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【林業の一人親方の労災保険の特別加入とは?】について紹介します

kitajin

どうも元フォレストワーカーのkitajinです。

本記事では、一人親方の労災保険特別加入について紹介しています。

本来、労災保険とは従業員が加入するものであって、個人事業主は加入できないのですが、危険な作業に従事する職業の中には特例として、労災保険の加入が許されています。

それが、この労災保険特別加入なのです。

決して、加入は強制ではありませんが、万が一の事を考えると入っておいたほうが良いとされています。

また、大きなクライアントとの契約の場合に、労災に加入していることが条件であることもあります。

しかし、一人親方になったばかりの人は労災保険の名称は知っていても、具体的にどのようなモノか知らない人が多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、つい最近、労災保険特別加入ばかりの私が、加入にあたって知り得たことを記していきたいと思います。

今後、独立する人、また労災について詳しく知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

kitajin
  • 静岡県浜松市で10年間林業に従事

(素材生産業者で伐採を主にやっていました)

  • 林業に関する基本的資格はすべて取得

(林業架線作業主任者の国家資格取得者)

  • 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営

(運営歴1年の新人です)

林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

林業の一人親方の労災保険の特別加入とは?

労災の特別加入の概要

労災保険の特別加入は、国が特別に設けた制度です。

一般的な労災保険の加入対象者は、雇用されている労働者なので個人事業主等は加入できません。

しかし、例外的に危険な労働に従事している個人事業主等に労災保険への加入が許されています。

労災保険に特別加入の範囲は、以下の4種です。

  • 中小事業主など
  • 一人親方など
  • 特定作業従事者
  • 海外派遣者

上記にあたる人は、業務の実態が労働者と大差ないと判断され、特別加入制度が設けられました。これにより、作業中に事故や怪我をした際に医療費や休業補償などの給付を受けることができます。

労災保険の加入は強制ではなく任意なので、加入していなくても事業を行うことはできます。

しかし、個人事業主は、万が一の事故や災害にあった場合などにどこからも保障が受けられず、事業の継続や生活がままならなくなる可能性があります。

自身の安心と事業の安定を考えた場合、加入することが推奨されます。

林業の労災保険とは?

労災保険特別加入でいう『林業』とは、
ア.森林の中の作業地、木材の搬出のための作業路およびこれに前後する土場における作業並びにこれに直接附帯する行為を行う場合
イ.作業のための準備・後始末、機械等の保管、作業の打ち合せなどを通常行っている場所(自宅を除く場所で、以下「集合解散場所」という)における作業およびこれに直接附帯する行為を行う場合
ウ.集合解散場所と森林の中の作業地の間の移動およびこれに直接附帯する行為を行う場合
エ.作業に使用する大型の機械等を運搬する作業およびこれに直接附帯する行為を行う場合
オ.台風、火災などの突発事故による緊急用務のために作業地または集合解散場所に赴く場合

林業の一人親方さま向け労災保険について(Q&A) (evergreen-sr.com)

林業には、林業の労災保険に加入しないと労災の適用外になる場合があるので注意しましょう。

kitajin

次は、一人親方が労災保険に加入するメリットとデメリットについて紹介します。

労災保険に入るメリット・デメリット

メリット

  • 万が一に備えられ安心感が得られる
  • 国の制度なので、補償内容が充実している
  • 加入していることが条件の仕事もある
  • 保険料は控除の対象である

デメリット

  • 保険料の支払いが必要
  • 収入によって保険料が変動することがある
  • 業種によって保険料に差がある
  • 作業によって補償が受けられない場合がある

メリット

仕事中の災害に対する安心感が得られる

林業は、危険な作業を行うために、作業中の災害に対する不安はつきものです。

しかし、労災保険特別加入により、万が一の災害が発生した場合でも、その影響を最小限に抑えることができます。自身が仕事に専念する中で、保険によるサポートがあることで安心感が得られます。

202223006A-buntan2_0.pdf (niph.go.jp)

