どうも、元フォレストワーカーのkitajinと申します。
本記事では、肉体労働者の疲労回復について紹介しています。
私は、10年以上、林業の伐採工として働いてきて、そんな中で、いかに疲れないで、毎日作業をできるかを考えてきました。
肉体労働者にとって、体が資本であり、疲労を溜めないことが、怪我や災害の予防にもつながります。
毎日の疲労を蓄積しないためには、ちょっとした生活の改善が必要です。
具体的に、どうしたらよいでしょうか?
あくまで、個人的な見解ですが、参考程度に読んで、良いと思ったものを試してみてください。
この記事で分かる事
- 肉体労働における疲労の原因
- 疲労の回復方法
この記事を書いた人
- 静岡県浜松市で10年間林業に従事
(素材生産業者で伐採を主にやっていました)
- 林業に関する基本的資格はすべて取得
(林業架線作業主任者の国家資格取得者)
- 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営
(運営歴1年の新人です)
林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。
※本記事には、プロモーションが含まれています。
疲労の種類
疲労の種類には、肉体的な疲労と精神的な疲労と病気があります。
今回は主に、肉体的な疲労について取り上げていきますが、これらの疲労はつながっており、精神的な疲労が、肉体的な疲労と結びついたり、また、病気のために、心身が疲れる事もあります。
疲労の原因
疲労の従来の説では乳酸が原因とされていましたが、最近の研究では自律神経のダメージが主因とされています。
自律神経は体の機能を調整し、交感神経と副交感神経のバランスが重要です。ダメージを受けるとこのバランスが崩れ、活性酸素が過剰に生成され、細胞が傷ついて疲労が生じると考えられています。
疲労は免疫細胞が脳に信号を送ることで感じられます。
免疫細胞は体を守るために働く細胞で、傷ついた細胞や器官を見つけると脳に信号を送り、だるさや疲れを引き起こします。
なぜ疲労を溜めない方がよいか
動きが鈍くなる
疲労を溜め込めば、動きが鈍くなります。
動きが鈍くなれば、いざという時に、危険を回避できなかったり、怪我をしやすくなります。
普段は転ばないところで転んだり、起こさないミスを起こしたりします。
また、 疲労を抱えながら作業していると、周囲にも迷惑をかけるかもしれません。足を引っ張ったり、作業の輪を乱すこともあります。
判断力が鈍る
仕事では、様々な場面で判断力が必要となってきます。
ひとつの判断が、その後の作業に大きく影響して、利益を損失をしたり、労働災害につながるかもしれません。
それくらい、疲労をためて下した判断と、そうでないときの判断では違ってくるものです。
とくに、瞬間的な判断は、疲労に左右されます。疲労を溜めた判断は、安易な方へと向かいやすいものです。
注意力が下がる
疲れが溜まってくると、注意力も落ちます。
注意力が落ちると、つまらないミスをしたり、危ない場面を見過ごしたりします。
安全より、楽な方を選んだり、いざというときに、危険を回避できないこともありえます。
持久力が無くなる
疲れがたまると持久力もなくなります。
普段やれていることも、疲れがたまることで、できなくなってしまいます。
また、疲れが溜まってくると、モチベーションが下がり、ひどくなり投げやりになったりします。
きちんとした仕事ができずに、いい加減な仕上がりになり、やり直し、なんてことにもなりかねません。
疲労をため込むことで、様々な悪循環を生みます。
反対に、疲労を溜めなければ、どんな作業でも、苦労なくできます。
続きまして、疲労の原因について、紹介します。
疲労を起こす原因
週5以上の勤務
体力がある人でも、連続して勤務をしていると、どうしても疲労がたまってきます。
同じような作業をしているので、体の一定の部位ばかりを使い、そこに疲労がたまっていくのです。
とくに、腰や肩、股関節、膝などは、疲労がたまりやすいです。
腰痛が多いのはそのためです。
作業内容にもよりますが、林業の場合、伐採作業は、週休2日でも足りないと、感じていました。
不規則な生活
肉体労働者は、大体、勤務時間が決まっている職場が多いです。
出勤時間が同じなのに、不規則な生活をすれば、当然、睡眠時間が削られ、精神的、肉体的に疲労がたまります。
また、不規則な食生活になれば、消化のリズムが変わり、それも体の負担になって、疲労につながります。
反対に、規則正しい生活を続けていれば、余計なことを考える必要もなく、同じような行動が染みついているので、気持ちにも余裕ができます。
