どうも元フォレストワーカーのkitajinです。
本記事では、林業一年目の方に向けて、林業の秋の作業や様々な注意点について紹介していきたいと思います。
秋は、一年の中で一番、過ごしやすく、林業の作業をするには最適だと個人的に思っているのですが、やはり季節の変わり目などで体調の変化などがあります。
本記事では、ボクが経験してきた林業の秋の作業の注意点や気候などで気をつける点などを上げていくので、林業一年目の方は参考までに最後までご覧になり、参考に下さい。
この記事を書いた人
- 静岡県浜松市で10年間林業に従事
(素材生産業者で伐採を主にやっていました)
- 林業に関する基本的資格はすべて取得
(林業架線作業主任者の国家資格取得者)
- 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営
(運営歴1年の新人です)
林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。
※本記事には、プロモーションが含まれています。
秋の作業
気温
秋と言っても、早秋はまだ残暑が厳しくて、9月の初旬から10月初旬まで、日中は暑さを感じることがあります。熱中症に注意が必要ですが、朝晩は冷え込み、日が落ちるのがずいぶん早く感じられます。
休憩時間など、汗をかいたままでいると体温が下がり、肌寒さを感じるくらいです。体調管理のためには、できれば、汗をかいた服を脱いで、乾いたシャツに着替えるのが理想です。
晩秋になれば、肌寒さを感じる日が増え、一枚羽織って作業をしたくなりますが、しかし、作業をすれば汗ばむので、脱いだりきたを繰り返します。
休憩時間などは、日向でないと寒いくらいです。
天候
秋の天候は、秋雨前線が停滞して長雨になったり、逆に秋晴れが続くこともあります。
また、朝晩の気温差から、濃霧が起こりやすいのも特徴です。湿った生暖かい空気の中で、虫が活発になり、虫刺されがひどくなるのもこの時期です。
しかし、何といっても一番厄介なのは、やはり台風です。
林業は、台風に影響を受けやすい職業の一つです。土砂災害や風倒木などで、山が形を変えてしまうことがあります。
通っていた道が通れなくなったり、作業現場が崩れて、重機が置き去りなんてことも実際に起こりえることです。
さらに、事後処理として、風倒木の処理に当たっていたが、作業の仕方を間違い、労働災害にあうなんてことも実際にありえます。また、急な天候の変化も起こりやすく、雷が発生しやすいので、天気には十分気を付けておきたいところです。
秋の作業
一昔前まで、季節による作業が分けられていましたが、今は、年中同じ作業をすることが多いです。
それでも、秋の作業としては、枝打ちなどが寒くなる前にやる作業として挙げられます。
また、晩秋から初冬にかけて伐採をはじめ、冬の間、葉枯らしした木を春先に搬出するなんてことをしていたようです。
秋から冬にかけて、木が水を吸いあげるのを止めて、表皮が作業中にむけることが少なくなるので、作業がやりやすくなります。
秋の注意点
夏から秋に、秋から冬に変わる季節、注意点はいくつかあります。
個人的には、1年で一番いい季節、林業に適した作業がしやすい季節だと思っていますが、それでも、多くの注意点があるのが山仕事です。
体力
暑さのピークが通り過ぎたので、作業的には、日に日にやりやすくなります。しかし、夏の疲れが残っていたり、働くペースが崩れることで体調を崩すこともあるでしょう。
また、日の長さが変わり、日中の気温差が大きくなります。
この時期は日照時間が短くなることにより、鬱になりやすいと言われています。秋になると、なんとなく気分が沈みやすいのは、日照時間が短くなったからかもしれません。
また、日によっては10度ぐらい気温差があるので、体調管理が難しい季節とも言えます。ですので、体が動くからといってあまり無理はせずに、作業したいところです。
怪我
秋は、気温が下がることによる、怪我に注意が必要です。
寒くなると、体がこわばるので、動きだしが鈍くなったり、やる気が出なかったりします。また、寒さで血流が悪くなることにより、ぎっくり腰や肉離れなどを起こしやすいくなります。
寒さによる怪我を起こりやすくなるので、気をつけたいところです。作業を始める前に準備運動をした方が良いでしょう。