保険料のわりに補償される範囲が広い

国が設けている一人親方労災保険は、民間の保険と比べて費用面でもお得といえます。

場合によっては補償が生涯続き、遺族への年金も遺族が亡くなるまで続くのが特徴です。

一人親方労災保険のような保険料額で、ここまでの手厚い補償は、民間の保険では望めません。長い目で考えれば、保険料の負担は安いといえるでしょう。

補償内容

療養(補償)給付労災によるケガ・疾病の場合に、治療費などが支給されます。具体的な補償内容としては、入院費や診察代、薬代などです。
給付期間は、症状が完全に回復するまで、または一般的な医療をおこなっても、効果が期待できない状態になるまでとされています。万が一、障害が残った場合は、このあと紹介する障害(補償)給付の対象です
休業(補償)給付ケガや疾病により労働が不可能となり、休業した分の賃金を受けられないときに、一定の金額が給付される制度です。
給付額は、過去3か月分の給料の総額を総日数で割った金額(給付基礎日額)の6割が、休業4日目より支給されます。
また、休業(補償)給付とは別に「休業特別支給金」と呼ばれる制度もあり、給付基礎日額の2割を受け取ることが可能です。
傷病 (補償)年金労災による怪我や疾病の療養開始から1年6ヵ月経過した後に、以下の両方に当てはまっていれば、一定金額の給付を受けられる制度です。
怪我や疾病が治癒していない
怪我・疾病の程度が厚生労働省の定める傷病等級表の第1~3級に該当する
なお、傷病 (補償)年金を受ける場合、休業(補償)給付が受けられなくなる点は、押さえておきましょう。また、傷病等級に該当しない場合には、引き続き休業(補償)給付の支給が受けられます。
障害(補償)給付業務上の災害により、身体に一定の障害が残った場合に受け取れる給付です。
障害の程度は1~14級までの14階層が定められており、数字が低いほど重い障害であることを意味します。1~7級に該当する人は「障害補償年金」、8~14級に該当する人は「障害補償一時金」を、それぞれ受け取ることが可能です。
遺族(補償)給付労災によって死亡した労働者の遺族に対して支払われる給付です。「遺族補償年金」と「遺族補償一時金」の2種類があります。
遺族補償年金は、複数の条件を満たすと支給される仕組みです。条件が満たされない場合は、遺族補償一時金が支給されます。
介護(補償)給付障害補償年金、または傷病補償年金を受ける権利を持っている人が、以下のいずれかの条件を満たした際に給付されます。
障害等級が第1級である人
障害等級が第2級で、精神・神経・胸腹部臓器の障害を有しており、現に介護を受けている人
ただし、入院中や障害者支援施設で生活介護を受けている場合など、十分な介護サービスが提供されている場合は給付されません。
葬祭料・葬祭給付労災で亡くなった人の葬儀をおこなう際に、給付を受けられる制度です。必ずしも遺族に給付されるとは限らず、社葬として葬儀をおこなった場合は、会社に対して葬祭料が支給されます。
支給される葬祭料は、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた金額です。その合計金額が給付基礎日額の60日分に届かない場合は、給付基礎日額の60日分の金額が支給されます。

労災保険の主な費用は、国に納める労災保険料と加入する団体に支払う入会金・組合費です。

加入する団体によっては、組合費以外にも更新手数料や退会手数料などがかかる場合もあります。

入会金・組合費などは各団体によって金額が異なりますが、労災保険料は国に納めるため、どこでも同じ金額です。

なお、労災保険料は、16段階の給付基礎日額(3,500〜25,000円)に応じて決まります。

加入していることが条件の仕事もある

仕事の内容によっては労災保険を加入していることが条件の中に入っている場合があります。

特に建設業などは、元請会社は、安全に配慮する義務があるため、労災保険に加入していることが条件の元請がほとんどです。

仕事を幅広く手掛けたい場合は、加入しておいたほうがよいでしょう。

また、労災保険の加入は最短でも翌日加入となります。

しかも、業務によっては健康診断の受診も求められるために、より時間がかかります。加入までの時間的余裕がないこともあり得るため、事前に準備だけをしておいた方が良いでしょう。

保険料は控除の対象である

労災保険で支払った保険料は、すべて社会保険料控除の対象になります。所得税と住民税が安くなり、節税となるのです。

なお、社会保険料控除の対象は、その年の1月1日~12月31日の間に納付した金額です。

途中加入の場合など、対象期間を間違えると、支払う税金が高くなるので注意しましょう。

デメリット

保険料の支払いが必要

労災保険特別加入には、保険料の支払いが必要です。

個人事業主として、安定した収入を得ながらその一部を保険料として支払う必要があります。

これにより、収入から一部を差し引くことになり、経済的な負担が生じる可能性があります。ただし、その代わりに保険料を支払うことで、万が一の事故や怪我に備えることができるため、そのバランスを考慮することが重要です。

個人事業主としての収入によって保険料が変動することがある

労災保険特別加入においては、保険料が個人事業主としての収入によって変動することがあります。

収入が増減するたびに、保険料の金額も変わる可能性があります。収入の変動によって、毎月の支払い額が変わることは予算の立て方などに影響を及ぼすことがあるため、計画的な収支管理が求められます。

林業の労災保険は危険な作業が増えるためほかの業種より保険料が高い

林業は、危険な作業が多く、また労働災害も多いので、他の業種に比べて労災保険の保険料が高く設定されています。

この点を考慮して、保険料の支払いには注意が必要です。

作業によって補償が受けられない場合がある

一口に、労災保険といっても、補償の範囲は業種ごとに分けられています。

例えば、建設業の労災の適用範囲は、何かを建設している場合に限られています。

また、林業の労災保険の場合は、山の中の作業に限られているのです。同じ木を伐る作業でも、庭に生えている木を伐っている時にケガをした場合は、林業の労災保険の適用外になるのです。

最近は、業種を飛び越えて様々な作業をする業者が増えているので、この点を踏まえて労災に入る必要があります。もし、山の中の作業以外に、特殊伐採の仕事をよく請けるなら、造園の労災に加入したほうが万が一の補償になるのです。

労災保険に特別加入できる一人親方の条件とは?

