今更聞けない

【今さら聞けない?!】林業用語のあれこれについて解説します

kitajin

改めてまして元フォレストワーカーのkitajinと申します。

本記事では、今さら聞けないシリーズといたしまして、林業用語について紹介しています。

林業業界にも、様々な用語が存在しており、ボク自身も分かっているつもりでも本当はよく知らなかったり、スルーしてきた言葉は数多くありました。

言葉を知ることにより、より深く仕事に対する理解も深まるので、是非最後までご覧下さい。

この記事を書いた人

kitajin
  • 静岡県浜松市で10年間林業に従事

(素材生産業者で伐採を主にやっていました)

  • 林業に関する基本的資格はすべて取得

(林業架線作業主任者の国家資格取得者)

  • 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営

(運営歴1年の新人です)

林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

現代の林業用語

ブック

【プロモーション】

用語                           意味
圧縮木材木材を30~200kg/㎤の圧力で圧縮して強度を高めた、改良木材の一種。
圧力注入材強度、吸湿性、難燃性を高めるために乾燥木材に鉛、錫などの金属、またはパラフィン、シリコンなどを圧力によって注入した、改良木材の一種。
あて傾斜地などで樹心が一方に偏って成長したためにできた肥大した部分。あてのある木材をあて材という。針葉樹の場合は、圧縮応力を受け傾斜面の下側にあてができるので圧縮あて材といい、広葉樹は引張応力を受ける傾斜面上側にあらわれるので引張あて材という。
育成天然林施業積極的に人の手を加えることによって森林を造成する施業のこと。ぼう芽更新、天然下種更新など天然力を活用しつつ、地表を掻き起こし、刈り払い、植え込みなどの更新補助作業や除伐、間伐などの保育作業を行う。
育成単層林施業(いくせいたんそうりんせぎょう)森林の樹木の全部又は大部分を伐採し、その後一斉に植林を行うことにより、年齢や高さのほぼ等しい樹木から構成される森林(単層林)を造成する方法。
井桁積み(いげたづみ)風の通りを良くするため、木材を井桁のように縦・横に積み重ねること。狂いを嫌う楽器用材や高級家具用材を天然乾燥する場合によくやる。
板目木の幹を縦方向に切り開いたときに現れる、年輪の波状の模様。
板類厚さが7.5cm未満で幅が厚さの4倍以上の製材品。
「製材の日本農林規格」及び「薄板の日本農林規格」によると、
①板(厚さが3cm未満で幅が12cm以上のもの)
②小幅板(厚さが3cm未満で幅が12cm未満のもの)
③斜面板(幅が6cm以上で断面が台形のもの)
④厚板(厚さが3cm以上のもの)
⑤薄板(樹齢150年以上の針葉樹から製材した厚さ0.7cm以下のもの)に分けられる。
異齢林 樹齢が異なる林分で構成されている森林。対語に同齢林がある。
魚つき林水面に対する森林の影響であり、海岸、河川、湖などの水域において、魚類の生息や繁殖を促進し、養分の供給を支え、水質の汚染を防ぐ役割を果たす森林のことです。
受口立ち木を伐倒する際に、最初にチェーンソーやおの斧を使って、伐倒方向に向かって樹幹に切り込みを入れる作業です。受口は、伐倒の安全性を確保すると同時に、木材の裂けを防ぐために設けられます。
運材一般的には山土場や伐採現場から木材市場や中継点の駅土場などへ原木を輸送する作業を指します。運材方法は、地形や道路の状態、鉄道路線の可用性などに応じて、陸上運材と水上運材に分かれます。陸上運材は、トラック輸送や鉄道輸送によって行われ、水上運材はいかだや筏、流送などを用いて河川を利用して行われます。しかし、現在の日本では主にトラック輸送が主要な運材方法となっています。
枝打ち無節の木材を生産するために、樹木の成長過程で下部に不要な枝を切り取る作業です。無節の幹材を得るためには、下枝を計画的に剪定し、死節などが形成されないようにする必要があります。枝打ちは通常、樹木が成長休止期に入る秋から冬にかけて行われるのが最適です。
枝下高樹木の幹の下部における最初の枝が出現するまでの高さを指します。一般的に、枝下高が高いほど、木材の品質が向上し、価値が高まるとされています。
枝払い伐倒した樹木の幹から枝を取り除き、丸太を整え、次の木材の加工作業、例えば玉切り作業に備えるために行われる作業です。
追口(おいくち)伐採の際に受口を切り込んだ後、受口よりもわずかに高い位置から樹心に向かって切り込む作業を指します。この作業には通常、チェーンソーなどが用いられ、追口を切ることで伐倒方向を調整し、正確な伐倒を行います。伐倒をより確実にするために追口にクサビを挿入することもあります。
追柾(おいまさ)木目の一種。木材の木目の一種で、いため(板目方向)とまさめ(柾目方向)の中間的な断面を指します。追柾の木材は、板目と柾目の特性を組み合わせたもので、木材の見た目や特性が板目と柾目の中間に位置するため、様々な用途に適しています。
外材日本に輸入される木材の俗称です。輸入される木材は一般的に以下のように大別されます。
・米材: カナダ産などの主に針葉樹が含まれます。
・南洋材: ラワン材など主に広葉樹が、マレーシアやパプアニューギニアなどから輸入されます。
・北洋材: エゾマツやトドマツなど主に針葉樹が、ロシア極東地域から輸入されます。
これらの外材は、日本国内で木材として利用されるさまざまな用途に供給されます。
皆伐林木のある一定のエリアやまとまりを一度に全部または大部分を伐採することを指します。この作業により、特定の森林エリアから木材を収穫し、新たな植林や森林再生の機会を提供することができます。
皆伐更新成熟した森林(通常は一斉林)を一度に全て伐採し、その跡地に新しい森林を作り出すために、苗木を植える過程を指します。この方法は、林業や森林管理において、古い森林を新しい若い植林に置き換えるために使用されます。
かかり木伐採した木が地面に倒れず、立木や他の物に引っかかり、傾いた状態で支えられている状態を指します。このような状態では、伐採された木材が地面に落ちずに立木や他の木に支えられているため、注意が必要で、安全に処理する必要があります。
拡大造林天然林を伐採した跡地や原野などに人工造林を行う林業のプロセスを指します。このアプローチは、木材の需要が増加している場合や天然林の再生が必要な場合に使用されます。日本では、1957年から1960年代後半にかけて、木材需要に対応するために拡大造林が積極的に推進されました。この取り組みにより、新しい森林が植林され、木材供給の安定化や森林資源の管理が改善されました。
架線集材材機によって空中に架設されたワイヤーロープに取り付けた搬器などを移動させて木材を集める方法です。この方法は、急斜地でも木材を効率的に搬出でき、林地を少なく荒らすなどの利点がありますが、架設や撤去に時間がかかるという欠点もあります。
近年、この欠点を低減するために、タワーヤーダと呼ばれる技術が普及しています。タワーヤーダは、より効率的な木材の収集と運搬を可能にし、集材作業をより効率的に行うことができます。
下層間伐通常、被圧された劣勢な木を切り取り、場合によっては優勢な木の一部も切り取る間伐の一種です。この作業は、森林の健全性と持続可能性を確保し、成熟した木が健康に成長できるようにするために行われます。劣勢な木が取り除かれることで、光や栄養が他の木に行き渡り、森林全体の質と生態系の健康を向上させます。
割裂(かつれつ)木材の表面や内部に生じる割れや裂けを指します。木材の割裂は、通常、気温の急激な変化、湿度の変動、乾燥などによって引き起こされることが多く、その形状に応じて目回り(目の周りにできる割れ)、心割れ(木材の中心部にできる割れ)などに区分されます。
割裂は木材の品質を低下させ、耐久性を損なう可能性があります。そのため、木材の保存や取り扱い、加工時の注意が必要です。特に、木材を安定した湿度と温度条件で保管することや、加工前に適切に乾燥させることが割裂を防ぐために重要です。
仮道管(かどうかん)木材を構成する細胞の一種で、主に樹幹の水分と養分の通路を担当し、同時に樹体を支える役割を果たします。仮道管は、その太さが約0.005~0.060mmで、長さは1~6mm程度です。特に針葉樹の場合、仮道管は木材の体積の約90%以上を占めています。
広葉樹の木材の場合、水分と養分の通路としての役割を果たす「道管」(vessel)と、樹体を支える「木繊維」(fiber)とが別々に機能しています。この点で、広葉樹の木材組織構造は針葉樹とは異なり、より高度に進化しています。
下木植栽(かぼくしょくさい)「樹下植栽」または「林内更新」とも呼ばれます。下木として植えられる木は、一般的に上層の木々よりも陰に強い性質を持っており、この方法によって多層林を形成することができます。
この手法の利点には、上層の木を保護しながら下層の木を成長させることができ、森林の裸地化を防ぐことが挙げられます。また、下木が完全に成長する際に上層の木が提供する保護と共存するため、林地の生産力を最大限に活用できるという利点もあります。
刈払い造林地や植林地の幼樹の成長を妨げる雑草や草木を取り除く作業を指します。若い樹木が充分な日光と栄養を受け取り、健康な成長を促進するために行われます。同様の作業を「下刈り」とも呼びます。刈払いは、森林管理や林業において非常に重要な作業で、苗木の成長環境を改善し、将来の森林の健全性を確保するのに役立ちます。
刈払機小型の原動機によって駆動され、丸鋸や特殊な刃を使用して雑草、笹、木の低い枝などを刈り取るための携帯可能な機械です。通常、1人で操作できるタイプの機械で、造園や農業、森林管理などで使用され、草地や草木の整備、除草作業に役立ちます。
過齢林森林施業計画において、市町村森林整備計画によって適正な伐期齢が定められている森林で、その森林施業計画の開始時点で、その適正伐期齢に5年を加えた林齢を超える森林を指します。この定義は、森林法施行令の第3条の2第2項に規定されています。
過齢林は、適切な時期に伐採や管理が行われなかった森林を指し、過密な森林になることや木材資源の劣化を防ぐために、適正な施業が行われる必要があります。
川上・川中・川下木材流通における流れを示した言葉。川上は、森林で素材(丸太)を生産する林業。川中は、素材を製材品や木質材料に加工する林産業。川下は、家具・住宅メーカー、工務店などの販売と消費者となる。
環境林一般的には環境保全機能などが高い森林を指す用語です。しかし、狭義においては、市街地や集落などの近郊に位置し、景観整備や植栽、歩道の整備などが行われ、木材生産と生活環境の保全、保健、文化的な機能などの公益的な目的を兼ね備え、一定の広がりを持つ森林を指します。
このような環境林は、都市や地域の美観を向上させ、自然環境の保全、リクリエーション、文化的な用途、空気や水の浄化などの様々な公益的な役割を果たすことが期待されています。
環孔材木材の一種で、早材(初期の成長層)の道管が晩材(後期の成長層)の道管よりも明らかに大きく、木の横断面(こぐち・木口)において帯状または輪を形成する特性を持つ材料です。環孔材は、主にケヤキ、ミズナラ、クリ、ハリギリなどの広葉樹で見られます。
この環孔材の特性は、木材の外観や加工時の特性に影響を与え、木材の利用において特定の用途に適している場合があります。たとえば、環孔材は装飾材や家具などの高級材として重要視されることがあります。
幹材積木材の材積表示方法の一つで、単一の木の材積を示すものです。単木材積表示の一種であり、他にも「立木材積」や「丸太材積」、「樹幹材積」、「製材材積」などがあります。幹材積と樹幹材積は同義であり、通常、樹木の幹部分における材積を示す材積表が作成され、木材の取引や利用において参考とされます。
間伐林分の密度や混み具合を調整するための林業作業です。この作業は、特定の樹種を育てるために行われ、通常、除伐と本伐の間に繰り返し行われます。間伐の主な目的は、育てようとする樹木どうしの競争を軽減し、残す木材の成長を促進することです。
林分の密度を適切に調整することにより、木材の品質と成長を向上させ、森林の健康と持続可能性を確保します。
灌木(かんぼく)樹高が通常2メートル以下の低木を指します。灌木の特徴は、樹冠(クローネ)と樹幹の区別があいまいで、通常、低く広がる枝が特徴です。灌木は森林や草原、庭園、野原、山地など多くの生態系で見られ、さまざまな種類が存在します。
一般的な灌木には、ツツジ、ナンテン、チャ、ヤマブキなどが含まれます。
木馬(きうま)かつて人力で木材を搬出するために使用されていた木製の道具です。木馬は、通常、小さな丸太を枕木のように並べた搬出路(盤木またはばんぎ)の上を、その上に積まれた木材を引っ張ることで移動させるのに使用されました。この作業は重労働で危険なため、機械による集材が普及するとともに、木馬の使用は減少し、現代ではほとんど見られなくなりました。
