林業一年目

【チェーンソーの振動障害】要再検査になった者としてのアドバイス

kitajin

どうも、元フォレストワーカーのkitajinです。

本記事では、チェーンソーの健康診断、振動障害検査について紹介しています。

チェーンソーは、林業にとって商売道具です。しかし、生活習慣や体質により、振動障害になる場合があります。

そこで、毎年の健康診断で、振動障害検査か義務化されています。

本記事では、振動障害の知識から、検査の内容、振動障害にならないための対策を振動障害、要再検査となったボクの経験をもとに、紹介しています。

日々、チェーンソーで作業をする人は、ぜひご覧ください。

この記事はあくまで個人の経験と記憶をもとに作成しています。振動障害の疑いがある方は、医師の診察を受けることをお勧めします。

振動障害の説明

振動障害とは?

振動障害とは局所振動、すなわち工具・機械・装置などの振動が主として手・腕を通して身体に伝達されることにより生じる障害のことです。末梢循環障害、末梢神経障害、それに運動器(骨・関節系)障害の3つの障害から構成されます。一定の条件を満たせば職業病認定を受けることができます。

振動障害について | メディカルノート (medicalnote.jp)

振動障害になる原因

振動障害のメカニズムは未だ完全に解明されていませんが、手に持つ電動工具(例: チェーンソー、ドリル、グラインダーなど)から発生する繰り返しの振動が主な原因と考えられています。

これらの振動は、血管の内皮細胞、大小の神経の神経細胞、そして骨や関節に異常を引き起こす可能性があります。

高周波振動は手や手指で吸収され、主に血管や神経系に損傷を与える一方、低周波振動は上肢に伝達され、骨や関節に障害を引き起こす可能性があります。

主な疾患は、白蝋病です。

白蝋病というのは、チェーンソー(チェンソー)などが生じる強い振動を、長時間受け続けることによって発症する可能性がある障害です。それらの機械で長時間連続して作業していると、振動によって手足の血管が収縮し、血の気が引いたように手足の色が白くなることがあります。その見た目がロウソクの蝋のようであるために、白蝋病と呼ばれています。

白蝋病は、労働基準法によって業務上疾病に定められています。

チェーンソーと振動障害について|チェンソーなら農機具のアグリズ! (agriz.net)
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振動障害は、振動器具を長時間使うことにより、血流や神経に障害を起こすことを指すようです。

続きましては、どういう要因で、振動障害になる可能性があるのかについて説明します。

振動障害を引き起こす要因

チェーンソーを長時間つかう

ボクは、振動障害検査で要再検査となるまで、勤務時間が7時間で、平均して毎日5時間以上もチェーンソーを扱っていました。

その後、チェーンソー作業を減らしてもらい、様子を見ましたが、翌年からは同じ作業に戻されました。

事業体によっては、作業内容を変更するのが難しく、チェーンソーを使わざるを得ないのが現状です。

生活習慣

生活習慣も振動障害に影響を与えます。

当時の生活習慣を振り返ってみると、タバコは一日に一箱弱吸っており、入浴は、湯船に浸からずシャワーだけで済ましていました。

また、食事も特に気を配っておらず、冬でも、冷たい物を食べていました。

チェーンソーの性能

チェーンソーの性能もまた、振動障害に大きく関係しています。

目立てをしっかりやってないソーチェーンや防振ゴムがついていないチェーンソーは、振動が大きくなります。

また、体に合ってないチェーンソーを使うのもよくありません。重かったり、ガイドバーの長いチェーンソーを扱うと、体に振動が伝わりやすいです。

防振手袋の不使用

防振手袋を使用しているのと、してないのとでも振動の伝わり方が変わってきます。

ボクは林業を始めた当初から、防振手袋ではない、一枚100円前後の手袋を使っていました。

理由は、安いのと、手にしっくりきて、作業がしやすいからです。

その後、防振手袋が会社から支給されるようになりましたが、それでも、使いやすさから普通の手袋を使っていました。

防振手袋の不使用も多少の影響はあったと思います。

検査の内容

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林業では、健康診断で振動障害検査がの項目が含まれています。以下がその検査の内容です。