神経を使う
肉体労働の仕事は、一見、ダイナミックな仕事に見えますが、意外と繊細で神経を使います。
伐採作業では、高速に回転する刃物を持ち、重さ 1トンを超える木を倒すという作業をします。この一つをとってみても、相当、神経を使っています。
また、重機を乗って木を動かしたり、山の中での環境など、様々なことを気にかけながら作業をしなくてはいけません。
更に、利益を出さなくてはいけないので、とてものんびり仕事をしている暇はありません。
環境ストレス
肉体労働者は、様々な、環境ストレスに置かれています。
特に外で仕事をしている人は、夏の暑さ、冬の寒さ、春秋は花粉症、その他、雨や風、虫や騒音などにさらされています。
そんな中で作業をしているので、知らず知らずのうちにストレスが溜まり、それが疲労となるのです。
無理な姿勢で作業している
肉体労働は、様々な姿勢で、作業を強いられます。その時に、体の一部に負担をかけたままでいると、そこに疲れが溜まります。
チェーンソー作業では、体の負担をなくすために、チェーンソーを体に密着させたり、木や地面に設置させて、作業するのが良いとされています。
その方が安全で、疲労が少なくなるからです。
反対に、体から離して、チェーンソーを扱うと、負担が大きく、安全にも影響を及ぼします。
猫背や中腰姿勢などにならないように意識するだけで、ずいぶんと疲れ方が変わることに気づくはずです。
疲れを取るには?
睡眠
疲れを取るには、何と言っても睡眠が大切です。
量とは、時間の長さで、人によって違います。自分の適正な睡眠時間を知り、きちんと取れているかが重要になってきます。
つい夜更かしをしたり、不規則な生活で、寝不足になる事があるのです。
質は、より深い睡眠を取れているかです。
よく、朝方まで、一回も目覚めないのが、深い睡眠を取れているといいます。
参照 【医師監修】疲労の回復には睡眠が重要!眠りがもたらす効果や寝不足のリスクも解説|WENELL(ウィーネル)
規則正しい生活
毎朝、決まった時間に起き、同じような生活を繰り返すのは、ストレスがなく一日を始められる最良の方法です。
ストレスのひとつに、選択の多さがあるといいます。
ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によりますと、人間は、1日に最大で3万5000回の決断を下しているそうです。
個人差もありますが、この決断の多さが、脳の疲労を生むと言われています。
規則正しい生活習慣を続けることで、脳の疲労をおさえるのです。
仕事を知る
知っていることをやるのと、知らないことをやるのでは、疲れ方が違います。
仕事を始めたばかりは、毎日、疲れて帰宅した経験が誰にでもあると思います。
それが、段々と慣れて、疲れなくなってきます。
それと同じように、すべての作業を把握しているのと、そうでないのとでは、疲れが違うはずです。
いち作業員の場合、自分の担当する作業しか、目がいかずに、全体が分かっていない人がいます。
それを、作業全体を把握したり、もっと言えば、会社のやっているすべての仕事を把握すれば、疲れが軽減するはずです。
暴飲暴食を止める
暴飲暴食をすると、胃腸を弱らせたり、睡眠の質をさげます。
僕も仕事が終わると、暴飲暴食を繰り返していました。
肉体労働なので、いくら食べても問題ないと思っていました。また、つらい仕事のストレスを発散するために、暴飲暴食に走っていたのです。
しかし、それは逆効果であり、暴飲暴食は疲れを発散するどころか、余計にためる原因になっていたのです。
暴飲暴食をやめて、規則正しい生活をすれば、仕事がつらくなくなり、ストレスをため込むこともなくなったのです。
温活
外仕事は、体を冷やすことが多いです。
外気に触れたり、それ以外にも振動障害などで、手足の冷えを感じることもあります。
林業では、山の中で作業するため、平地より気温が低くく、日陰が多かったり、水の流れで寒さを感じやすいです。
ですので、体の冷えの対策として、普段は暖かい恰好をして、湯船につかることが大切になってきます。
体を冷やすことが、様々な悪影響を及ぼします。体温が低いと病気やケガをしやすくなりますし、眠りにも影響があります。寒いと眠りが浅くなるからです。
体を温めることで、疲れを回復するのに役立ちます。
ストレッチ
準備運動として、また、仕事終わりに体をほぐすためにも、ストレッチをすることが疲れをとるために効果的です。
作業中は、どうしても同じような動きをしているので、筋肉が硬くなることが多くなります。