帰化植物 もともとその土地に自生していなかった植物で、本来の自生地から人間や動物、風や海流などによって運ばれ、その土地で発芽し、自力で生存し繁殖するようになった植物のことを指します。帰化植物は、人間の意図的な導入や栽培を必要とせず、自然の力や偶発的な要因によって新しい地域に広がることがあります。
帰化植物は、一般に繁殖力や生存力が強く、新しい生態系に適応しやすい性質を持っています。例えば、セイタカアワダチソウなどがその代表的な例です。帰化植物は、地域の生態系や生態学的バランスに影響を及ぼすことがあるため、環境保全や生態系管理において注意が必要です。
気乾材木材の含水量を外気中の湿度と均衡させた状態の木材を指します。この状態では、木材が安定し、建築や家具製作などの用途に適しています。通常、木材は伐採後に含水量が高いため、乾燥処理が施され、気乾材として使用されるようになります。
基幹作業道林業作業に使用される道路の一種で、林道などから分岐し、伐採、搬出、造林などの林内作業を行うために設けられた、恒久的に使用される主要な作業道路のことを指します。基幹作業道は、複層林施業や育成天然林施業など、森林の保育作業を効果的に行うために非常に重要です。
気乾比重木材が大気中で乾燥する際の比重を表す指標です。孔隙の多い木材は通常比重が軽く、一方、孔隙の少ない木材は比重が重くなることが一般的です。
基幹林道林道網の骨格を形成し、山村の生活環境の整備にも重要な役割を果たす林道のことを指します。基幹林道は、広範囲な森林地域において、木材の運搬や森林管理作業、農産物の輸送などに使用され、地域の生活と経済に寄与します。
偽心材樹木が成長過程で外部からの刺激や侵入菌などの要因により、通常の心材に似た材部を形成する現象を指します。通常の心材は横断面で正確な円形を示しますが、偽心材は不規則な形状を持つことが特徴です。偽心材は特にブナ(ブナ科の樹木)などでよく見られます。
偽年輪通常、温帯地域の樹木では毎年1つずつ形成される成長輪(年輪)が、異常気象、外傷、虫害などの外部要因の影響で正常に形成されない場合に生じる現象を指します。偽年輪は通常、不鮮明で、完全な輪を形成せず、その存在がわかりにくいことがあります。
玉(ぎょく)桐材の材積単位を表す用語です。1玉は、長さが194cmで、無皮末口の直径が18cmの丸太の材積を指します。玉数は直径が3cm増加するごとに1つずつ増加し、逆に3cm減少するごとに玉数が半減します。このように、桐材の計量や取引において玉は重要な単位として使用されます。
胸高直径立木の材積測定の一つで、成人の胸の高さの位置(通常は1.2m、北海道では1.3mとされることが多い)における樹木の直径を指します。この測定方法は、木材の容積や成長の評価に使用され、日本では一般的に1.2mの高さで測定されますが、地域や国によって基準が異なり、ヨーロッパ諸国では1.3m、アメリカでは1.37mを採用していることもあります。胸高直径の測定は、森林管理や木材の計量において重要な情報を提供します。
禁伐 樹木の伐採を禁止することを指します。この制度や措置は、特定の場所や期間において、木材の伐採を行わないように規制するために導入されることがあります。禁伐は、森林の保護や再生、環境保全などの目的で採用されることがあります。
菌根(きんこん)高等植物の根と菌類が共生する現象を指します。この共生関係において、根と菌類は相互に利益を得る関係にあります。菌根は一般的に「外生菌根」と「内生菌根」に分けられます。
外生菌根(Extraradical Mycorrhiza):根の外部に菌根が広がり、根の表面に密着して共生する形態です。外生菌根は、多くの植物種に見られます。例えば、マツ、エゾマツ、アオモリトドマツ、カラマツなどの針葉樹や、ブナ、ナラ、カシワ、シイ、カシなどの広葉樹に多く存在します。
内生菌根(Endomycorrhiza):根の細胞内に菌根が侵入し、共生します。内生菌根は、スギ、ヒノキ、および他の多くの樹木に見られます。
菌根は植物にとって栄養素の吸収やストレス耐性の向上など多くの利益をもたらし、森林生態系においても重要な役割を果たしています。
菌床栽培(きんしょうさいばい )キノコの栽培方法の一つで、オガクズ、チップなどの培地基材に水と添加物(例: 米ぬか、フスマなど)を混ぜて調製し、それを容器(ビン、袋など)に詰めて殺菌処理した後、キノコの種菌を接種し、培養する方法です。この方法を用いて、さまざまな種類のキノコを商業的に栽培することが行われています。キノコは培地基材を利用して成長し、収穫されます。
群状択伐 森林伐採の一形態で、特定の地点から複数の立木をまとめて伐採する択伐方法です。この方法では、ある一つの地点から周囲に存在する複数の木を一括して選択的に伐採することが行われます。群状択伐は、森林の管理や木材の収穫において、点状択伐(個々の木を選択的に伐採する方法)と対比されることがあります。点状択伐は木の個体ごとに伐採を行うのに対し、群状択伐では一度に複数の木を伐採するため、作業効率が向上し、森林の生態系にも影響を及ぼす方法として使われます。
計画的伐採対象森林森林施業計画の対象となる森林で、森林法施行令第3条で指定された禁伐林、竹林、要改良森林、要間伐森林などを除外した森林のことを指します。このような森林は、事前に伐採計画を立てることができ、伐採活動に適しています。
形状比樹幹の形状を示すための指標の一つで、樹高を胸高直径で割った値(単位:m)を指します。形状比が大きいほど、樹木の幹が細くて長いことを示し、逆に形状比が小さい場合は幹が太くて短いことを示します。
形成層植物の木部(xylem)と師部(phloem)を形成するために活発に分裂する細胞の層を指します。形成層の細胞群は、通常、外気の温度が上昇し春が始まる時期から分裂活動を開始し、夏の初めまでには早材(春材)を形成します。この季節の細胞は比較的大きく、細胞壁が薄いため、柔らかく成長しています。
原木製材、合板、パルプなどの木材加工の原材料として用いられる丸太または丸太に近い形状に加工された木材のことを指します。
原生林人間の手が加えられていない自然な状態の森林を指します。これらの森林は長い年月をかけて自然に発展し、人間の活動や干渉を受けていないため、多くの生態系や生態的価値を保持しています。一部の原生林は希少価値が高く、保護の対象となっており、特別な自然保護地域や天然記念物に指定されていることがあります。例えば、奈良県の春日原生林はそのような希少な原生林の一例です。
県民の森1968年に明治100年を記念して創設された、国土緑化を推進するための各種記念事業の一環です。このプロジェクトにおいて、国は「武蔵丘陵森林公園」(埼玉県比企郡滑川村)や「明治の森」(東京都・高尾国定公園)、大阪府の「みのお 箕面国定公園」などの自然公園を建設しました。同様に、地方の公共団体も、地域の住民に自然と緑を提供するための緑化事業を展開し、これを「県民の森」と呼んでいます。異なる地域や都道府県では、このような森を「郷土の森」、「憩いの森」、「青少年の森」など、地域特有の名称で呼ぶこともあります。
県有林 森林の所有形態の一つで、都道府県が所有する森林を指します。これらの森林は、地方公共団体である都道府県が管理し、保護・利用・整備されています。県有林は、地域の環境保全や自然資源の保護、森林の利用促進、そして地域住民に自然やレクリエーションの場を提供するために運営されます。
広域基幹林道森林の多目的機能の発揮が期待される広域的な森林地域を開発管理する骨格的林道をいう
公益的機能森林の有する機能のうち,木材等生産機能を除いた,水源かん養機能,山地災害防止機能,生活環境保全機能,保健文化機能をいう。
公益的機能別施業森林水源かん養,山地災害の防止等森林の有する公益的機能の維持増進を特に図るための森林施業(複層林施業等)を推進すべき森林。公益的機能別施業森林の区域は市町村森林整備計画において定められている。具体的には,重視すべき機能に応じて「水土保全林」又は「森林と人との共生林」に区分され,それ以外の森林が「資源の循環利用林」となる。
広域基幹林道広範囲の森林地域を結ぶために設けられた主要な林道を指します。これらの林道は、都道府県や地方自治体が所有し、整備・管理されています。広域基幹林道は、森林資源の有効な利用や森林地域の交通アクセスを確保するために重要な役割を果たしており、森林業や地域への支援を提供します。
構造用材木造建築において、土台、柱、大引、梁、小屋組みなどの主要な構造部材に使用される大きな木材を指します。これらの材料は通常、乾燥させられており、節や腐食、丸味などの欠点がない高品質なものが好まれます。樹種としては、主にスギ、ヒノキ、アカマツ、クロマツ、ツガなどの針葉樹が広く使用されます。また、クリ、カシ、ケヤキなどの広葉樹も特定の用途において使用されることがあります。
構造用集成材に建築物や橋梁などの耐力部材として使用される材料です。この材料は、高い強度性能を持つラミナ(薄い木材の板)を5枚以上積層して作られます。集成材は、木材の天然の欠点や不均質性を最小限に抑え、一貫した品質と強度を提供します。そのため、大規模な建築プロジェクトや高耐久性が要求される構造物に広く使用されています。
航空写真(空中写真)飛行機などから撮影された写真のことを指し、地上からの視点とは異なる高度から撮影され、広範な地域や地勢を一度に捉えることができます。航空写真は、地図作成や林業経営の資料として利用されるほか、林相や樹種、地質、土壌などを判定し、森林資源の現況を把握するためにも役立ちます。
更新伐採などにより樹木や植生が失われた地域に対して、新たな植生を育てるプロセスを指します。これは、人為的に植林を行ったり、自然の力を活用して新しい樹木や植物が成長し、森林の世代が変わることを意味します。更新は、森林の維持と持続可能な資源管理に不可欠であり、森林生態系の再生や機能の回復に寄与します。
高性能林業機械林業作業を高効率かつ多工程で行うために設計された林業機械の総称です。これらの機械は、伐採から木材の製材までのさまざまな作業を効率的に行うことができます。フェラーバンチャ、プロセッサ、ハーベスタ、タワーヤーダ等を総称して高性能林業機械という。
後伐林業における伐採作業の一環で、漸伐と呼ばれる森林管理手法の一部です。漸伐は、一斉林での伐期に達した木を段階的に伐採する方法です。漸伐は通常、予備伐、下種伐、そして後伐の3つの段階に分かれます。
合板合板は、原木から薄く削られた単板を、その繊維方向を1枚ごとに直交させて接着剤で接合してできています。この構造により、木材の異方性(材質や強度が方向によって異なること)が軽減され、割れや割れの防止、膨張や収縮の改善が実現されます。合板は木材よりも均一で安定した性能を持ち、多くの建築および製品の製造に使用されています。
公有林公有林は、都道府県有林、市町村有林、財産区有林、部落有林など、地方自治体が所有している森林のことを指します。これらの森林は、地方自治体が管理し、保護・利用・整備されています。公有林は、地域の環境保全や自然資源の保護、森林の利用促進、そして地域住民に自然やレクリエーションの場を提供するために運営されます。
国産材自国の山村や森林から産出される木材を指します。この木材は国内で生産され、輸入材(外材)と対比されることがあります。国産材は、国内の森林資源を活用し、国内の木材需要を満たすために使用されます。
木口(こぐち)木材の横断面、すなわち木材の切り口や断面のことを指します。木材の木口にはさまざまな特徴があり、木の種類や成長環境に応じて異なる模様や模様が見られます。木材の木口は、木材の品質や用途を判断する際に重要な情報源となります
国土保全機能森林が提供する公益的な機能の一つです。これには、土砂崩壊の防止、土砂流出の防止、なだれの防止、流水の制御などが含まれます。国土保全機能は、山地災害を防ぐための役割を果たし、特に山岳地域では重要です。
他の森林の公益的機能としては、水資源保全機能(水源涵養機能)、生活環境の保全機能、保健文化機能などもあります。これらの機能は、森林が環境保護、生活支援、文化的な意味で社会に貢献する方法を表しています。
国有林野施業実施計画地域管理経営計画に基づいて策定されるもので、国有林野の各地域や箇所ごとに伐採や造林などの森林施業に関する計画です。この計画は通常、5年ごとに策定され、森林管理局長によって承認されます。計画の内容は、国有林野の現状や将来の管理・利用方針に基づいて具体的な施業事項が決定され、実施の指針となります。
国有林野施業実施計画は、森林の適切な管理と保全を確保し、木材供給や森林の生態系に対する影響を調整するための重要な文書です。計画の策定には、地域の関係者や専門家の協力が必要であり、持続可能な森林管理の実現に向けた指針として機能します。