皮膚感覚検査

振動障害の神経系への影響を評価するために、皮膚感覚検査が行われます。

触覚検査では、患者の指先に先のとがった器具で触れて反応を確認し、変化を評価します。

皮膚に触れたかどうかを検査員に尋ねられるのですが、これが分からなかったことはありません。

皮膚温検査

皮膚温検査は、患者の皮膚の温度を確認することが目的です。

一定の温度に到達していないとダメで、ボクはいつもこの検査に引っ掛かっていました。

異常なほど指先が冷たくて、温めても、なかなか暖かくなりません。それは現在でも続いています。

つめ圧迫検査

爪圧迫検査は、患者の指爪に一時的な圧力をかけて血流を遮断し、その後の血流回復までの時間を計測します。

正常な場合、爪の色が迅速に元に戻りますが、循環障害があると回復が遅れたり、血流が遅れることがあります。

この検査も、問題はありませんでした。

握力検査

握力検査は、両手の握力を測定して、筋力の持続力を測定する検査です。

立位で、握力計を握り、左右5回ずつ測定して、1回目に出した数値を持続できるかを測ります。

これにより、握力が繰り返し行われる過程でどれだけ弱りやすいかを評価することが可能です。

再検査の様子

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ボクは、あまりに指先の温度が低かったために、再検査を受けることになりました。

以下が再検査の項目です。

握力の持続時間を調べる

握力の持続時間を計ります。

患者は、立位または座位で握力計を握り続け、手が疲れて力が減退するまでの時間が記録されます。

これを左右繰り返します。

異常な結果がある場合、握力の持続時間が短いことは筋肉の疲労や神経系の問題があるかもしれません。

指の運動

「指の運動」検査は、特定の器具を使用して人差し指、中指、薬指の上下運動の回数をする検査です。

この検査では、患者がそれぞれの指を器具の中で上下に動かし、一分間に触れた回数を数えます。

この手法は指の運動能力や協調性を測定し、特に手の機能や神経系の異常を検出するのに役立ちます。

氷水検査


「氷水検査」は、左右の腕をそれぞれ氷水に十分な時間浸すことで、指先の温度が元に戻るまでの時間を計測する検査方法です。

患者は左右の腕を氷水に浸し、浸す時間は通常十分な期間( 何分間か忘れましたが)とされます。

その後、腕を氷水から取り出し、指先の温度が元の温度に戻るまでの経過時間を計測します。

この検査で、寒いなかで作業ができるのかが、わかるのかもしれません。

振動障害を予防するには?

滝

作業内容の変更

まずは、作業内容を変更し、振動のリスクを軽減したり、チェーンソーを使わない作業をすることです。また、長時間の振動を避けるために、作業時間を短縮する工夫や、こまめに休憩の取ることも必要です。

一日のチェンソーの作業時間は、機械または取扱説明書に表示の「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」により厚生労働省通達で次のように決められております。

■10m/s2以下の場合

一日のチェンソー作業時間を2時間以内にする。
また、作業の組み合わせを工夫して、連続作業時間を10分以内にすること。

■10m/s2を超える場合

一日のチェンソーの作業時間は次の式により算出した時間以内にする。
また、作業の組み合わせを工夫して、連続作業時間を10分以内にすること。
T=200÷(a×a) T:一日のチェンソーの最大作業時間(時間)
a:周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値(m/s2

振動障害の予防|日本チェンソー協会 (ncs-kyokai.com)

生活習慣をかえる

普段から暖かいものを食べたり、湯船につかったりと温活をすることが、振動障害の予防につながります。

特に冷え性の方は、体を冷やさないように心がけ、適切な温暖な状態を維持することが大切です。

これにより、末梢循環の促進や体温の維持が期待され、振動による悪影響を軽減できる可能性があります。

また、バイク通勤などの振動が伝わるものを避けることも大切です。

体を冷やすものを食べない

振動障害予防においては、体を冷やす作用のある食べ物を避けることが重要です。

冷たい飲み物、体を冷やす食品は、振動の影響を及ぼす可能性があります。

例えば、お酒を飲むにしても、体を冷やすお酒があることを知り、冬場は避けたりするなどの工夫も必要です。

ビール、ウィスキー、麦焼酎、ハイボールなど、原料に大麦や麦を使用するものは体を冷やす作用があります。また、ビールやハイボールは冷やして飲むことが一般的なので、体を冷やしてしまいます。