凝り固まった筋肉をほぐすためには、作業前後のストレッチが有効です。特に、腰や股関節などのストレッチをやっておくと、腰痛の軽減につながります。
マッサージ
ストレッチ同様、体の凝りをほぐすために、マッサージも有効です。
ストレッチは体全体の筋を伸ばしたりするのに有効ですが、 マッサージはどちらかというと筋肉を解きほぐしたり、一定の部位のコリをほぐしたりします。
特に、腰、肩などはよく使う筋肉なので、同じような筋肉をこれがたまってしまっています。
しかし、その周辺の筋肉を揉みほぐすことで、全体的にバランスがよく整い可能性は出てきます。
トレーニング
普段、一定の筋肉ばかりを使う作業で、疲労した筋肉をほぐしたり、周辺の筋肉を鍛えたりすることで、疲れを感じなくさせる効果があります。
トレーニングを行うことで、体全体のバランスが鍛えられて、同じ筋肉ばかりを使うのを防ぎ、疲れを軽減させるのです。
また、体の様々な部位を使うことは、ストレッチ効果もあり、 疲労を感じた筋肉をほぐすことができます。
その他にも、トレーニングは、ストレス発散にもつながり、疲れた気持ちをリフレッシュすることができます。
栄養ドリンク
どうしても、回復力が見込めない場合は、栄養ドリンクに頼るのもいいかもしれません。
あくまでも補助的なもので、どうしても疲れて仕方がない時など飲むと良いかもしれません。
栄養ドリンクにばかりか頼ってしまうと、自己免疫力が低下したりするので、いずれは栄養ドリンクに頼らない生活が理想なのは、僕の持論です。
朝型か夜型かを知る
疲れを取るためには、まず疲れの根本を知ることも大切です。
自分がどういうタイプかを知るということも大切になってきます。
例えば自分が朝型人間か、夜型人間かと知らずに生活をしてしまい、自分のサイクルに合っていない生活パターンを続けて、疲れてしまうということも実際に起こり得ます。
自分が何があっているのかということを知るということも大切になってくるのです。
人には、朝方人間か夜型人間というサイクルが定まっている。
それを知らずに夜型人間が、昼職をやったりすると調子が出ないことがあります。
自分が何型かを知ることも大切です。
参照 【あなたはどっち?】朝型と夜型、特徴とその違い | Sleep Labo/スリープラボ 睡眠の悩みを解決する眠りの専門メディア (somnus.jp)
正しい姿勢を身につける
作業中の姿勢が、正しい姿勢で行っているかを知ることも疲れを軽減させるには大切です。
これは作業に限らず、日常生活でも正しい姿勢を意識することが大切です。
猫背になっていないか、首肩腰に負担をかける姿勢になっていないか など、常に自分が正しい姿勢でいるかを意識することが大切です。
正しい姿勢で作業をしないと、必ず、どこかに疲れが溜まるものです。
普段から、姿勢を意識してみましょう。
人間関係を良好に保つ
職場の問題として、一番に上がるのが人間関係です。
人間関係が良好な職場と、そうでない職場では、ストレスが大きく違います。
人間関係が良好な職場は、ストレスや疲労をためずに仕事ができます。また、たとえ疲れていても、人間関係がよければ、疲れを軽減させます。
精神的につらいと、体に負担をかけます。人間関係が良くないと、そもそも、やる気が出ません。
病院に行く
何をしても疲れが取れない場合は、一度、病院に行って、医者に診察をしてもらうのも一つの方法です。
気づかないうちに、何かの病気になっているかもしれません。
病気の場合は、何をしても疲れが取れないので、治療するしかありません。
プロテインを試してみる
トレーニングで少し触れましたが、体を鍛えるのは、疲れを軽減させます。
その中で、プロテインを接種するのも、ひとつの方法です。
プロテインなど、タンパク質を多く含んだものを取ると、疲れが軽減されるというデータもあります。
参照 疲労回復にはプロテインが効果的?適切な摂取方法で日々の生活の疲れを解消! | ちあふる (chiahuru.com)
さいごに
肉体労働の仕事をしていると、どうしても、疲れがたまってきます。
疲れがたまることで、作業内容や安全意識にも影響を及ぼします。
ですので、その都度、疲れないようなケアをしていかなくてはいけません。その場合、何か一つが効果がある、というよりは、様々なことを気をつけていくことが、疲労をためない方法です。
若いうちは、あまり気にしていなかった疲労も、年を取るに従い、どんどんと深刻化します。
年々、変わっていく体をいたわりながら、長く、気持ちよく働くには、日ごろの疲労に気を配る必要です。健康に、安全にいつまでも働けるように、疲労のケアを取り入れていきましょう。