財産区有林市町村や特別区などの特別地方公共団体が所有する、山林や森林の一部を指します。財産区有林は、その財産区内にある山林を管理し、森林資源を活用したり、環境保全活動を行ったりするために使用されます。
特に、合併前の旧市町村単位で山林を管理する場合が多いことがあります。このような財産区有林は、地域の特性や資源状況に合わせて、森林の保全や利用に関する計画を策定し、森林管理や施業を行う役割を果たしています。
再造林人工林を伐採した跡地に新たに人工造林を行うことを指します。人工林は木材供給や森林資源管理のために植えられた林であり、一定の周期で伐採が行われます。伐採された後、その跡地を放置せず、新しい樹木を植えて再び森林を形成することが再造林です。
最多密度曲線特定の森林生態系において、異なる木の大きさに応じて、それらの木が最も効果的に生存できる最大の密度を示す曲線です。この曲線は、林分の構造や競争の程度、生態系の特性に基づいて決定されます。
最多密度曲線は、林業や森林生態学の分野で使用され、特定の森林の持続可能な管理や生態系の理解に役立ちます。これにより、適切な間伐や植林の計画が立てられ、森林資源が最適に利用されることが促進されます。
逆目(さかめ)木材の繊維組織が交差した部分が、製材やカンナ削りなどの加工過程で材面に毛羽立つ状態を指します。この現象は主に広葉樹材(針葉樹よりも広がりのある葉を持つ樹種の木材)に見られます。
逆目が発生すると、木材の表面がざらざらとした質感になり、見た目にも触感にも不快感を与えることがあります。また、逆目は木材の加工性能にも影響を与えることがあり、特に木材を滑らかに仕上げる際に問題が生じることがあります。
逆目を最小限に抑えるためには、木材の製材や加工時に注意が必要です。適切な刃物や工具、加工方法を選択し、木材の繊維組織を尊重することが大切です。
作業種森林伐採や更新における生産方法の分類で、伐採方法、伐採面広さ、形状などによって決定されます。これらの要因は、森林管理の目的や環境への影響を考慮して選択されます。
作業道林業作業を効率的に行うために設けられる道路の一種です。通常、林道などから分岐し、立木の伐採、搬出、造林などの林内作業を行うために設計・建設された道。
索道林業や山岳地帯などで、特定区間での運材や輸送を効率的に行うための施設です。索道は、支柱を立て、その間にワイヤーロープを張り、搬器などを吊るして走行させ、荷物や材木を運搬するために使用されます。
散孔材広葉樹材の中で、木材の横断面(木口)における導管の大きさと分布が1年輪層内を通じてほぼ均一な材です。この種の材は、熱帯地域の木材のほとんどと、日本産材の約60%を占めており、クスノキ、ツゲ、ブナ、シラカバ、ホオノキなどの広葉樹で見られます。散孔材は均一な構造を持つため、木材加工や用途において特定の特性を持つことがあります。
酸性雨化石燃料の燃焼などによって大気中に放出された硫黄酸化物や窒素酸化物などが雨水中に混じり込んで、雨のpH値を通常よりも低下させる現象です。通常の雨水は中性またはわずかに酸性(pH 6から7程度)ですが、酸性雨はpH 5.6以下の非常に酸性の雨となります。この現象は環境への影響が大きく、水域や土壌の酸性化、森林や水生生態系への悪影響、建築物や文化財の腐食などを引き起こすことがあります。酸性雨の発生源としては、工業プロセスや自動車の排ガス、火力発電所などの大気汚染源が挙げられます。
傘伐(さんばつ)一斉林の主伐の一種で、林分を伐採する方法の一つです。この方法では、伐採期に達した林分を、親木(母樹)を残しつつ、周辺を一様に伐採します。伐採後、親木から落下した種子が、親木の周囲で稚樹として成長することから、この方法は「傘伐」と呼ばれます。親木の存在は、新しい木々が成長するための種子源として重要であり、林の再生や更新に寄与します。傘伐は、森林の持続的な管理と生態系の保護を両立させるために使用される方法の一つです。
集材機林業作業に使用される機械の一種です。主な機能は、林間に散在する伐倒木や伐採された木材を収集し、集材地点に運ぶことです。
支援交付金制度この制度は、市町村長などの地方自治体の役職者によって認定された森林施業計画の対象となる森林に関連します。
認定所有者等(通常、森林の所有者や管理者)と市町村長などの地方自治体との間で協定が締結されます。この協定に基づいて、森林の現況調査など、森林施業の実施に不可欠な活動に対して、交付金が支給されます。交付金は、必要な施業を実施し、森林の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止などの目的を達成するための財政的な支援を提供します。
直挿し造林母樹から取った枝の一部を直接林地に挿し、不定根を発芽させて新しい独立した林木を育てる造林方法です。この方法は、特にスギやヒバなどの針葉樹に対して行われます。直挿し造林は、母樹からの枝を活用して新しい森林を育てる効果的な方法の一つです。特に環境条件が厳しい地域や土地が入手困難な場合に利用されることがあります。
自家用林一般の森林の中で、森林所有者が自身や家族の日常生活に必要な木材やその他の森林産物を収穫するために利用することが許可された林地を指します。自家用林は、市町村長が特定の基準に従って指定し、省令に規定されています。自家用林として指定された場合、伐採の届出や市町村の森林整備計画における適正な伐期齢の対象から除外され、森林所有者に特典が提供されます。
仕口(しぐち)木造建築で2つ以上の部材を交差させて接合する工法または、継ぎ手や組手を切り刻んだ部分を指します。この工法には、横架材に単に渡すだけの簡単な仕口と、構造的に部材を組み合わせるための仕口があります。後者の場合、多くの場合、ほぞが使用されます。
資源の循環利用林 木材生産を重視し、資源の効率的な利用と施業の効率化を促進するために設定される森林エリアです。これらの森林エリアでは、木材資源の生産に焦点が当てられ、施業の集約化、団地化、および機械化が推進されます。この取り組みは、効率的な森林管理を通じて、環境への負担を最小限に抑えながら、木材といった環境への負荷が比較的低い資源を生産することを目指しています。資源の循環利用林は、森林法第11条第4項第2号イに規定されており、公益的機能別施業森林区域以外の区域内に存在する森林がこれに該当します。
地拵え植栽や天然更新のために、林地を整備する作業のことを指します。この作業では、雑草や灌木を刈り払い、伐採した樹木の枝などを整理し、新しい植物が生育しやすい状態を整えます。林業や森林保全において、森林の健全な管理に欠かせない作業です
下刈り植栽した苗木の育成を妨げる雑草や灌木を刈り払う作業を指します。通常、植栽後の数年間、毎年春から夏の間に行われます。この作業は、苗木の健全な成長を促進し、競争する雑草や灌木から苗木を保護するために行われます。
市町村森林整備計画町村が地域の現状に合わせて策定する計画で、間伐や保育などの森林整備、施業の共同化促進、そして森林経営者の育成など、民有林に関する重要な事項に焦点を当てています。この計画は、地域内にある地域森林計画の対象である民有林に適用され、5年ごとに新たな10年の計画期間を設定して策定されます。これは、森林法の第10条の5に基づくものです。
社寺有林神社や仏閣に所属する森林のことを指します。これらの森林は、境内林として神聖な雰囲気や風景を保持し、また、境外林として経済的な資源として利用されることがあります。ただし、森林法の規定によれば、社寺有林は一般の私有林と同様に扱われます。
集材林地に散在する伐倒木や切り出した丸太を便利な地点まで集める作業を指します。このプロセスは、木寄せややぶ藪出しとも呼ばれることがありますが、木寄せと集材は作業方法が異なる場合があり、一般的には区別されています。集材作業は、人力、畜力、または機械によって行われ、現代では機械を用いた集材が主流となっています。
集材機林業作業に使用される機械の一種です。主な機能は、林間に散在する伐倒木や伐採された木材を収集し、集材地点に運ぶことです。
収量比数林木の生育段階に応じた密度と材積などの関係を示す林分密度管理図に関連する重要な指標です。この指標は、平均樹高が同じである異なる密度の林分を比較するために使用されます。具体的には、最も密度の低い林分の幹材積を1とし、他の密度の林分の幹材積をこの基準に対して比較します。
収量比数は、異なる密度管理戦略を評価し、特定の林分においてどの程度の密度や間伐が適しているかを判断するために役立ちます。
死節(しにぶし)木材の節(枝が生長した箇所)の繊維が周囲の材と連絡が切れている状態を指します。このような節は、木材の品質において問題があり、特に「製材の日本農林規格」においては欠点とされています。死節があると、木材の強度や耐久性が低下し、製材や建材としての価値が減少します。
師部(しぶ)樹木を構成する組織の一つで、樹木の根から葉へ水分と養分を運ぶ重要な組織です。
師部は樹木の外側に位置する師部と、内側に位置する師部の2つの層から構成されます。外側の師部(樹皮の一部)は、水分と養分を根から葉へ運ぶ役割を担い、内側の師部は光合成で生成された炭水化物を葉から根へ運びます。このように、師部は樹木内で物質の輸送を調整し、樹木全体の生命維持に寄与しています。
紋(しぼ)皮剥ぎスギ丸太の表面に現れる不規則な縦しわのことを指します。
私有林森林の所有区分の一つで、個人、法人(会社や社寺など)、あるいは団体が所有する森林を指します。私有林は、木材の生産、自然保護、レクリエーション、景観の維持、環境保全など、さまざまな目的に利用されています。
樹下植栽複層林を形成するための林業技術の一つであり、主に既存の森林の下層に新しい苗木を植えることを指します。これは、森林の持続可能な管理や生態系の健全性を維持するために行われることがあります。
樹幹樹木の主要な部分で、支持体として機能し、水と養分の輸送を担当します。また、年輪の形成を通じて樹木の年齢や成長履歴を示し、木材の供給源としても重要です。さらに、環境への貢献として二酸化炭素吸収や酸素供給なども行います。樹幹は森林生態系において不可欠な要素です。
樹冠(クローネ)樹木の上部に広がる枝や葉の集まりを指します。樹木の冠部分には、主に陽光を受ける陽樹冠と、陰になる下層の陰樹冠があります。この樹冠は、樹木の幹と同じく、森林生態系において重要な要素です。なお、日本では「クローネ」という表現がよく使われます。
樹高曲線樹木の胸高直径(X軸)と樹高(Y軸)の値を用いてプロットした散布図において、それらの値を結ぶ曲線を指します。この曲線は、胸高直径と樹高の関係を視覚的に表現し、樹木の成長特性や傾向を分析するために役立ちます。
受光伐育成複層林において、下層の樹木が適切な光環境を確保するために、上層の樹木を伐採する作業です。この作業により、下層の樹木や苗木が光を受けやすくなり、健康な成長が促進されます。
主伐利用期に達した樹木を伐採し収穫する作業であり、間伐とは異なり、伐採後に次の世代の樹木の育成を含むものです。これは、森林を更新するための伐採であり、複数の樹冠層を持つ森林において上層の木を全面的に伐採するものです。
樹木医1991年に設立された樹木医制度において認定される専門家で、主に樹木の病気を診断し、樹木の健康回復を支援する役割を担います。この資格は、日本緑化センターによって実施される樹木医資格審査に合格することで取得できます。樹木医として登録されるためには、樹木の診断や治療に関する実務経験が最低7年以上必要です。
樹齢 樹木の種子が地面に落ちてから芽が出て成長し、特定の年数が経過した時点での年齢を指します。
準特定市町村林野庁長官が隣接する特定市町村と協力して森林整備などを行う必要があると認定した市町村のことです。特定市町村とは異なり、準特定市町村には特に協力が必要とされる地域が含まれます。林業や森林の保全など、森林に関するさまざまな活動で連携が必要とされる場合、準特定市町村として認定されることがあります。
上層間伐成長が優れた主要な木を収穫し、同時に下層の木を保持する、主に収益を重視する森林間伐の手法です。
植栽密度人工林のヘクタール当たりの植栽本数を示す指標であり、造林の目的、樹種、立地条件などに応じて異なります。
植物群落保護林国有林野の一部で、特に保護が必要な植物群落や歴史的、学術的な価値を持つ個体を維持し、同時に森林施業や管理技術の発展、学術研究などに寄与するために設定された森林エリアです。
照葉樹シイ、カシ、ツバキ、クスノキ、タブノキ、イスノキなどの常緑広葉樹を指す言葉で、これらの樹木は深緑色で光沢のある厚い葉を持つ特徴があります。これらの樹木は通常、暖かい気候で多雨な地域で見られ、その葉の光沢から「照葉」と呼ばれています。照葉樹が優勢な森林は「照葉樹林」として知られています。
常緑広葉樹1年以上葉をつけたままでいる広葉樹を指します。これに対して、葉を落とす広葉樹は落葉広葉樹と呼ばれます。常緑広葉樹には、カシ、シイ、クスノキ、タブノキ、イスノキなどが含まれます。
