林業一年目

【林業の中身】林業一年目で困らないために知っておくべきこと

kitajin

どうも現個人事業主のkitajinです。

本記事では、林業一年目で困らないために知っておくべきことを紹介します。

また、雇う側の事情もあり、実態がうまく伝わらない場合もあります。林業に就職を考えている方は、事前に知っておいた方がいいでしょう。

本記事を通して、林業という仕事の実態を事前に知り、一年目の戸惑いを減らし、離職率を下げる手助けになれば幸いです。

この記事を書いた人

kitajin
  • 静岡県浜松市で10年間林業に従事

(素材生産業者で伐採を主にやっていました)

  • 現在 静岡県浜松市愛知県新城市などで個人事業主として、主に素材生産などを請け負っています
  • 林業に関する基本的資格はすべて取得

(林業架線作業主任者の国家資格取得者)

  • 林業の情報を発信したくて林業ブログを運営

(運営歴3年です)

林業の魅力や重要性などを実体験を通して発信していくつもりなので、林業に転職を考えている方は参考にしてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

事業者側の事情

新人にやれる作業は本当に少ない

林業では、多くの作業に資格や経験が必要です。

チェーンソー作業、重機操作、伐倒判断などは、命に直結するため、未経験者がいきなり任されることはありません。その結果、一年目の新人がやれる作業は限られます。

主に任されるのは、

  • 枝払い
  • 掃除刈り
  • 道具運び
  • 現場の片付け
  • 見て覚える時間

といった、地味で単調な作業が中心になります。

ここで多いのが、「自分は必要とされていないのではないか」という不安です。しかし、これは林業ではごく普通の一年目です。

最初は作業を任されないのが当たり前であり、安全を最優先している証拠でもあります。焦らず、道具の扱い方や段取りを見て覚えることが、後々必ず役立ちます。

先輩は手一杯で、教える余裕がない

林業は零細事業者が多く、常に人手不足・時間不足です。

一人ひとりが自分の作業で精一杯なため、

  • 丁寧に教える時間がない
  • 新人に声をかける余裕がない
  • 放置されていると感じる

といった状況が起こりがちです。

これは新人の能力の問題ではなく、業界構造そのものの問題です。

一年目に大切なのは、

  • 指示を待ちすぎない
  • 分からないことは短く聞く
  • 今できることを自分で探す

という姿勢です。

「何をすればいいですか?」よりも、
「次はこれをやりますが、合っていますか?」
と聞けるようになると、現場での評価は大きく変わります。

林業界は他業種より全体的に遅れている部分がある

林業界は、他業種と比べて仕組み・考え方・働き方の多くが遅れている部分があります

IT化は進みにくく、紙ベースの管理や口頭伝達が今も主流です。作業のやり方も「昔からこうやってきた」という理由で続いていることが多く、合理性より慣習が優先される場面も少なくありません。

一年目の人がここで困るのは、

  • なぜこのやり方なのか説明がない
  • 改善案を出しても受け入れられにくい
  • 他業種の常識が通じない

といった点です。

「林業はそういう業界だ」と理解しておくことで、無駄なストレスを減らすことができます。最初の一年は、正しさよりも現場の流れを知る期間だと割り切ることが大切です。

一年目で困らない心構え

期待しすぎない

  • 手厚く教えてもらえる
  • すぐに一人前になれる
  • やりがいのある仕事を任される

こうした期待は、現実とのギャップを生み、苦しさにつながります。

焦らない

  • ケガをしない
  • 現場の空気を知る
  • 基本動作を体に染み込ませる
  • 同じ仕事ばかりでも腐らない

まずは焦らず、単調な仕事でも続けることで体が林業の体になっていきます。

自分から溶け込む努力をする

  • 朝の準備を率先して手伝う
  • 片付けを最後までやる
  • 空いた時間にできることを探す
  • 分からないことはすぐに聞く

林業の現場では、待っていても声はかかりません。こうした小さな積み重ねが、安心して任せられる人という評価につながります。

いろんな事業体の林業を知る

林業と一口に言っても、事業体によって作業の進め方や役割分担、使う道具や重機は大きく異なります。
今いる事業体のやり方が、林業のすべてではありません。

みどりの雇用の研修生や講師に話を聞いたり、書籍を読んだり、YouTube動画で他地域の作業を見ることで、「こういうやり方もあるのか」「自分の現場はどの位置にあるのか」と客観的に考えられるようになります。