参照冬は体を温めるお酒を選んで肌トラブルのない年末を | カージュラジャ ザ ビューティスパ (carjurajah.jp)

筋肉をつける

脂肪は体温を保持する効果がありますが、太っているからといって必ずしも寒さに強いわけではありません。

また、太っている人の中にも熱の産生が少ない場合があり、寒さに弱いことも考えられます。

一方で、鍛えている人は、筋肉量が多いため熱の産生が増加し、代謝が良くなります。これにより、寒冷な環境においても寒さに対する抵抗力が高まることが期待されます。

ただし、個人の体組成や運動習慣も影響を与えるため、一概に太っているかマッチョかといった分類だけで判断するのは難しいです。

タバコをやめる

タバコが、振動障害に直接的に関連しているかどうかは、科学的な根拠はありませんが、喫煙は血液循環に影響を与えることは、広く知られています。

喫煙は血管の収縮を引き起こし、循環系に悪影響を及ぼすと言われています。その結果、振動障害のリスクが増加するかもしれません。

ただし、個々の健康状態や生活習慣は人によって異なります。

マッサージをとりいれる


マッサージは冷えた部位の血流促進に効果的です。

特に指先の冷えや寒冷な環境下での作業において、意識的にマッサージを取り入れることが重要です。

指先の冷えは振動障害などに影響を与える可能性があるため、十分な血流確保が求められます。

ふくらはぎのマッサージがおすすめされる理由は、ふくらはぎが「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を下半身から心臓に戻すポンプのような機能を果たしているからです。

ふくらはぎを揉むことで筋肉が刺激され、血流が促進されることで、全身の循環が改善されるとされています。

温かい作業着を着る


寒冷での作業では、適切な作業着を着用することが振動障害予防には重要です。

ヒートテックや他の保温性の高いインナーウェアを利用することで、体温をしっかりと維持することができます。

軽量かつ動きやすいため、作業着の一部として活用するのがおすすめです。 手や頭部は体温の放散が多い部位です。

また、保温性の高い手袋や帽子を装備することで、これらの部位の冷えを防ぎます。

特に指先の冷えは、振動障害に影響を与える可能性があるため、十分な保護が必要です。

最後に

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振動障害検査を受けた場合、検査に引っ掛かりやすいのは、指先の体温です。振動障害の疑いがある人は、指先が冷えやすく、温まりにくい傾向にあるからです。

ボクは、振動障害とは診断されませんでしたが、今でも指先は冷たく、氷のようだと言われます。

ですので、普段から指先の体温に気を配ることが、振動障害の予防につながります。

また、振動障害の疑いがある場合、作業を控えることが望ましいですか、現実的には難しいこともあります。

振動障害にならないように、以下の点に注意するとよいでしょう。

  1. チェーンソーの性能: 振動の発生源であるチェーンソーには、振動を軽減する装置やクッションの取り付けをします。また、目立てをしっかり行うことで、振動を抑えられ、作業時間の短縮にもつながります。
  2. 生活習慣: 冬場は特に、暖かい恰好をしたり、作業後には温かい食事、湯船につかり、体を温めるなどの対策をすることが望ましいです。
  3. 適切な保護具の利用: 防振グローブや体を冷やさない服装などを着用することで、振動の影響を和らげ、血流をよくします。
  4. 作業時間と休憩: 長時間の振動作業は避け、作業時間を短縮し、頻繁な休憩を取ることで、振動障害のリスクを低減します。

これらの継続的な対策や工夫を取り入れ、振動障害のリスクを軽減していきましょう。

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