常緑針葉樹1年以上にわたって針葉をつけ続ける針葉樹を指します。これに対して、針葉を一度に落とす針葉樹は落葉針葉樹と呼ばれます。常緑針葉樹には、モミ、ヒノキ、コウヤマキ、ヒバ、トドマツ、エゾマツ、シラベ、トウヒ、コメツガ、スギなどが含まれます。
植生 特定の地域や生態系に生育している植物体の総称です。
植物遷移全く植物の生えていない裸地から始まり、先駆植物(たとえばキゴケやハゴケなどの地衣類)が最初に生活を始め、その後、草原、陽樹、陰樹、最終的には極相林が成立するまでの、植物相の変遷プロセスを指します。
除伐育成の対象となる樹木の成長を妨げる他の樹木を刈り払う作業です。通常、下刈りが終了し、植栽木の枝葉が茂り、互いに接し合う状態になるまでの間に数回行われます。この作業により、育成中の樹木が適切なスペースと光を確保し、健康な成長を促進します。
集成材ラミナ(集成材を構成する板材)を繊維方向に互いに平行に配置し、長さ、幅、厚さの各方向に接着して作られる製品です。この構造により、集成材は強度と耐久性に優れており、建築や木工プロジェクトなどで幅広く使用されています。
樹脂樹木の表面から分泌される粘性または半液状の有機物質の総称です。この樹脂は俗に「ヤニ」とも呼ばれており、よく知られた種類には松ヤニやゴム樹脂などがあります。樹木が傷ついたり、病気や害虫から守るために樹脂を分泌することがあります。また、樹脂はさまざまな工業製品や材料の製造にも使用されます。
春材(早材)樹木が春から夏にかけて成長する部分で、細胞の形が大きく、細胞壁が薄いため、柔らかくて色が薄い特徴を持っています。これらの成長過程で生成される組織は、木質部に年輪として記録されます。この春材はしばしば「早材」とも呼ばれ、秋材と対照的です。
人工造林苗木の植栽、種子のまき付け、挿し木などの人為的な方法を使用して森林を創り出す過程です。
人工林人為的な手法で形成された森林を指します。通常、人工林は人工造林や天然更新などの方法によって作成されます。日本では、植栽によって形成されることが一般的であり、この場合、植栽林とも呼ばれることがあります。
心材樹木の木口面の中心部を構成する部分で、通常は木材の中で色が濃い部分です。樹木が成長する過程で、木部細胞が古くなり、生活機能を失って死細胞になります。そのため、木部円柱は樹心に近づくにつれて、死細胞から成る木材部に変化していきます。この変化が心材と呼ばれ、針葉樹の場合、広葉樹に比べて色や特性がはっきりと区別されることが多いです。流通業界では通常、心材を赤味(身)と表現します。
新植伐採跡地や未開発の立木地に苗木を人工的に植える作業です。このプロセスは、森林再生や新たな森林の造成を目的として行われます。通常、新しい森林を形成したり、伐採された森林の再生を促進するために行われます。
薪炭材燃料として使用される木材や材料のことを指します。これには、薪(まき)、木炭(炭)、および他の燃料材料が含まれます。薪炭材は、暖房、調理、焚き火、バーベキュー、製鉄、発電など、さまざまな用途で燃料として利用されます。木材の種類や特性に応じて、異なる用途に適した薪炭材が選ばれます。
薪炭林林まきや木炭の生産を主な目的とする森林です。この種の森林は、通常、新しい苗木が芽生えて更新され、木材を供給するサイクルが比較的短い特徴を持っています。薪炭林は、燃料として使用される木材を生産するために育てられ、伐採されることが多いです。薪炭林の木材は、薪や木炭の製造に利用され、暖房や調理、エネルギー生産など、さまざまな用途に供給されます。
心持ち材一本の小さな丸太から作られる角材の一つです。この角材は、丸太の中心部から製材され、通常は四角い形状をしています。心持ち材は、木材の加工や建設などさまざまな用途に使用されます。
森林位置図通常、地形図を基にして作成され、特に森林の位置や区域を示すために使われます。この図には林班の境界、民有林、国有林の区域境界、林道などが記載されており、森林の管理や保全、森林資源の利用などの目的で利用されます。森林位置図は、特に森林地域の情報を可視化し、森林に関する意思決定や計画に役立ちます。
森林インストラクター一般の森林利用者や都市住民などに対して、森林や林業に関する知識を提供し、森林での案内や野外活動の指導を行う専門家です。彼らの役割は森林の魅力や価値を広め、人々が森林との関わりを深めるのに役立ちます。
森林インストラクターになるには、通常、全国森林レクリエーション協会が実施する資格試験に合格し、その後登録される必要があります。資格試験に合格することで、森林利用や環境教育の分野での専門的な知識とスキルを証明できます。
森林インストラクターは、森林の魅力を伝え、森林を保護し、持続可能な森林利用を促進するために重要な役割を果たしています。
森林火災森林火災は通常、山火事とも呼ばれ、森林や野外地域で広範囲に発生する火災で、主に地表火、地中火、樹冠火、樹幹火の4つに分類されます。地表火は低温で速やかに進行し、地中火は地下で燃える難しい鎮火が必要です。樹冠火は高温で樹木の葉や針葉部分が燃え、樹幹火は樹木の幹部分が燃える火災で、木材資源への被害をもたらすことがあります。森林火災は生態系や財産に被害を及ぼす可能性があるため、早期の発見、鎮火、予防が重要で、さまざまな対策が講じられています。
森林機能配置図通常は5万分の1の縮尺で特定地域の森林における異なる機能を示し、木材生産、水源保護、山地災害防止、生態系保全、文化的側面など、主要な森林機能を表現しています。
森林基本図通常、5千分の1の縮尺の地形図に、行政区界が記入された地図です。この地図は森林に関する基本情報を提供し、行政区分との関連を示すために使用されます。
森林空間利用林国有林の中で、スポーツ、レクリエーション、文化活動、休養などのための場所として利用し、美しい景観を提供し、都市やその周辺地域の風景を保護・向上させる役割を重要視される森林エリアです。
森林計画区森林法第7条に基づいて、農林水産大臣が都道府県知事の意見を考慮に入れ、主に流域別に都道府県を区分けし、地勢やその他の条件を考慮して設定される地域です。
森林計画図5千分の1の縮尺の地形図で、森林の管理や計画に役立つ林班界と小班界を示したものです。
森林計画制度長期的な視点で森林資源の保全と生産力向上を促進し、森林の多様な機能を最大限に発揮するための制度であり、全国の森林に関する「全国森林計画」や、民有林における「地域森林計画」、市町村が策定する「市町村森林整備計画」、そして個別の森林に対する「森林施業計画」などが設けられています。
森林航測空から森林の状態を記録し、その情報を利用して森林の数量や品質に関する情報を収集する技術の総称です。この方法では、一定の間隔で森林上空から連続的に写真を撮影し、それを拡大・分析して、森林の面積、樹種、樹高、材積などを測定します。樹木の本数は樹冠を数えることで判定し、樹種は樹冠の大きさ、形状、色などを観察して判断します。また、樹高は立体写真法の視差測定桿を使用して測定し、材積はこれらの要素を総合的に考慮して算出されます。
森林GIS(地理情報システム)            森林の位置や形状などの地図情報と、林齢、樹種、蓄積などの数値やテキスト情報を統合的に管理し、これらの情報に対して検索や分析を実行し、さまざまな地図や帳簿などの出力が可能なシステムです。
森林整備市町村森林整備市町村は、かつては民有林面積が2,000ha以上または民有林の人工林率が都道府県の平均以上等の一定の要件を満たす市町村で、都道府県知事が当該市町村と協議の上、指定していました。しかし、平成10年の森林法等の改正により、この指定制度は廃止され、代わりに "特定市町村" が指定されることとなりました。
森林整備推進市町村民有林面積が2,000ha以上または民有林の人工林率が都道府県の平均以上などの一定の要件を満たす市町村で、都道府県知事が当該市町村と協議の上、指定していました。しかし、平成10年の森林法等の改正により、この指定制度は廃止され、代わりに "特定市町村" が指定されることとなりました。
また、隣接する森林整備推進市町村と一体的に森林整備等を図る必要があると林野庁長官が特に認めた市町村も存在しました。同様に、この指定制度も平成10年の森林法等の改正により廃止されました。
森林施業特定の森林の造成と維持を目的として行われる一連の活動で、これには造林、保育、間伐、伐採などが含まれます。
森林施業計画市町村森林整備計画に基づいて、森林所有者や森林組合、素材生産業者、個人などが、特定の団地的な森林エリア(通常は30ヘクタール以上)に対して5年ごとの長期計画を策定し、市町村長の承認を受ける制度です。この計画には主伐(伐採や収穫の計画)、間伐、造林などの森林管理活動が含まれます。
森林施業の共同化森林所有者が協力して伐採や下刈りなどの森林管理作業を実施したり、または森林組合などに共同で作業を委託する取り組みです。この方法を通じて、森林管理の効率性を向上させ、資源の持続可能な利用を促進することが可能です。
森林と人との共生林特に生活環境保全や保健文化の側面を強調した森林で、森林生態系と人間の生活環境の保護を重視し、森林空間を適切に利用するために設定される林区です。これらの林区は、民有林において、環境保全機能の維持と向上を促進するための森林施業が推進されるべき森林として、市町村森林整備計画において指定されています。指定された森林には、要転換森林や特定広葉樹育成施業森林も含まれています。
林森林保健施設特別措置法に基づいて設立された森林の保健機能を向上させるための施設です。
森林総合利用施設森林を交流、ボランティア活動、健康促進、教育など多目的に活用するために整備された施設と、それに隣接した森林の一体的な利用を促進する場所です。
森林文化森林や木材と深いつながりを持ちながら、森林を保護しながら効果的に活用するための知識、技術、制度、およびこれらに基づく生活様式を指します。
森林保全森林の機能を損なわずに人間社会の利益に役立てることを指します。具体的には、森林を経済的に有効に利用する一方で、森林の生態系や景観を維持し、その存在価値を守るために様々な対策を講じることが含まれます。
スーパー林道主に豊かな森林資源を持つ未開発の森林地域で、開発を促進するために必要な林道を指します。これらの林道は、1965年から森林開発公団によって開設と改良が行われています。
髄(ずい)幹(茎)の中心部で、主に柔らかい組織から構成される部分を指します。この中心部を髄と呼び、通常、その周り約3cm程度の領域を心目と呼びます。
水源かん養林樹木や地表の植生などが雨水や融雪水を地下に浸透させ、貯水し、それをゆっくりと流出させることで、森林が持つ理水機能の一つであり、洪水のピークを抑えたり、渇水を和らげたりする役割を果たし、洪水の予防や水資源の確保に寄与するための森林です。
水土保全林水源かん養機能や山地災害防止機能を重視するために設けられる森林で、特に複層林への移行を促進するための森林です。民有林においては、水源のかん養機能や土地に関する災害の防止機能の維持と増進を図るための森林施業を推進すべき森林として、市町村森林整備計画において定められています。この中には、複層林施業森林や長期の伐採計画が市町村森林整備計画で指定されているものが含まれます。
末口(すえくち)丸太の先端や細い部分の木口を指し、通常、材積計算などの際にその直径が測定の基準とされることが多いです。
スキッダ木材などを引きずって運ぶための機械の総称です。この機械は森林伐採や木材の収集作業で使用され、木材を引きずって集めたり、森林から運んだりするのに役立ちます。スキッダにはさまざまな種類やサイズがあり、トラクターもスキッダの一種として含まれます。
捨て切り植えてから20年くらいの若木を間引きするために伐り、山に放置しておくことからそう呼ばれるようになった。
製材材積製材品の材積(ざいせき、材木の体積や寸法)に関する総称です。製材品にはさまざまな種類があり、一般的に挽き割り類、挽き角類、および板類などに分類されます。製材品の材積は、日本農林規格によって規定され、それぞれの製材品に対する材積表が作成されています。この情報は、木材の生産、取引、および利用において重要な役割を果たします。
製材品製材木(伐採された木材)を、規格に合った寸法や形状に加工した木材を指します。この加工は通常、木材の形状や寸法を最適化し、特定の用途に合わせて製材するために行われます。製材品は建築材、家具、船舶、木工製品などさまざまな分野で使用されます。
成長錐(せいちょうすい)樹木の直径成長を測定するための器具です。この器具には、先端に円形の刃がついた中空の金属ネジがあります。成長錐を樹木の幹に取り付けてねじ込み、それを取り出すと、中には木質の円筒が取り出されます。この円筒には、木の成長の過程で形成される年輪が含まれています。