また、前述のように、作業中は汗をかき、休憩時間には汗が引くので、この時に体を冷やさないことが、怪我の予防につながります。
天候
前述の通り、天気については、やはり台風が最大の脅威です。
台風の場合は、接近前後に風が強くなり、伐採に支障が出る場合があります。また、作業が休工になっても、台風の影響により、支障木が出たり、土砂災害が起きることにより、作業現場に近づけなくなることもあります。
また、事後処理による二次災害にも注意が必要です。
風倒木処理をしている時に、折り重なった木にどんな力が働いているか分からないので、十分に注意が必要です。ほかにも、弱くなった地盤の上を重機で走行などをして、作業道が崩落する可能性もあります。
対策としましては、台風が近づく前に、作業道に水切りを作っておくことと、重機を被害が少ないところに置いておくことが重要です。
あと、急な天候の変化にも気をつけたいところです。
朝は晴れていても、急な雷雲が発生することもあります。秋は不安定な天候が多いので、常に天気予報をチェックする習慣を持ちたいところです。
虫
夏から秋にかけて、産卵の季節を迎える虫が多いので、この時期、虫たちは凶暴化するように感じます。
蜂などは、巣が最大化して、活発に行動するのもこの時期ですし、近づくと襲いかかってきます。
また、蚊は、25℃~30℃くらいが一番活発に動けると言います。
他にも、秋に山に入ると、アブやブヨなどの血を吸う生物が、人に襲いかかることが非常に多くなってきます。
しかし、気温が下がってくるに従い、動きが鈍くなるのもこの季節です。アブなどは、飛んでいるのを簡単に捕まえられます。
その他にも、蜘蛛の巣が増えたり、夕暮れ時には、虫の音がうるさかったりと季節の変化を感じます。
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動物
山の中に生息する主な動物として、イノシシ、シカ、サルなどは冬眠しないようです。
しかし、秋は食べ物が豊富なこともあり、この時期は餌を取りに動き回り、活発になります。
ですので、遭遇すると襲いかかえられる可能性があるので、十分気をつけておきたいところです。
特に、子供がいる母親は凶暴化しており、迂闊に近づくと襲われるので、遭遇したら、刺激しないように静かに離れましょう。
植物
植物も、 季節の移り変わりにより様々な変化をもたらします。
早秋の頃は、まだ、草などか青々としており、行く手を遮るように生えていますか、それも寒くなるに従い、次第に成長を止め、根に栄養を移していきます。
ですので、草木に邪魔されず、山の中に入りやすくなります。
また、晩秋になれば、紅葉の季節に入り、山を美しく彩ります。
その他
朝晩の気温差から、濃霧が発生しやすいのも秋の特徴です。
また、晩秋になると寒くなり、霜が出たりします。雪が降る地方では、雪を観測するようになります。
日が短くなり、夕暮れ時は、あっという間に暗くなります。
夏の間は、山を下りても明るかったのに、同じ時間帯でも太陽が山の背に隠れて、ひんやりとした空気が山の中を包み込み、虫の音が聞こえきます。
寂しいというより、少し怖いくらいですが、こうした季節の移り変わりを感じられるのも、山仕事の醍醐味です。
さいごに
林業1年目、暑い夏を乗り越えて、一つ自信がつくのが秋です。
暑さが和らぎ、ほっと一息ついて、作業もやりやすくなりますが、そこに油断が生まれやすのも事実です。
夏から秋、秋から冬と瞬く間に過ぎていき、周囲の刻々とした変化に対応しながら働くのは大変でしょう。特に、雪が降る地方では、厳しい冬に向けての準備期間となります。
また、秋は台風をはじめ、秋雨前線が活発になり、それにより、災害が起こることもあります。
近年は気候変動のせいで一年中、おかしな天候になりますが、やはり、昔から言われてきた台風への備えなども重要です。
寒暖差が非常に大きいので、体調管理が難しく、怪我も多くなります。特に寒くなると、ぎっくり腰になりやすいので注意が必要です。
脅すようなことばかり書いてきましたが、良いこともあります。
秋はやはり一番過ごしやすい季節で、作業もしやすくはかどります。紅葉など、季節の移り変わりを間近で見られるのも、林業ならではの特権です。