どうも、元フォレストワーカーのkitajinと申します。
本記事は、林業で、近年、若者の就業者が急増してることについて言及しています。
ひと昔前まで林業は、人手不足と言われており、後継者不足が取りざたされていました。
僕が入った時も、人手不足と
しかし、現在は求人が右肩上がりとなっており、データでも、多くの若者が林業に就職していることが示されています。
なぜ今の若者に林業が受け入れられているのでしょうか?
その実態と、彼らが求める林業の実像、そして、今後の展望について解説していきたいと思います。
林業に興味がある人は、就職、転職する前に本記事を読むことをおすすめします。
この記事を書いた人
- 静岡県浜松市で10年間林業に従事
(素材生産業者で伐採を主にやっていました)
- 林業に関する基本的資格はすべて取得
(林業架線作業主任者の国家資格取得者)
- 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営
(運営歴1年の新人です)
林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。
※本記事には、プロモーションが含まれています。
就業者が増えた理由
長年人手不足と言われ続けてきた林業に就労者が増えた理由を、個人的見解と共に紹介します。
認知度が上がった
政府による就労支援のガイダンスや、ポスターまたはCMなどが放送され、多くの人に林業の求人が目が触れたことがあげられます。
それにより、林業の認知度があがり、林業を身近に感じることができて、選択肢のひとつに加わったと言えるのではないでしょうか。
また、ネットを調べれば、林業に関する情報も手に入れやすく、どういう仕事かを知る機会は一昔前に比べればずいぶんと増えています。
林業界の安全意識の高まり
林業は昔から、「危険、きつい、汚い」といった悪いイメージがありましたが、それらを改善するための努力は顕著になっています。
特に、安全への意識は、業界へ浸透して、事故を未然に防ぐ安全講習の実施や啓蒙活動などを定期的に行っています。
それにより、より安全な作業を心がける事業体が増えて、作業員にかかる負担が軽減していることも就労率のプラスに働いているのではないでしょうか。
おしゃれな作業着
林業の負のイメージの一つである、「汚い」を払拭するために、海外をはじめとした各メーカーが、林業のアイテムをおしゃれで実用的な物へと取り組んで販売するようになりました。
色とりどりの制服やヘルメット、安全はもちろんのこと、細部に至るまでこだわりを見せています。
これらは、今までのイメージを変えて、若者に受け入れられる要因の一つになっているのではないでしょうか。
環境への意識改革
近年、日本列島では多くの自然災害が発生し、その影響で私たちの生活にも深刻な被害が及んでいます。
このような災害に関するニュースが増えるにつれ、山林や森林が私たちの暮らしに与える影響について考える機会が増えてきました。
山林は土砂災害を防ぎ、地球の気候を安定させる重要な役割を果たしています。こうした背景から、自然災害を予防し、環境を守るために森林保全の重要性を意識する人が増えているのではないでしょうか。
中には、林業を通じて実際に森林保全に携わり、環境への貢献を志す人も少なくありません。
都会へのあこがれの薄れ
ひと昔前は、都会へ出ることが若者の憧れでした。
しかし現在は、どこにいても同じような生活をができるようになりつつあります。インターネットの普及により、情報もどこでも得られますし、買い物も、どこへ居ても通販などで取り寄せることができます。
わざわざ物価の高い都会で暮らすより、のんびりしながら仕事をしながら、田舎で暮らすという選択をする若者が増えても不思議ではありません。
勉強する場も増えた
若者の林業就業が増えている背景には、都会から離れて地方や田舎で暮らす流れが生まれていることがあります。
それに加えて、林業に関心を持つ人が基礎から学べる場が増えたことも要因の一つです。たとえば、「森林の仕事ガイダンス」といった就職支援の窓口が設けられ、林業の現場や仕事内容を詳しく知る機会が広がっています。
また、各地に林業大学校が開校され、初心者でもゼロから専門的な知識と技術を学べるようになりました。こうした環境が整備されてきたことで、林業への就職が以前よりも身近なものとなり、多くの若者がこの道を選びやすくなっていると言えるでしょう。
定時で帰れる仕事
林業は、自然の中で作業するため、日が暮れると作業は終わります。
日照時間に合わせて働くため、他の職業に比べて残業が少なく、一定の生活リズムを保ちやすいのが特徴です。この点は、ワークライフバランスを重視する人々にとって大きな魅力になっているのではないでしょうか。
家庭や趣味の時間、副業がしやすく、様々な選択の幅が増える職業といえます。