さまざまな作業や考え方を知っておくことで、今は任されていない作業でも理解が深まり、将来ステップアップするときの吸収力が大きく変わってきます。

また、視野が広がることで、自分の現場の良い点や課題にも気づきやすくなります。これは不満を持つためではなく、冷静に林業という仕事を理解するための材料です。

一年目から、外の林業を知っておくことは、作業員としての幅を広げ、より高い視点で現場を見る力につながります。

一年目でやってはいけないこと

分からないまま作業を進める

現場で一番やってはいけないのは、分からないことを分からないまま進めることです。

新人のうちは、

  • 聞くと邪魔になるのではないか
  • 何度も聞くのは申し訳ない

と感じがちですが、林業では「知らずにやる」ことが最も危険です。

分からないときは、必ず確認する。それができる新人は、結果的に信頼されます。

無理に頑張ってしまう

高いところにのぼる、重い物を無理に持つ、危険な姿勢で作業を続けるなど、無理をすることは美徳ではありません

一年目で体を壊したりケガをすると、その後の林業人生に大きく影響します。

「できません」「一人では無理です」と伝えることも、立派な技術の一つです。

評価を急ぎすぎる

一年目で結果を出そうと焦ると、

  • 危険な行動
  • 空回り
  • 不必要なストレス

につながります。

林業は、年数で評価される側面が非常に強い世界です。最初から一人前扱いされないのは当然だと理解しておきましょう。

ミスを隠そうとする

林業一年目で意識してほしいのが、ミスを隠さないことです。

新人のうちは、誰でも失敗します。
手順を間違える、指示を勘違いする、作業が遅れる。それ自体は珍しいことではありません。

現場で本当に危険なのは、ミスそのものではなく、それを黙って進めてしまうことです。

「怒られるかもしれない」
「評価が下がるのが怖い」
「大したことではないと思った」

こうした判断が、結果的に事故につながる可能性があります。

林業は、一人の判断が周囲に影響する仕事です。だからこそ、ミスを正直に伝えることは、責任ある行動であり、現場では信頼されます。

ミスを隠さず、きちんと向き合うことは、作業を安全に、そして長く続けていくための基本的で大切な姿勢です。

新人としての行動

まずは「やれること」を確実に積み上げる

一年目に一番大切なのは、自分がやれることを着実に実行し続けることです。

林業では、派手な技術よりもまず、

  • 毎日山で動ける体力
  • 長時間作業に耐える持久力

といった基礎体力が求められます。

特に山の現場は、足場が悪く、傾斜もあり、天候にも左右されます。山で一日活動できる体力がなければ、どんな技術も活かせません。

言われたことを「確実にできる」ことの価値

林業では、

  • 言われたことを
  • 言われた通りに
  • 確実にやる

これが非常に重要です。

意外と多いのが、自分の基準で判断してしまい、結果的にできていないケースです。

「これくらいでいいだろう」という判断は、現場ではズレになることがあります。

新人のうちは、自己判断よりも指示を優先し、ズレがあればその都度修正していく姿勢が信頼につながります。

「できる」を増やすより「できない」をなくす

一年目で意識してほしいのは、

できることを増やすより、できないことをなくすことです。

林業では、スピードよりも

  • ミスをしない
  • 危険な行動を取らない
  • 同じ失敗を繰り返さない

ことの方が、はるかに重要です。

多少作業が遅くても、確実で安全な人の方が、現場では評価されます。ミスを減らすことこそが、林業における最大の成長です。

ココを押さえておけば将来困らない

基礎を習得している

林業において「基礎」とは、単にチェーンソーが使える、木が倒せるといったことではありません。「なぜその角度で刃を入れるのか」「なぜこの重機はこの動きをするのか」という物理的な理屈を理解することです。

30代の転職者は、20代に比べて体力的なピークは過ぎているかもしれません。しかし、論理的に物事を捉える能力は勝っています。ここで「なんとなく」で作業を覚えてしまうと、数年後に必ず成長の壁にぶつかります。