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労災保険に特別加入できる一人親方には、6つの条件があります。

一人親方で、かつ6つの条件のうちいずれかに該当する人なら、加入対象となる可能性があるのでチェックしてみましょう。

個人で仕事を請け負っている

まず、個人で仕事を請け負っていることが条件として挙げられます。

建設業の一人親方以外では、以下の個人事業主も特別加入できます。

②特別加入制度のしおり(一人親方用) (mhlw.go.jp)

労働者の使用が1年間に100日未満である

一人親方でも、労働者を使用している場合、年間の使用日数が100日未満であれば労災保険に特別加入できます。

労働者を年間100日以上使用する一人親方は、労働保険事務組合を通じて、中小事業主用の労災保険に切り替える必要があります。

会社に所属して請負で仕事をしている

会社に所属している場合でも、雇用ではなく請負で仕事をおこなっていれば労災保険に特別加入できます。

以下に該当すると雇用と判断される場合があるので注意しましょう。

  1. 始業時刻が定められている
  2. 道具は会社が用意してくれる
  3. 仕事の進め方について、会社から指示をもらっている

上記に当てはらなければ請負と判断され、一人親方に該当します。

雇用関係のないグループで仕事をしている

グループで業務をおこなっている場合でも、お互いに雇用関係がなければ、労災保険に特別加入できます。

建設業と一口にいっても、さまざまな職種があり、グループで業務をおこなうケースもあります。それでも、雇用関係がなければ一人親方とみなされるため、特別加入が認められます。

法人の役員のみで仕事をしている

法人化している場合でも、役員のみで仕事をしていれば、労災保険に特別加入できます。

特別加入の条件に「個人事業主」「法人の代表者」という指定はなく、従業員の有無によって変わるためです。

従業員がいる場合は、さきほども述べたように雇用日数が100日未満であれば、一人親方労災保険への特別加入が認められます。

一人親方の家族従事者である

一人親方と同居および生計をともにしている家族従事者も、労災保険への特別加入が可能です。

なお、家族従事者は、労働基準法上の労働者には原則該当しません。しかし、以下のケースでは、家族従事者でも労働者とみなされる可能性があります。

  1. 業務をおこなう際に、事業主の指揮命令に従っていることが明確である
  2. 就労形態が、該当する事業場の他の労働者と同じである

労働者とみなされれば、労災保険や雇用保険への加入が可能となります。

どこで加入するのか?加入するまでの流れ

一人親方の労災特別加入を申請するには、労働災害保険の団体に加入しなくてはなりません。

一人親方労災保険の特別加入団体とは、各都道府県にある労働局の承認を受けた団体のことです。

例えば、林業の労災に入りたい場合なら、林業の労災団体に加入しなくてはいけません。

一人親方が労災保険に特別加入するためには、特別加入団体を通じて申請手続きをおこないます。国の制度でも、市区町村の役所などでは手続きがおこなえないため、注意してください。

各団体によって、手続き方法は多少異なります。

大まかな流れとしては、書類をそろえて申し込みをおこない費用を支払うというものです。

申し込みと費用の支払いが終わったら、団体から会員証・加入証明書が送られてくるので、失くさないよう大切に保管しておきましょう。

なお、手続きをおこなう際、業務歴から健康診断が必要と判断される場合があります。団体から受け取る書類の記載内容をしっかり確認して、健康診断を受けてください。

詳しくは、管轄の労働基準監督署に問い合わせしてください。

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さいごに

kitajin

林業の一人親方にとって労災保険特別加入は重要な選択肢と言えます。

万が一の事故や怪我に備え、医療費や休業補償を受けることができるため、仕事中の安心感を得られると同時に、事業運営の安定性も向上するでしょう。

しかし、保険料の支払いが必要であり、個人事業主としての収入に応じて保険料が変動することも考慮すべきポイントです。特に林業は危険な作業が増えることから、他の業種よりも保険料が高くなっています。

ただし、この保険料は経費として計上することができるため、事業の運営においても優遇措置を受けることができます。

加入方法や保険料の計上においては、専門家のアドバイスを受けながら適切な処理を行うことが大切です。

林業の一人親方にとって、労災保険特別加入は事業の安定性を高めるための重要なステップとなるでしょう。

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