積層材木材の改良品で、木材の欠点、特に節などによる強度低下を補強するために使用される木材の一種です。積層材は、木材を単板に切削し、それらの単板を合成樹脂を接着剤として繊維方向に重ねて圧縮したものです。このプロセスにより、木材の強度や耐久性が向上し、特に吸湿性が改善されます。積層材は、その特性から構造材として幅広く用いられます。
施業の勧告市町村森林整備計画に従って施業が適切に行われていない場合に、市町村長が当該森林所有者等に対して行う指導の一種です。この勧告は、市町村森林整備計画の達成や森林の適切な管理を促進するために行政機関から行われます。
絶乾材含水率が完全にゼロ(0%)に乾燥させられた人工乾燥材のことを指します。別名として「全乾材(ぜんかんざい)」とも呼ばれます。
絶乾比重木材の含水率が完全にゼロ(0%)の状態での比重を指します。木材の比重は、その材質や種類によって異なり、絶乾比重は、材料が完全に乾燥している場合の密度や重さを示す指標です。
セルロースブドウ糖(グルコース)分子が連なった糸状の高分子であり、樹木や植物の細胞壁の主要な構成成分の一つです。セルロースは木材の主成分で、針葉樹や広葉樹の木質部の約50%を占めています。木材は、その強度や構造的な安定性の多くをセルロースによって提供されています。
遷移(せんい)ある植物の群落が時間の経過とともに、その環境や条件の変化に応じて別の群落へと変化していく生態学的な現象です。この現象は、生態系や生態学的なプロセスの一部として研究されています。遷移は自然界でよく観察される現象であり、特に生態系が新しく形成されたり、変化したりする場合によく見られます。
全幹集材全幹集材は、伐倒した木を玉切りしないでそのまま運ぶ方法です。通常、大型のトラクタや集材機が使用され、効率が向上します。この方法には次の利点があります。
・作業場所が選ばれたところで効率的な作業ができます。
・木材を集める効率が高まります。
・木材の形状や状態に応じて最適な採材が可能です。
全幹集材は、木材の収集において一般的に使用され、特に大規模な伐採作業や森林管理に適しています。
穿孔性害虫木材や樹皮の下に穴を開け、木材内部に侵入し、木材を傷つける昆虫の総称です。
全国育樹祭国土緑化運動の重要な行事で、毎年秋に開催され、国土緑化推進機構と開催地の都道府県が主催します。この祭典には皇太子殿下と皇太子妃殿下も出席し、育樹祭式典だけでなく、育林技術交流会や緑の少年団活動発表大会などが行われます。
全国植樹祭国土緑化運動の中心的な行事で、毎年春に開催されます。この祭典は、(社)国土緑化推進機構と開催地の都道府県が主催し、天皇陛下と皇后陛下も出席します。植樹行事やお手まき行事だけでなく、緑化功労者の表彰、学校植林・環境緑化コンクール入賞校の表彰、林業後継者大会などが行われ、地域社会における緑化活動が称えられます。
漸伐(ぜんばつ)単層林で成熟した木を数回または十数回にわたって段階的に伐採する方法です。
全木集材伐木現場で枝払いを行わず、枝葉のついた伐倒木をそのまま集材する方法です。
造材伐倒した樹木の枝を払い、それを切断して素材である丸太を生産する作業です。
造林現存の森林に手を加えて、特定の目的に合った新しい森林を造成するための作業です。また、無立木地に新たに森林を作り出すことも含みます。造林の方法は主に人工造林と天然更新の2つに分類されます。
雑木(ぞうき)通常、広葉樹材を指す流通業界の用語です。同じ意味で「ざつぼく」とも読まれます。
造作用集成材構造材などの内部造作に使用される、非耐力の集成材です。通常、積層によって素地の美観が表現されるものと、表面に美観を重視して化粧単板が貼られたものがあります。
壮齢林林分を年齢によって分類する際に、幼齢林、壮齢林、老齢林(高齢林)の3つに分けられるカテゴリーの一つです。壮齢林は、林木の成長が活発であり、材積成長量が最も多い時期にある森林を指します。この段階では木々の成長が盛んで、材木の生産が最も効率的に行える時期と言えます。
束(そく)竹材の流通単位で、全日本竹産業連合会によって定められています。一般的に、「1束」の竹材は気乾比重によって重さが異なりますが、過去の調査に基づくと、概ね1束=25kgと評価されています。この単位は竹種や竹のサイズによっても変動することがあります。
測高器測高器は、樹高を測定するための器具です。主な種類として、以下のようなものがあります:
・測竿(ソニック測竿):超音波を使用して樹高を計測する器具で、地面からセンサーを樹木の頂点まで伸ばし、距離を測定します。
・ワイゼ式測高器:樹木の高さを専用のアングル計と三角法を使用して計測する器具です。ワイゼ測高器は地面からの距離とアングルを組み合わせて樹高を算出します。
・ブルーメライス:測高機械の一種で、鏡を使用して樹高を測定します。観察者は鏡を使って樹木の上部を見て、角度を測ります。
これらの測高器を使用して、樹木の高さを正確に測定することができます。
素材未加工の原材料を指す言葉で、木材の場合は丸太やそまかく(杣角)など、木の未加工の状態を指します。日本農林規格では、丸太はその直径に応じて大(直径30㎝以上)、中(直径14~30㎝未満)、小(直径14㎝未満)の区分が設けられています。一般的には、未加工の木材を「原木」とも呼びます。
素材材積木材の材積を示す際の一つの方法で、単位は立方メートル(m³)です。これは、造成された素材(原木や丸太など)の材積を表すもので、「素材の日本農林規格」に基づいて、木材の直径級ごとに計算式が定められています。別名、「丸太材積」とも呼ばれます。
素材生産業者立木を伐採し、搬出し、丸太(素材)の生産を専門的に行う業者や個人のことを指します。
粗朶(そだ)雑木や広葉樹の枝条で、特に長さが2メートル以上のものを指します。これらの長い枝は、山腹工事や伐採作業などで使用されることがあります。林業や山林の管理で利用されることがあります。
杣角(そまかく)立木を伐採した後、現場で玉切りされた中丸太の四方を削って隅に丸味を残し、角材としたものを指します。かつては、集運材の無駄を省くためにこのような作業が行われていましたが、現在ではほとんど行われていません。
台切りキリやクヌギなどの植栽木を地際から切断し、その切り株から新しい幹が勢いよく再生するのを促すための作業です。
択伐複層林等において,林木の一定のまとまりを部分的に伐採すること。
択伐林計画的な択伐作業を繰り返して森林を管理し、林分の状態が大きく変化せずに持続的に利用されている森林を指します。
玉切り伐倒された立木から樹幹を大小、曲がり、節、腐れなどの欠点を検査し、それに応じて特定の長さ(通常は定尺と呼ばれます)に切り分けて丸太とする作業を指します。
タワーヤーダ集材車に鉄柱が付いているタイプの車両で、主に山岳地帯で使用されています。これらの車両は、鉄柱を使って集材作業を行うため、集材効率が高く、架設と撤去が比較的容易です。特に欧米の山岳地帯では一般的であり、近年では日本でも普及が進んでいます。
単層林(一斉林)樹冠の高さがほぼ同じで、樹種が単一である森林を指します。このような森林は、樹木が同じ年齢で成長しているため、樹冠の高さが均一です。別名として「一斉林」や「同齢林」、「単純林」、「純林」とも呼ばれます。
単層林施業森林内の一定の林木まとまりを一度にすべて伐採し、その後人工的に新しい樹木を植えて森林を再生・造成する施業方法です。この方法では、同じ年齢の樹木が一斉に伐採され、その後に新しい苗木が植えられて単一の樹種や同じ年齢の樹木で構成された森林が再び形成されます。
団地共同森林施業計画森林法第18条に規定されている施業計画の一つです。この計画では、複数の森林所有者が共同で1つの施業計画を作成し、それを認定機関に提出して認定を受けることができます。共同で計画を策定することにより、森林の持続的な管理や施業が行われることを促進し、森林資源の適切な利用を図ることが目的とされています。この計画は、一部の地域では残存期間が許されており、一定の期間内に経過措置として存続できる場合もあります。
地域管理経営計画「国有林野の管理経営に関する法律」に基づき、国有林野の管理経営の考え方や伐採等の事業の総量等について、森林管理局長が流域毎にたてる5ヵ年間の計画。
地域森林計画森林法第5条の規定に基づき、各都道府県知事が全国森林計画に合わせて、民有林に関する計画を策定するもので、5年ごとに新たな計画を立案し、それを10年を1期として実施していく計画です。
地位指数地位を評価する指標です。これは、樹木の種類と地域ごとに、気候、地形、土壌条件などの環境要因を調査し、それに基づいて計算されるスコアで表されます。一般的に、特定の基準年齢における林分の平均樹高を使用して、地位指数を算出します。
治山
長伐期施業通常の伐採年齢(例えばスギの場合40年程度)の約2倍の林齢で伐採を行う森林施業です。
つる伐採時に、受口と追口の間にある幹のつながった部分。蝶番の役割を果たし、伐倒方向をコントロールするために必要。
つる切り植栽後の初期に、クズ、フジ、ミツバアケビなどのつる植物が苗木の幹に絡みついたり、樹冠を覆いかぶさったりする現象があるため、ナタでこれらを切り取ったり、除草剤処理でこれを取り除く作業のことです。
定性間伐林冠の優劣や幹の欠点などに基づいて、あらかじめどのような特徴を持つ木を伐採するべきかを決定する間伐法です。
定量間伐あらかじめ決められた数量(たとえば、材積や本数)に基づいて間伐を行う森林管理法です。この方法では、伐採する木材の量が予め設定されており、それを達成するために適切な木を選んで伐採します。定量間伐は、森林内の密度を調整し、健全な成長と持続可能な資源利用を促進するのに役立ちます。
点状択伐群状択伐とは異なり、森林内の立木を一本ずつ選んで伐採する択伐法です。群状択伐では、一定の範囲や群れごとに伐採が行われるのに対して、点状択伐では個々の立木の特性や成長状況に基づいて伐採の対象を選びます。
天然下種自然に母樹からの種子が地表に散布され、その種子が発芽して新しい世代の若木が成長する過程。
天然更新種子が自然の力で新しい後継樹に発育するプロセスを指します。これは、高木林では種子が発芽して成長する場合があります(これを天然下種更新と呼びます)。低木林では、新しい樹木が母樹からの萌芽によって成長することがよくあり、これは萌芽更新として知られています。また、竹林では竹の新しい植物がタケノコから発生し、成長する場合もあります。
天然更新補助作業自然の力で種子が散布したり、切り株から新しい芽が生えて世代交代(天然更新)をサポートするための作業を指します。これには、種子の発芽を促進するために林床の表土をかき起こす作業や、ササやかん木を取り除く作業が含まれます。一部の樹種、例えばクヌギやコナラでは、根株に密生した若芽(ぼうがし、萌芽枝)を切り取って本数を調整する作業も行われます。
特定広葉樹特定広葉樹(コナラ,サクラ類,エノキなど)を主体とした地域独自の景観,多様な生物の生息・生育環境等の形成を図るための森林づくり。風致の優れた森林の維持又は造成に必要な樹種として市町村森林整備計画で定められている広葉樹の育成を行う森林施業のことで,森林と人との共生林の区域において推進すべき区域を定めることとされている。
特定広葉樹育成施業森林法第18条の2に定められている森林施業計画。森林の有する公益的機能のより高度な発揮を図るため,複層林施業,長伐期施業,特定広葉樹育成施業に関して森林所有者が計画を立て認定を求めるものである。平成13年の法改正により廃止されたが,残期間を有する計画は経過措置として存続が認められている。
特定市町村特定の要件を満たす市町村のことを指します。これらの要件には、民有林の面積が2,000ヘクタール以上であることや、人工林率が都道府県の平均以上であることなどが含まれます。都道府県知事は、これらの要件を満たす市町村を特定市町村として指定します。特定市町村は、森林総合利用、森林施業計画、林道など、林野庁が進める国の補助事業や施策において優遇措置を受けることができる地域として位置づけられています。
特定森林施業計画制度森林法第18条の2に基づく森林施業計画の一種です。この計画は、森林の公益的な機能をより効果的に実現することを目的としており、複層林施業、長伐期施業、特定広葉樹育成施業に関する計画を立てて認定を申請するためのものです。平成13年に法改正が行われ、特定森林施業計画制度自体は廃止されましたが、一部の計画については残存期間をもって経過措置が認められています。
特用樹樹木の一部、具体的には葉、果実、樹皮などが特定の特殊な用途に使用される樹木のことを指します。例えば、コウゾやミツマタ(和紙や紙幣の原料)、クリやクルミ(果実が食用として使用され、菓子などの材料にも利用される)、ウルシやコバイシ(塗料や染料の原料)、アブラギリやツバキ(製油の原料)などが特用樹として挙げられます。
