかけて高気圧が北に片寄ると、日本の南岸沿いに前線が停滞して、梅雨どきのようなしとしと雨が降り続くことがあります。これを「桜雨」と呼ぶそうです。

大雨にならないのが特徴ですが、気温の低下とともに、季節外れの雪に変わったりします。

春の作業

枝打ち

近年は、一年中同じ作業をするようになりましたが、春の作業として、枝打ちがあります。

枝打ちとは、樹木の枝を切り落とす作業のことです。

枝打ちをする理由として、木の成長を促すという意味と、製品とした時に価値が上がるためとされています。

また、近年では、花粉症対策として、枝を打つことにより、花粉量を減少させるために行われています。

枝打ちは作業する時期が決まっているため、その時期をしっかりと守ることが大切です。

具体的に枝打ちが行える時期は、早春の木の芽時から紅葉のはじまる晩秋の頃までと言われています。

林業 枝打ちのやり方 – 森乃山ブログ (morinoyama.com)

搬出

冬に伐採した木を、春まで山に置いておくことで、木の中の水分を抜くことを葉枯らしと言います。

葉枯らしをすることによって、木の中の水分が抜け落ち、木が軽くなり、身がしまる、という利点があります。

昔は、葉枯らしさせて、軽くなった材を、人が担いで搬出したといいいます。

水分が抜けて軽くなった木は、乾燥させるにも時間がかからないことでも、重宝されていました。

苗植え

苗木を植える時期は、苗の状態によって、植える時期が異なります。

裸苗は、春と秋が一般的で、3月から4月と9月から10月が適期です。ポット苗は、真夏、真冬以外なら、一年中植えることができます。

苗木には裸苗とポット苗があります。

 裸苗は苗畑で掘り取った苗で、根が裸の状態で林地に運ばれます。その長所は安価で輸送が容易なことですが、欠点は根が傷みやすく、それと関連して植栽時期が早春と秋に限定されること、植栽に手間のかかることです。
 一方、ポット苗はその育成と運搬にコストはかかりますが、植栽は手間がかからず、植栽時期も真夏と厳冬期を除けば制約がほとんどありません。

地拵えと苗木について|大田市森林組合|森林組合|島根県大田市 (oda-fc.com)

春の注意点

フロントについた杉花粉

強風による影響

遠州の空っ風に代表されるように、強風により、伐採に影響が出ます。

あまりに強い風により、伐倒方向が変わったり、ツルが強度を保てずに切れてしまい、危険が及ぶ可能性が出てきます。

ですので、風の強い日の伐採は十分に注して行わなければなりません。

ボクも以前、米松を伐採していた時、常に向かい風の強風に晒されて、追い口を入れても、まったく倒れなかったことがあります。

クサビを入れても、押し出されてしまい、最後には松が伐採方向と逆に折れて、後方に倒れてしまいました。

それほどの強風が吹くときがあるのです。

木の皮が剥き始める季節

暖かくなり、春の雨が降り始めると、木が水を吸い始めます。

すると、木の表皮が水分を通し始めるので、皮がむけやすくなります。

ちょっとした衝撃で、むけるようになるのです。

木は、一度、皮がむけると、二度と再生されることがないので、そこから雨水や虫が入り、腐りや枯れる原因となるので、立木の皮がむけることを林業では、非常に嫌います。

立木の杉や檜は、まだ出荷されない商品なので、商品の価値が損なわれるからです。

しかし、春ごろから秋にかけて伐採時や搬出時に、立木に当たり、木の皮がむけやすくなるので、十分に気をつけないといけません。

寒暖差

春はやはり、寒暖差が激しいことも注意点です。

三寒四温という言葉があるように、三日寒くて、四日暖かい日が続きます。

寒暖差は、体調を崩しやすいことでも知られています。

「寒暖差疲労」という言葉があるように、寒暖差により、自律神経のバランスが崩れ、疲労を感じやすくなったり、頭痛、肩こり、腰痛など様々な症状を引き起こす原因にもなります。

長雨による影響

春の長雨などにより、作業が中断されたり、作業路が壊れたりする影響があります。

予定が狂うことは、作業を急いだり、無理をする原因にもなります。

焦って、安全をおろそかにしないように、気をつけなくてはいけません。

また、雨に濡れて体温が低下して、風邪などを引く原因にもなります。

まとめ

kitajin

これをご覧になってる皆さんの中には、春から林業を始めるという人がいるかもしれません。

春が林業を始めるにあたり良い季節です。

だんだんと暖かくなり、夏に受けて体力をつけて仕事に慣れて行くことでしょう。

そして夏を迎え、秋になる頃には、冬を迎えるという1年を通して、徐々に成長を感じられます。

-林業浜松