林業に就職を考えている人にむけて
林業に就職を考えているに向けて、林業界の今後の展望や問題点などを紹介して、就職の材料にしてください。
未来への展望
今後の林業界では、環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まる中、持続可能な森林管理や二酸化炭素の削減が期待されています。
最新の技術を取り入れたドローンやIoT技術の活用により、作業の効率化と安全性の向上も進んでいるのです。
簡単に言っても、これらの取り組みがあり、今まで以上に多くの人材が林業の分野で活躍できる機会が増えていく土壌はできています。
林業の問題点
林業の現場では、依然として労働災害が大きな問題となっています。
特に樹木の伐採や搬出といった作業は高リスクであり、最新のデータでも死亡事故の発生率は他の職業に比べて高いと報告されています。
近年、安全装備の導入や安全講習の充実が進んではいるものの、依然として危険が伴う作業が多く、改善の余地が残されているのが現状です。安全で安心して働ける職場環境の整備は、今後の重要な課題といえるでしょう。
さらに、林業は長年、風通しの悪い業界とされており、いまだに古い体質が根付いている事業体も少なくありません。このような環境は、新たに林業に挑戦しようとする人にとって障壁となり、職場に馴染みにくくなる要因となる可能性もあります。
業界全体の体質改善もまた、就業者の増加と継続的な定着に向けた取り組みが求められています。
就職までのながれ
最後の林業に就職する窓口について紹介します。
林業に興味を持ち、就職を目指す人にとって、さまざまな選択肢があります。どのルートを選んでも、林業の知識や技術を学びながら、安心して就職を進めることができるでしょう。以下に代表的な就職ルートをご紹介します。
林業への就職は、従来のオフィスワークとは異なる魅力と、自然の中で働く喜びを感じられる職業です。林業界が抱える課題や安全面に関する情報をしっかりと確認し、自分に合ったルートで林業界への扉を開いてみてください。
林業大学などに入学する
林業大学校は全国各地に設置されており、林業の基礎から高度な技術まで段階的に学ぶことができる場です。
林業の作業には、伐採、苗木の植え付け、育林などさまざまな工程があり、初心者がゼロから学べるようにカリキュラムが組まれています。ここで得られる知識や技術は即戦力として現場で役立ち、また仲間との交流を通じて将来のネットワークも築くことができます。
卒業後は、林業事業体や自治体などに就職する道が広がるのも魅力です。
ガイダンスへ参加する
各自治体や林野庁が主催する「林業ガイダンス」も、林業への第一歩として非常に有用です。
ガイダンスでは、林業の全体像を知ることができるほか、実際に働く人の声を聞いたり、現場で求められるスキルや心構えを学ぶことができます。
また、林業の仕事に対する疑問や不安を直接相談できる場として、多くの参加者が役立てています。参加費が無料のものも多いので、気軽に足を運んでみるのもおすすめです。
ハローワークで求人探し
林業関連の求人も増えてきており、ハローワークで情報を収集するのも重要な手段です。
ハローワークでは、単なる求人情報の提供にとどまらず、地域の林業事業者とつながりを持つ職員が、職業訓練や就職までのプロセスをサポートしてくれる場合もあります。
地域ごとの林業需要や就業条件に関するアドバイスも得られるため、個々の事情に合わせた仕事探しができるでしょう。
直接、事業体に問い合わせ
林業事業者に直接連絡を取り、見学させてもらったり、面接を受けるのは一番早い道のりです。
多くの事業者は、やる気のある新しい人材を歓迎し、見学や体験の機会を提供してくれるでしょう。直接現場を訪れ、実際の作業風景や職場の雰囲気を肌で感じることで、自分に合った働き方かどうかが判断しやすくなるでしょう。
また、見学中に事業者の方と話すことで、未経験者がどのように成長しているのか、具体的なキャリアのビジョンも描きやすくなるかもしれません。
ただし、新人を受け入れてない事業体もあるので、断れるリスクは常にあるのは覚悟しましょう。
まとめ
林業への就職は、さまざまな背景や経験を持つ人にとって間口が広く、挑戦する価値がある分野です。
未開発の可能性がまだ多く残されている林業は、どの入り口からでも自身の努力と心がけ次第で多様なキャリアを切り拓くことができる魅力を持っています。
他業種と比べて初めのハードルは低く、思い切って一歩を踏み出しやすい点も特徴的です。しかし、長くこの仕事に携わるためには、常に学ぶ姿勢と、同じ職場で働く人々や地域の人々への配慮と協力は不可欠です。
林業の未来を支える人材として、その一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。