特用林通常の森林のうち、立木の果実の収穫など省令で指定された特定の用途に主として供される森林で、市町村の長が当該森林所有者の要請に基づき指定するものです。特用林では、伐採の届け出や市町村の森林整備計画で定められた適切な伐採時期の適用外となります。
特用林産物 森林原野の産物のうち、建築やパルプなどの一般的な用途には使用されず、特定の特殊な用途に供される品目を指します。
トビ原木を移動、運搬集積する作業時に使用する道具で、1.5m程の柄の先端に、鳶のくちばしのような金属がついています。そのくちばしを木に刺して、移動させるために使います。木を回したり、引きずったり、持ち上げたりすることもできる汎用性の高い道具です。トビには種類として、長トビや片手トビなどがあります。
中目材直径が14㎝以上30㎝未満の丸太を加工して作られる材木をいう。
年輪樹木の横断面に同心円状に現れる模様で、これは通常、毎年1輪ずつ形成されるものを指します。年輪は樹木の成長記録として残り、樹木の年齢や成長状態を解析するのに役立ちます。ただし、熱帯地域の樹木は通常、年間を通じて成長が一様で成長休止期がないため、年輪が形成されないことがあります。
パーティクルボード(削片板)木材を細かく切削し、これに接着剤を添加して熱圧した板状の製品です。この製品は、遮音性、断熱性、加工性などが向上しており、家具、建築、電気機器などさまざまな分野で利用されています。
ハーベスタ自走式の林内多工程処理機械の一種です。ハーベスタは、グラップル(つかみ爪)、伐倒・玉切りの油圧チェーンソー、および枝払い用カッターをブーム(アーム)の先端に備えたタイプと、枝払い・玉切装置を車両本体に備えたタイプの2つの主要なタイプに分類されます。これらの機械は、森林伐採作業や木材の生産工程において多くの作業を効率的にこなすために使用されます。
特に、平坦地の多い北欧を中心に1980年代に普及しました。ただし、地形が急峻な地域では導入が難しい場合もあります。
羽柄材(はがらざい)建築や造作に使用される木材の総称です。これには、板類、タルキ(建物の土台や床を支える横材)、敷居(建物の基礎となる横材)、鴨居(建物の屋根を支える横材)などが含まれます。羽柄材は、構造材(柱、土台、桁など)以外の部分を構築するために使用され、建築や木造建築において重要な役割を果たします。これらの材料は、建物の構造やデザインに応じてさまざまなサイズや形状で加工されます。
葉枯らし倒した木を枝葉のついたまま一定期間(通常数ヶ月程度)林内に放置し、残った枝葉からの水分蒸発によって木材の含水率を低下させる方法です。このプロセスは、木材の材質向上や搬出時の軽量化を図るために古くから行われています。枝葉からの水分蒸発により、木材内部の水分が減少し、乾燥した状態に近づきます。この結果、木材は軽くなり、割れや反りが少なく、優れた品質の木材となります。
伐期齢林木が成熟して伐採時期に達した林齢(りんれい)を指します。林木は成長の過程を経て、木材や他の森林製品を生産するために適した状態に成熟します。この成熟した状態に達したとき、林木は伐採の対象となり、その時点を伐期齢と呼びます。
伐採跡地林木が伐期に達し、皆伐等により伐採した後の跡地を指します。伐採された木材が集材や搬出された後、地面を整備し、苗木を植えるために使用されます。
梁(はり)柱の頭頂部に位置する横架材で、主に小屋組を支えるために使用されます。梁にはさまざまな種類があり、代表的なものには2皆梁、陸梁、重梁、火打梁などがあります。梁は建築物において重要な役割を果たし、耐荷重性が求められるため、材料としてはマツ、ヒノキ、ケヤキ、シイ、クリ、ツガ、カラマツなどの木材が一般的に使用されます。
晩材(秋材)樹木が夏から秋にかけて成長する部分を指します。この部分の細胞は一般的に小さく、細胞壁が厚いため、木材が硬く、色も濃い特徴を持っています。この晩材は春材とは対照的であり、木材の特性において重要な要素となります。
標尺直接水準測量に使用される高さの目盛りがついた器具で、しばしば箱形をしています。このような標尺は、水平面を測定する際に使用され、高さを正確に測定するのに役立ちます。また、「箱尺」とも呼ばれることもあります。
標準伐期齢地域森林計画に基づいて設定される林木の伐採時期の基準です。通常、主要な樹種について、その成長が最大となる林齢を基準にしています。この基準は、森林の公益的な機能、過去の伐採齢の平均、および森林の構成などを考慮して設定されます。一般的に、標準伐期齢は5の倍数で設定され、市町村の森林整備計画において具体的に規定されています。
風致林名勝や旧跡などの景観を美しく保ち、一層引き立てるために存在する森林のことです。これらの地域や場所において、景観の保全と向上が重要視され、風致林はその一部として整備されます。風致林の管理は景観や環境の保護に焦点を当て、美しい自然環境を提供する役割を果たしています。
風倒木風で倒れた木のことをいう。主に台風などで山の一面の木が倒れてしまう災害時に風倒木処理をしなくてはならない。一度、根返りした杉、檜は枯れてしまうので、根切をして、搬出しなくてはならない。
フェラー・バンチャ自走式の伐倒用機械で、森林伐採のプロセスを効率的に行うために使用されます。この機械は、アームの先端に取り付けられたグラップル(つかみ具)を使用して立木の根元をつかみ、油圧カッターや油圧チェーンソーなどの切削装置を使って木を切断します。その後、伐倒木を整然と並べて配置し、搬出や後工程を容易に行えるようにします。
フォワーダ荷物を前方に運ぶことからその名前がついた車両で、主に木材を集材するための車両です。フォワーダは、荷台に木材を積載することができるタイプの集材用車両を指します。これらの車両は、木材の積み込みに使用されるクレーンやグラップル(つかみ具)などの装置を備えており、ホイール型、クローラ型、セミ・クロール型など、さまざまなタイプが存在します。フォワーダは、森林伐採現場で木材の収集と運搬を効率的に行うために使用されます。
複層伐複層林を造成するために行われる伐採方法の一つであり、通常は複層林における上層の木を全面的に伐採する方法です。この方法は、下層の樹木や苗木が生育するスペースを確保し、新しい植物が成長する機会を提供するために使用されます。
複層林施業年齢や樹種が異なる樹木から成る複層林を人為的に造成するための森林管理手法です。この施業では、森林内の一部の樹木を選択的に伐採し、その後に新しい樹木を植えたり、自然再生を促進したりして、森林の構造や種間の多様性を向上させます。
普通林道主に林業経営に直接的に必要な道路を指します。これらの道路は、広域基幹林道などのより大規模な林道網を補完し、森林の伐採、木材の運搬、森林管理などの林業活動に使用されます。普通林道は、森林地域のアクセスを改善し、森林資源の効率的な利用を支援する役割を果たしています。
復旧治山山腹崩壊地、はげ山、浸食されたり異常な堆積をしている渓流などの荒廃山地を、災害の防止や軽減を目的として復旧整備するための治山事業の一部です。
プレカット建築部材を工場であらかじめ刻み加工を施すことで、大工技能者不足への対応、部材加工コストの低減、住宅の工期短縮等を図ることが可能となる建築プロセスの手法。
プロセッサ林業において木材の加工を行う自動式の機械を指します。これらの機械は、伐倒された木材をグラップル(つかみ具)でつかみ、その後、ローラーなどを使用して木材を運搬しながら枝を取り除き、同時に油圧チェーン・ソーによって木材を所定の長さに切断する装置を備えています。このプロセッサは、林業の生産性向上に貢献しています。
分収林土地を借りて造林または育林し,利益を所有者(地主)と分け合うこと(分収)で造成された森林のこと。分収契約には土地の所有者・造林者または育林者の二者契約と,土地の所有者・造林者または育林者・費用負担者の三者契約とがあります。
米材アメリカの太平洋岸とカナダのブリティッシュ・コロンビア州から産出される木材の総称です。これらの地域から輸入される木材の主要な樹種には、ベイスギ、ベイマツ、ベイツガ、ベイヒ、ベイヒバなどが含まれます。米材は建築材、家具材、木工用材など多くの用途に利用され、その高品質と耐久性から世界中で広く需要があります。
平地林主に平坦な地域に広がる林地を指します。このような地域は標高が比較的低く、地勢が緩やかなため、林業や森林の利用に適しています。茨城県では、平地林を標高150m以下でかつ傾斜15度以下の森林と定義しており、各市町村ごとにその平地林の面積の割合が計算されています。たとえば、水戸市や他の市町村の一部がこの定義に該当し、平地林の保全や管理が行われています。
ヘミセルロース樹木の細胞壁に存在する高分子で、複数の異なる糖から構成されています。広葉樹においては、主成分はグルクロノキシランで、通常22〜35%が含まれています。一方、針葉樹においては、主成分はグルコマンナンで、通常20〜25%が含まれています。ヘミセルロースは加水分解によってオリゴ糖や単糖に分解されることがあります。
辺材樹木の木口面の一部で、通常、中心部である心材と比べて色が淡くなっている部分を指します。樹木の木口面には、心材と辺材の色の濃淡の違いが見られることがあります。一般的に、心材はより濃い色をしており、その外側の部分が辺材と呼ばれます。この色の違いは、木材の外観や特性に影響を与える要因の一つです。
保育植栽が行われた後、伐採が行われるまでの間に、樹木の成長を促進するために行われる作業の総称です。保育には、下刈りや除伐などの作業が含まれ、これらの作業を通じて樹木がより健康的に成長し、望ましい木材や森林の形成が促進されます。
萌芽(ほうが)母樹の根元や切り株から新しい芽が発芽し、それによって次の世代の若い樹木が成長するプロセスを指します。この方法は、森林の再生や更新において重要であり、母樹からの萌芽を活用して新しい樹木を育てることが行われます。
包括承継森林施業計画に関連する権利や義務が、計画を引き継いだ者に引き継がれるプロセスを指します。具体的には、森林施業計画を認定請求したり、認定された森林所有者が死亡したり、合併によって解散した場合に、その計画が新たな所有者や運営者に引き継がれ、その計画に関する権利や義務が引き継がれることを意味します。これにより、計画の持続性や運用が確保されます。
法正林材積収穫が計画に基づいて毎年正しく継続できる条件を備えた森林を指します。経営目的に従って林木を伐採しても、その森林の生産力を保続することができる森林を指し、このような状態を法正状態と言います。法正林の条件として、法正齢級(伐期までの各年齢の立木が同面積ずつ存在すること)、法正林分配置(各林分の位置的関係が経営目的に適切であること)、法正蓄積(毎年、均等な材積収穫ができる森林)、法正成長量(法正蓄積による成長量)の4つの条件が必要です。
北洋材シア極東地域から出材され、日本に輸入される木材の総称です。主な樹種には、エゾマツ、トドマツ、ダフリカカラマツ、欧州アカマツ、紅マツなどが含まれています。
保健機能森林森林の施業と公衆の利用に供する施設の整備を一体的に行うことにより、森林の保健機能の増進を図るための森林です。保健機能森林の区域は市町村森林整備計画において定められています。
保護林学術の研究、貴重な動植物の保護、風致の維持等を目的として、区域を定め、禁伐等の管理経営を行うことにより、保護を図っている国有林。
ほだ木きのこ類の生産に使用される木材のことを指します。きのこの栽培において、特定のきのこの胞子や種菌を接種するための木材として使用されます。
ほだ場主に木材や伐採した木を一時的に集積し、整理するための場所を指します。林業の現場で伐採した木を一時的に保管し、後で適切に処理するために使用されます。ほだ場は、木材の保管や整理作業を効率的に行うために整備されたエリアで、林内や人工的に設けられることがあります。
柾目(まさめ)板の表面の木目が、木の年輪に対してほぼ直角になっているもの。一方、年輪に対してほぼ接線をなしているものを板目という。一般に柾目板は広幅のものはとりにくいが、板の両面の収縮差が小さく、狂いは少ない。
松くい虫森林害虫の一種で、アカマツやクロマツなどの木に寄生して樹皮と材部を食害し、これが原因で木が枯死します。松くい虫には、しょうしもく鞘翅目昆虫(キクイムシ科、ゾウムシ科、カミキリムシ科)に属する種類が含まれます。現在、全国的に発生している被害の一因は、マツノマダラカミキリによって媒介されるマツノザイセンチュウによるものです。
マツノザイセンチュウマツノザイセンチュウは、樹木の材部に生息する材線虫の一種です。この虫が樹体に侵入することにより、松枯れと呼ばれる病気が発生します。この病気は、マツノマダラカミキリという昆虫によって媒介され、被害木は夏から秋にかけて急速に赤変し、枯死します。松林において重要な害虫の一つとされています。
磨き丸太銘木の一種です。通常、スギやヒノキなどの木材から作られます。製造プロセスでは、木材の表面の皮を剥ぎ取り、その後に丸太に砂を付けて水磨きを行い、滑らかで美しい仕上げを施します。磨き丸太は、床や柱などの建築材料として使用され、その美しい質感と高級感が評価されています。