  • 「自己流」は成長の敵: 最初から我流で進めると、悪い癖がつき、後から修正するのは倍以上の時間がかかります。
  • 物理を味方につける: 伐倒は力技ではなく、重心と支点のコントロールです。この基礎理論を1年目に徹底的に叩き込むことで、数年後に複雑な現場でも対応できる「応用力」が育ちます。
  • メンテナンスこそ基礎の極み: 刃の目立て一つで、体の疲れも作業効率も劇的に変わります。道具を完璧に管理する基礎を疎かにする人は、いつまでも「力任せの非効率な作業」から抜け出せません。

「早く木を倒したい」という焦りを抑え、まずは地味な基礎動作を**「チキンと(確実に)」**体に染み込ませることが、結果的に一人前への最短ルートになります。

教わる環境で成長は大きく変わる

林業は、育つ環境によって「その後の10年」が決まってしまう職業です。なぜなら、林業には全国共通の教科書がなく、「その現場の親方の常識」があなたの世界のすべてになってしまうからです。

特に30代で未経験から入る場合、時間は限られています。成長できる環境かどうかを、以下の視点で見極めてください。

  • 論理的な指導があるか: 「感覚で覚えろ」と突き放すのではなく、危険の根拠や作業の意図を言語化してくれる指導者がいる環境は、成長スピードが数倍早まります。
  • 挑戦のステップが用意されているか: ずっと片付けだけをさせるのではなく、本人の習熟度に合わせて「次はこれに挑戦してみよう」と段階的にハードルを上げてくれる事業体は、新人のモチベーションを殺しません。
  • 最新技術への理解: 「昔ながらのやり方」に固執する事業体と、ドローンや高性能機械、新しい安全基準を柔軟に取り入れる事業体では、数年後にあなたが手にするスキルセットに天と地ほどの差が出ます。

もし、今の環境が「ただの駒」としてあなたを扱っていると感じるなら、それはあなたの才能の問題ではなく、環境のミスマッチです。30代からの再出発だからこそ、「自分が正しく育てる土壌か」を客観的に判断する目を持つことが大切です。

モチベーションにできることを作る

林業を長く続けるうえで大切なのは、
自分の中に、仕事を続けるためのモチベーションを複数持っておくことです。

任される仕事が増えること
評価され、給料が上がること
楽しく仕事ができること
技術が少しずつ向上すること

理由は何でも構いません。
モチベーションにできるものを持てるかどうかで、将来は大きく変わってきます。

・昨日より狙った通りに木を倒せた
・目立てを変えたら、明らかに体が楽になった
・作業前に危険を予測できるようになった

こうした小さな成長をモチベーションにできるようになると、
仕事は「やらされるもの」から、「確かめたくなるもの」へと変わっていきます。

林業は、年数だけで上達する仕事ではありません。
だからこそ、日々の変化や成長を自分なりに拾い上げ、前に進むための原動力にしていくことが大切です。

まとめ|林業で一番大切なのは「続けること」

kitajin

林業では、特別な才能や派手な技術よりも、続けることが何より大切だと私は考えています。

そのために必要なのは、

日々、自分にできることを確実にやること
無理をせず、安全に作業すること
今日を終えて、また次の日を迎えられる状態でいること

この積み重ねこそが、林業を続ける力になります。

スピードを求めすぎず、ミスを減らし、ケガをしない。派手さはなくても、確実な人が最終的に現場に残るのが林業です。

そして一つ、覚えておいてほしい視点があります。
それは、**「安全に続けられる環境かどうか」**ということです。

もし、安全より効率が優先されていたり、無理を前提とした作業が当たり前になっていたりする場合、その環境が本当に自分に合っているのか、一度立ち止まって考えてみてください。

林業は命を使う仕事です。
だからこそ、無理をし続けることが前提の現場で頑張り続ける必要はありません。自分が長く続けられる環境かどうかを見直すことも、大切な判断の一つです。

私自身、15年間林業の現場に立ち続けてきました。
その中で感じているのは、人が育つ現場には共通点があるということです。

無理をさせない
安全を最優先する
新人が「続けられること」を評価する

もしあなたが、これから林業の世界に入ろうとしている、あるいは今の職場に少しでも違和感を感じているなら、ぜひ「自分が続けられる環境かどうか」という視点で考えてみてください。

この考え方に共感できる方であれば、林業という仕事を、きっと長く続けていけるはずです。

この記事が、あなたが林業一年目を、困らずに進んでいくための助けになれば幸いです。

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