密度管理林業や森林管理のコンセプトで、林分の密度(樹木の個体数または樹木の配置密度)と材積成長との間に定量的な関係があることを利用して、林分を効果的に管理する手法です。このアプローチは、林分内の樹木の間隔や配置を調整することで、個々の木がより適切な成長条件を得られるようにすることを目指しています。
未立木地伐採された跡地以外の無立木地を指します。
民有林森林の所有区分で、国有林に対する用語です。以下の3つのカテゴリーに分けられます。
私有林: 個人、会社、寺社などの法人が所有する林地で、民間の所有者が管理・運営しています。
公有林: 都道府県、市町村、財産区などの地方自治体が所有し、地方公共団体が管理・運営する林地です。
森林開発公団所管林: 森林開発公団(現在の森林総合管理機構)が所有し、管理・運営する林地です。
むく材接着加工などの特殊な処理が施されていない、生の状態の木材または製材品を指します。このような木材は、そのままの状態で建築や家具製造などに使用されることがあります。特別な加工を受けていないため、木材の自然な特性や風合いを活かすことができます。
無立木地通常、樹木が立っていない林地を指します。具体的には、樹木が生育しておらず、林冠(樹木の上部の葉や枝などが形成する部分)の投影面積が20%以下(国有林野経営規定において)または30%以下(民有林において)の林地を無立木地と定義しています。このような地域は、樹木の成長が制限されているため、特別な管理や利用計画が必要です。
杢(もく)木材表面に現れる模様で、木理が不規則に配列したものです。銀杢、笹杢、縞杢、玉杢、牡丹杢などの種類があり、木材に独自の美しさを与えます。
木材チップ木材を機械的に小片にしたものを指します。これらの木材チップは、主にパルプ、パーティクルボード(削片板)などの製品の原料として広く利用されています。
木酢液(もくさくえき)木材乾留、松根乾留、または製炭の際に得られる赤褐色の水溶液です。この液体は、酢酸をはじめとする成分が含まれており、工業用途で広く利用されています。木酢液は、香料、染料、医薬品などの製造に使用され、魚や畜産物の食品の燻製香料、トイレや家畜の脱臭剤、土壌の消毒など、さまざまな目的で利用されます。
木質ボード中質繊維板、もしくは中密度繊維板と呼ばれ、細かく粉砕した木を板状に成形したものです。 木質ボードは「MDFを含む繊維板」と「パーティクルボード」の2種類に大別されます。
木造軸組工法住宅伝統的な日本の住宅建築方法の一つで、木材の柱や横梁などの軸組みを用いて荷重を支える構造を持つ住宅です。この工法は日本の伝統的な建築スタイルを基にしており、木材を組み合わせて頑丈で安定した住宅を構築するために使用されます。
木繊維(木部繊維)広葉樹に特有の基本的な組織で、植物の体内で重要な役割を果たします。木繊維は、縦軸方向に細長く、両端が尖った細胞から構成されており、通常は1〜2ミリメートル程度の長さを持ちます。これらの細胞は主に木の体内で樹体指示作用を担当し、樹木の成長や形状を調節します。針葉樹の仮道管と比較すると、木繊維は短く、広葉樹に特有の特徴的な細胞です。
木タール木材乾留または木炭の製造プロセスから得られる液体で、木酢液以外のものを指します。木材を高温で加熱し、その過程で発生する液体成分が木タールです。木タールにはさまざまな有機化合物が含まれており、伝統的には防腐剤やシーリング材、医薬品、化粧品、香料などの製造に使用されてきました。木材乾留によって得られる木タールは、種類によって異なる特性を持っており、用途に応じて異なる木材種から製造されることもあります。
木理木材内部の各種細胞が配置されたパターンであり、木材の木目を形成します。木材には、通直木理(繊維が長手方向に直線的に配置される)や斜走木理(細胞がねじれたパターンで配置される)などさまざまな木理が存在します。
元口(もとくち)丸太の根元、つまり太い方の木口を指します。この用語の対義語として末口があります。末口は丸太の末端、つまり細い方の木口を指します。
モルダー加工材を自動的に送りながら、高速回転する複数のカッター軸を使用して、加工材の上下左右の四面を同時に切削する木工機械です。この機械は、木材や他の材料を所定の寸法や形状に整形するために使用されます。
役物製材品の中でも特に上質で、小節や上小節が少ない、または無節であることから、特等級や1等級に評価される高品質な製材品を指します。これらの材料は、木目や質感が美しく、建築や家具など高級な木製品の製作に適しています。また、役物はしばしば「色物」とも呼ばれます。
山元立木価格樹木が立った状態での価格を指します。通常、この価格は、丸太として市場で販売される場合の価格を基に計算されます。その際、伐採や搬出などにかかる経費を差し引いた価格が、立木1m³あたりの価格として示されます。
優勢木林内で成長が優れており、林冠の上層を構成する主要な木を指します。これらの木は他の樹木よりも大きく、健康で成熟しており、林の生態系において重要な位置を占めています。優勢木は、森林管理や伐採計画において特に注意を払うべき木材資源です。
誘導伐群状又は帯状の育成複層林を造成する際に行われる伐採方法です。二段林の場合は2回、三段林の場合は3回行い、下木を植栽することで、当該地域で主伐が可能な林齢を基準とする輪伐期の林分(二段林又は三段林)へ誘導します。誘導伐は、伐採木の搬出がしやすく、下木の成長に必要な受光量を確保しやすい群状又は帯状伐採を基本とする、群状又は帯状の育成複層林を造成する方法です。
要間伐森林間伐や保育が適切に行われていない森林で、早急にこれらの作業が必要な森林を指します。要間伐森林の所在や、どのように保育を行うか、そしてその時期は、市町村の森林整備計画によって定められています。
用材製材やパルプ・チップ、合板などの木材として利用される材料を指します。ただし、薪や炭材、シイタケ原木などはこの定義には含まれません。
養 生(ようじょう)木材の表面を保護するために、砥粉塗り、紙張り、ビニール張りなどの方法を使用することを指します。また、コンクリートなどの建築資材が十分に硬化するように保護することも含まれます。
要整備森林森林の伐採、造林、保育などの整備が急務である森林のことを指します。主に保安林の機能が低下しており、その機能を確保するために整備が必要な森林を指します。これに関する詳細は、地域森林計画の「特定保安林の整備に関する事項」に定められています。
幼齢林森林において壮齢林や老齢林と対比される概念で、若い樹木が主体である森林を指します。このような森林では、樹木の成長が活発で、樹高が急速に伸びています。一般的に、成長の速い樹種の場合、10~20年程度で幼齢林とされ、成長の遅い樹種の場合は30年までが幼齢林とされることがあります。
予備伐森林管理の一環として行われる作業で、主に森林内の林冠を開放し、陽光をより多く取り込むために一部の樹木を伐採することです。この作業は、母樹がより多くの実を結びやすくし、また種子の発芽に適した地表状態を整えることを目的として行われます。
予防治山山地での崩壊や荒廃を未然に防ぐための治山事業です。この事業は、山腹崩壊の危険地域や、草木のないはげ山地、浸食によって荒廃が進行している渓流など、荒廃の兆しがある地域に焦点を当てて行われます。目的は、山地での土砂崩れや荒廃を予防し、自然環境や人々の安全を守ることです。
落葉広葉樹冬季に葉を落とす広葉樹のことを指します。これらの樹木は、森林気候帯に分布し、特に冷温帯に多く見られます。垂直分布においては、山地帯の極相林として存在します。主な種類にはブナ林が多く、ミズナラ、シナノキ、トチノキ、カツラ、カエデなどが典型的な優占種です。冬季に葉を落とす特性を持つことから、「落葉広葉樹」と呼ばれています。
落葉針葉樹冬季に葉を落とす針葉樹のグループを指します。これらの樹木は、主にカラマツ属、イヌカラマツ属、イチョウ科、スギ科に分類されます。特徴的な特性は、針葉樹であるにもかかわらず、冬に葉を失うことです。このため、「落葉針葉樹」と呼ばれています。冬季に葉を落とすことにより、厳しい寒冷地域での適応を可能にし、雪の重みから樹木を保護します。
ラミナ集成材(LVLなど)の構成要素であり、1つの層を構成する木材を指します。集成材は、個々の木材要素を接着剤を使用して結合し、必要な強度と耐久性を持つ大きなパネルやビームを作成するために使用されます。
立木狭義では「立木に関する法律」に基づく所有権保存登記を受けた樹木の集団を指します。この法律により、土地所有者が土地に生育する個々の樹木に所有権を持つことができます。しかし、一般的には「立木」は土地に生育する個々の樹木を指す一般的な用語としても使用されます。この場合、特定の法的登記や所有権に関連づけられず、単に森林や林地に立っている木を指します。
立木材積樹木の材積を測定する方法です。立木材積には樹木全体の材積、幹材積、および層積の3つの主要な種類があり、それぞれ異なる測定方法が使用されます。これらの材積測定には、樹木の種類やサイズに合わせた標準的な材積表が使用されます。
立木地通常、木竹が集団的に生育している土地を指します。ただし、国有林においては、樹冠の投影面積が20%以上である場合、民有林においては同じく30%以上である場合に該当するとされています。
リグニン無定形のフェノール性高分子のことです。これは、木材の主要な成分の一つで、広葉樹には約20〜25%、針葉樹には約28〜31%含まれています。リグニンは、主に木材内の繊維を結びつける役割を果たしており、若い植物の細胞膜に沈着することで組織を強化し、抵抗力を高める役割を担っています。
輪 尺(りんじゃく)樹幹の直径を測定するための器具です。主に立木の材積調査などで使用されます。輪尺には方形と曲線形の2つのタイプがあり、日本では主に方形の輪尺が一般的に使用されています。
輪伐期作業級全体を一巡り伐採するのにかかる期間を指します。これは通常、森林管理計画や林業経営計画に基づいて計画され、森林の持続的な管理に役立ちます。輪伐期は、森林の種類や成長率、伐採の目的に応じて設定されます。
林道主に木材や林産物の搬出、森林の管理、および林業経営に必要な資材の運搬などのために、森林内に開設された道路の総称です。林道には広義と狭義があり、広義では森林鉄道、索道、流送路、牛馬道、木馬道なども含まれますが、一般的には自動車道や軽車道を指すことが多いです。林道は森林資源の有効な利用や森林管理を支援し、森林経済に重要な役割を果たしています。
林道密度特定の森林地域における林道の整備状況を示す指標の一つです。これは、森林の単位面積あたりに存在する林道の延長を表すもので、一般的には平方ヘクタール(ha)あたりの林道延長をメートル(m)で表します。林道密度は、その地域の森林資源にアクセスするための道路網の充実度を示す重要な情報です。
また、林内道路密度は、林道に加えて一般の道路(国道、県道、市町村道など)も含めた総延長を、同じく平方ヘクタールあたりの延長(m/ha)で示すものです。
林分樹種、樹齢、林木の直径などがほぼ一様で、隣接する森林と区別できる条件を備えた森林のことを指します。林業経営上では、これを単位として扱います。
林木林分を形成している樹木を指す言葉です。狭義では、人工的に育成された樹木を指すこともあります。また、広義では計画的に保育されている天然林を含む林分の樹木を指すこともあります。
劣勢木林分内で平均的な成長に比べて樹木の成長が弱く、遅れている木を指します。このような木は周囲の木々から競争や被圧を受け、ますます樹勢が衰えていくことがあります。樹勢の衰えが進行すると、劣勢木は枯死することもあります。
列状間伐林業における間伐の方法の一つで、作業の効率化やコスト削減を目的として、一定の間隔で列状に木を間伐する方法です。この方法では、間伐を行う木々が一定の列を形成し、作業効率を向上させることができます。
ローダー木材などの積込み,積み卸しを行う荷役作業車。作業車に装置するアタッチメントの違いにより,‘フォーク・ローダー’,‘グラップル・ローダー’,‘ショベル・ローダー、バケット・ローダー’などに分かれる。
老齢林伐期に達した立木の平均材積成長量が低下している森林。通常、成熟の早い樹種では50年までを壮齢林とし、それ以上を老齢林とすることが一般的です。一方、成長の遅い樹種では、80年までを壮齢林とし、それ以上を老齢林として区分することもあります。
ロット腐りのこと。
路網森林内に存在する公道、林道、作業道の組み合わせを指します。これらの道路網は、森林業務を効果的かつ効率的に実行するために欠かせない要素です。
ワープ木材が望ましくない形状に反り、ねじれ、曲がることを指します。木材は自然の影響や加工過程で湿度の変化などによって変形することがあります。この変形が木材の品質や利用価値に悪影響を及ぼす場合、それをワープと呼びます。

数の数え方

kitajin

林業用語ではありませんが、昔の数の数え方をいまだに使っている人もいます。昔の表記を知ることが役立つかもしれません。

面積

合 -- 1合 = 0.1坪

勺 -- 1勺 = 0.1合

畝 -- 1畝 = 30坪 = 約99.174 m 2 = 約1 アール

反 (段) -- 1反 = 10畝 = 約991.74 m 2 = 約10アール

町 (町歩) -- 1町 = 10反 = 約9917.4 m 2 = 約1 ha

体積

1勺(しゃく)≒18ml

1合(ごう)≒180ml 1合=10勺

1升(しょう)≒1.8L 1升=10合

1斗(と)≒18L 1斗=10升

1石(こく)≒180L 1石=10斗

長さ

一里=三六町=3.93km(約4km)

町(ちょう)一町=六〇間=109m

丈(じょう)一丈=一〇尺(約3m)

間(けん)一間=六尺(約1.8m)

尺(しゃく)一尺=一〇寸(約30cm)

寸(すん)一寸=一〇分(約3cm)

分(ぶ)一分=一〇厘(りん)(約3mm)

さいごに

kitajin

林業用語の知識を身につけることは、林業に関わる者にとって非常に重要です。これにより、業務や業界の理解が深まり、業務に取り組むことができるからです。

また、新しい用語や概念を学ぶことは、林業の知識を深め、いろんな人とのつながりが広がります。

未知の言葉に興味を持ち、積極的に学んでいくことで、林業における造詣を深め、今後の成長、発展につながるもしれません。

本記事が役に立てば、幸いです。

まだまだ、本記事は未完成で、もっと用語を足していけるように私も努力していきます。

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